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2009年11月24日火曜日

『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎

このブログ始めてから、ずっとライブのネタばっかり書いてるけど、
そんなにライブばっかり行ってるわけにもいかないので(経済的に・・・)
たまには、読書感想文みたいなものも書いてみようかね。

基本的に、本は図書館で借りて読む。
なので、新刊を読むことってほとんどない。

伊坂幸太郎は好きだけど、まだまだ全作読破にはほど遠いなぁ。

というわけで、今さらだけど『アヒルと鴨のコインロッカー』を借りてきた。

もちろん映画も観てないんだけど、瑛太がキャスティングされてた記憶があって、
読み始めてすぐは「河崎=瑛太」のイメージが邪魔でつらかった。
だってどう読んでもコレ、私のイメージしてる瑛太じゃないし。

ま、それは置いといて・・・。

動物虐待の描写に弱いんだよね、私。
読んでて悲しくて、苦しくて、すぐ隣で能天気に寝息をたててる
飼い猫のお腹に顔を埋めて(猫アレルギーにもかかわらず・・・)
ちょっと泣いときました。

ちなみに『海辺のカフカ』読んだときは、あのシーンで号泣してしまった。

ま、それも置いといて・・・・。

この作者の作品はすべてそうだけど、お伽噺、ファンタジーだよね。
けど、村上春樹なんかよりもっと現実に近い風味。
琴美の台詞とか、とくに「あるある~」な感じで、それを狙ってるんだろうけど、
個人的には、こういうのが好きじゃないんだな。
リアルに近づけようとすればするほど、リアルじゃないことが際立つような。
椎名の大学の友人の関西弁が気になってみたり・・・。
物語世界に入り込むのに邪魔されてしまうのだ。

しかし、それは些細なことで、ストーリーテリングが素晴らしいので、
最後まで一気に読み通してしまったよ。

いつもいつも関心してしまう、伏線の引き方と、その収束のさせ方。
お見事ですね。

なのに、物足りない。
やっぱり、綺麗に収まりすぎなんじゃない?

確かに、一つ一つの断片が繋がって綺麗な1枚の絵が出来上がるのを
見ているは、爽快感があって楽しい。
でも、そこからはみ出した人間の感情とか、業とかいったものが
心に響くんじゃないだろうか。

琴美の抱いた怒りとか恐怖とか、残虐な犯罪に対する絶望感だとか、
その辺のざらついた感触がもっと欲しかった。

などと、偉そうなこと書いたけど、
物語が終わってしまうことがイヤなだけなのかも。
延々と続く長い物語が好きだから、キレイにさらっと終わってしまうのが
なんだか切ないんだよね。
だから、気に入った素敵なお話は、ずっと引きずってて欲しいの。

恥ずかしながら、そういうとこは現実逃避の文学少女のままみたい。
だから、いまだに小難しい本は読めないんだよね。

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