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2012年12月31日月曜日

trantrism vol.9 @横浜BLITZ

BRAHMAN presents 「trantrism vol.9」
出演:BRAHMAN / BIGMAMA / フラワーカンパニーズ
2012.12.20 横浜BLITZ
開場18:00 / 開演19:00
前売¥3,000(+1Drink) 【SOLD OUT】



仕事を終え、いそいそと横浜へと向かっているときに、
東海道線が止まってしまったのだ。
京浜東北も。
なんで、こんなときに・・・おーまいがっ!

というわけで、開演に間に合わず、BIGMAMAの途中から。
最後の3曲くらいは聴けたんだけど、
ちゃんと聴く体制ができた頃に終わってしまった。
なので、感想は書けないなぁ。



そして、フラカン。
竹安前の2列目にイン。
なんか、前の方空いてて、やや不安になる。
アウェイ・・・なんでしょうか?

いつものSEで登場した4人は、いつもの感じの衣装ですわ。
・・・たぶん・・・実はあまり覚えていない。
あっ、グレートは冬服なので、NOオーバーオールね。

『冬のにおい』からスタート。
うん、良い良い。
私にとっては、今季の初モノだから、アガるわね~。

続いて『ヌードコア~』ときたもんだから、
そりゃもう、トップギアに入るわ。
竹安の右腕のふりの激しさが堪らん。
いい具合にスペースがあるので、思いっきり飛び上がれるし、
楽しいぃぃぃ!

ふと私の前、最前の柵を掴んでいるお嬢さん達を見ると、
微動だにしていない。
あぁ、ブラフのファンの方ですね。
彼女達の心には、まだまだ火が点いていないんだなぁ・・・。
そんなこともチラッと思ったけれど、他人のことはカンケーない。
私は思う存分楽しむだけ。

これがね、竹安の真正面だったわけなのよ。
いっつもお客の顔なんてあんまり見てなくて、
空を見つめていることが多い竹安なんだけど、
この日は、明らかにこっちを見てた。
つまり、反応の悪い彼女達を見てたわけで、
これでスイッチが入ったんじゃないかと思うのだ。
竹安の眼の色が違った。
ギターも、キレキレカッティング。
アップストロークの後、腕を振り上げたままでポージング?
カッコ良く(?)決めてたよね~。

ああ見えて、アウェイで燃える男だからね~。
もう、棒立ちの彼女達にお礼を言いたいくらいだ。

『SO LIFE』の圭介がキュートだったなぁ。
「恥ずかしい話ですが~」って歌いながら、
自分の体の側面を撫で上げるようにする動きが、ちょいセクシー。
なんだけど、圭介がやると可愛いんだよ。

MCは、ほとんどなかった。
圭介が靴下がずり下がるのをずっと気にしてたのが
可笑しかったけど。

『はぐれ者~』のギターソロの途中で、音が途切れた。
シールドが抜けたのか、接触不良なのか。
すかさずQ太郎さんが出てきて、すぐに復活してたけど。
アウトロ部分だったかな、そのソロの分も挽回するかのように、
キレキレだったね~。

とにかく、音が、サウンドが良かった。
かなりステージ寄りに立っているのに、不思議なことなんだけれど。
ギターの音が、すっごくダイレクトにガツーンと
クリアに響いてきたんだよね。
だから、ついつい圭介よりも竹安に目が行っちゃったな~。


冬のにおい
NUDE CORE ROCK'N' ROLL
SO LIFE
はぐれ者賛歌
ロックンロール
深夜高速
チェスト
真冬の盆踊り


この短い持ち時間に、ギュッと詰め込んだ感じ。
悪くない。
MCも切り詰めて、ここまでタイトにやられると、
ストイックささえ感じて、惚れなおしてしまうぜ。

頑張って、辿り着いた価値があったわ。



ブラフマンもカッコよかったね。
あのいかつい野郎どもが夢中になるのがわかるよ。

嬉しかったのが、MCの中で、フラカンのことを
“老人”呼ばわりしながらも、愛があったこと。
「年をとると、おひたしが食べたくなる。涙がしょっぱくなる」
と『年をとるってこと』の歌詞を引用してくれたりとか。
トシロウ、ちゃんと聴いてくれてるんだね。
こんな地味な曲を知っててくれたなんて、嬉しいなぁ。

うーん、時間がないので、無理やりまとめちゃうけど、
ブラフマンは熱かったね~。
ステージの上はもちろんのこと、オーディエンスが熱いわ。
トシロウを落とさないように支え続ける野郎どもの
顔は見えないけれど、きっと誇らしい顔してるんだろうなぁ、と。
ちょっと感動してしまった。



終演後、急いで帰るつもりだったのだが、
物販ブースにGが居たので、思わず足が止まる。
Tシャツ買っちゃった。
あいかわらず、気の利いた言葉が出てこない自分が歯がゆいが、
仕方ないなぁ。

2012年12月27日木曜日

石橋凌@赤坂BLITZ

石橋凌 ソロライブ 『SHOUT of SOUL』
(Drums:池畑潤二 / Bass:渡辺圭一 / Guitar:藤井一彦
Keyboards:伊東ミキオ / Sax:梅津和時)
12月16日(日) 赤坂BLITZ  
開場16:00 / 開演17:00
前売チケット:¥5,775(指定席) / ¥5,250(立見席) *ドリンク代別



赤坂BLITZの椅子席なんて、初めてかも。
ライブが始まると、すぐに立ち上がってしまうにしても、
焦らなくても席は確保されてるわけだし、
座って開演を待っていられるのは、楽チンだよね~。

私と同年代から、やや上くらいの客層だから、
オールスタンディングというわけにはいかないのだろう。

開演前に場内アナウンスが流れる。
「本日は撮影のカメラが入っております。
ライブ中のお客様の表情を撮影させていただきますので・・・」
ええーっ!?マジですか?
どうか、私のバカ面が撮られませんように、と神に祈る。



凌さんは、白いトレンチコートに帽子で、ダンディに登場。
一曲目の『魂こがして』は、ミッキーと梅津さん、二人だけの演奏で。
ううう~、そうきたかぁ・・・。
凌さんがステージに立つだけで、圧倒的な存在感なのだが、
ピアノとサックスのジャジーな音色が、劇伴のようで、
“役者 石橋凌”の存在感を際立たせる。

正直、ソロアルバムに入っている、この『魂こがして』を
初めて聴いたときは、かなり衝撃を受けた。
もう、子供っぽいロックなんてものは演りません、と
凌さんに背を向けられたような気がしたんだよね。
もちろん、私の勝手な妄想に過ぎないのだけれど。

しかし、それももう耳に馴染んだし、
こうしてライブで聴くと、理屈抜きのカッコ良さ、
凌さんの歌の力強さに魅せられて、メロメロの骨抜きになる。

そして、バンドメンバー登場。
全員、ビシッと50年代ギャング風ファッションでキメている。
魂署の刑事・・・というより、ワルの方だよなぁ。
池畑さんのあのヒゲは、絶対、ワルだよ~。

前半は、まだ着席したままだった。
凌さんから「もうすぐシートベルトの着用サインが消えるから、
あと2曲ほど、お待ち下さい」と。

その2曲の間は、一彦さんも座りでアコギ。
『待合室にて』では、お馴染みのヤイリくんを使っていたのだが、
見たことのないギターに持ち替えて、次の曲へ。
あっ、ガット・ギターだ!
一彦さんがガット・ギターを弾くの初めて見るなぁ・・・なんて、
考えていたら、爪弾き始めたイントロに、ズキューンとなった。
なんと『Just a 16』じゃないか。
まさか今日聴けるとは思ってなくて、不意をつかれて、
ウルッときた。
一彦さんのギターも繊細でいいなぁ。

シートベルトの着用サインが消えたらしいので、立ち上がる。
立って、リズムに合わせて体を動かせるのは、気持ちいい。

そこで、ついにCHABOが登場。
ステージ下手から、ゴキゲンな様子で笑いながら出てきた。
たしかに、CHABOが出てくると場の雰囲気が変わる。
なんていうか、フワッと軽くなるのだ。

CHABOのギターはテレキャス。
ゴリッとしたテレキャスの音さえ、CHABOが弾くと
とても軽やかに響く。

凌さんとCHABOが並んで立っている光景は、
とても不思議な感じだった。
CHABO曰く「昔はおっかない顔してて、話しかけられなかった」と。
それでも、笑い合って並んでステージに立っている二人は、
同じ時代を歩いてきた同志、というような、
たしかな絆で結ばれているのだろう。

CHABOと並んで弾いてるときの一彦さんの嬉しそうなこと。
無邪気そのもの、というか、無我夢中の少年の顔だったよね。
一彦さんのその想いが伝わってくるようで、
なかなか感動的な場面だったなぁ。

『いい事ばかりはありゃしない』は、今年、よく聴いたなぁ。
めちゃくちゃ名曲な上に、
誰が歌っても、あの人の声が聴こえてしまうという
とんでもなくセンチメンタルな一曲。
CHABOがヴォーカルをとったのだが、一彦さんとミッキーも
それぞれ、ワンコーラスずつ歌った。
二人とも魂を込めて歌っていたなぁ。
それを凌さんが優しい目で見つめていたなぁ。

どのタイミングだったか、小さい卵型のシェイカーを幾つも
メンバーが客席へ投げ込んでたので、キャッチしようと
頑張ってみたけれど、ダメだった。
後ろの席の人が取ったのを少し見せてもらったら、
メンバーのサインが入っていて、羨ましかったわ~。
正面にいた圭一さんに、もっとアピールすればよかったかな。

『Do It! Boy』とか『抵抗の詩』なんていう
懐かしいナンバーも散りばめられていて、この日のセトリ、最高!

『Dear My Soulmate』は、アルバムの中でも一番好きな曲。
梅津さんの他にも3人、ホーン隊が入ると華やかだし
一段と盛り上がる~。
梅津さんの動きが可愛かったんだよね。
くるっとターンしてたり、サックスを銃に見立てて
客席に向けてみたり。
お茶目さんだわ~。

もう、どの曲がどうだったとか、細かい記憶が無いのだけれど、
メンバー紹介しつつ、それぞれのソロパートを回したはず。
CHABOも居たはずだから、アンコールのときだったかも。

そのアンコールは、まさかのトリプル。
しかも内容が濃い~!

最後の最後に『AFTER '45』が聴けて、涙。
私の脳内再生回数歴代一位と思われる曲なのだよ。
感動しないわけがないじゃないか。
魂こがしました・・・。




魂こがして
乾いた花
最果て
HIP SHAKE HIP
待合室にて
Just a 16
Heavy Days
形見のフォト
MOJO WALKIN'
いい事ばかりはありゃしない
淋しい街から
抵抗の詩
ダディーズ・シューズ
Dear My Soulmate
TOKYO SHUFFLE
Do It! Boy
縁のブルース
喝!

我がプレッジ
R&R AIR MAIL

Soul to Soul
RUTE 66
ピカドンの詩

AFTER '45
パブでの出来事
スタンドバイミー


セットリストの順序は自信なし。



とにかく、凌さんの歌に痺れまくった。
あんなに力強い歌を歌いながら、優しい目で客席を見渡して、
まるで、一人一人と目で挨拶を交わしているようで、
温かい気持ちにさせてくれる。
その度量の大きさに包み込まれたような、安心感。
なんて気持ちのいいライブだったことか。

役者の石橋凌も悪くはないけれど、
やっぱり、シンガーの石橋凌が、私には必要なのだ。
ずっとずっと歌い続けてほしい。

2012年12月23日日曜日

ありがとうございました×3

諸事情により、泣く泣く諦めたPolarisのライブ。

チケットのやりとりって、結構めんどうだし、
もう、紙くずにしてしまおうかな~、なんて思ったりもしたのだが、
すでにソールドアウトしているということは、
行きたくても諦めてる人がいるということで、
それを考えると無駄にしてはいけない、と思い直した。

このブログでチケットの譲り先を募ったところ、
素敵な縁に恵まれて、素敵な方(便宜上、以下“スーさん”と表記)に
お譲りすることができた。
そして、そのスーさんに、私は図々しくもお願いしてしまったのだ。
「もし良かったら、ライブの感想を教えて欲しいんです。
それをブログにアップさせて下さい」と。
本当に迷惑なお願いにもかかわらず、スーさんは
「いいですよ」と快く答えて下さった。
なんて、いい人なんでしょう。

・・・というわけで、スーさんからメールが届きました。


ポラリス行ってきました。ありがとうございました。

あらきさんと、終始3人でのステージでした。
シンプルでなんだか良かったですよ。
譲さんは、ポラリスは曲が長いから~って、座って演奏して、
立ってMCしてました(笑)
ポラリス初めての人~?って、手を挙げてもらったら、
ぱらぱらいる感じでした。
六年ぶりのライブだそうで、もうそんなに経ったのですね。

あってるか分かりませんが、セットリストです。

Slow Motion
季節
MC(ここしかないって言ってましたが、ちょこちょこ話してました)
深呼吸
檸檬
天気図
コスモス
瞬間
光と影
新曲
en.)新曲


たぶん、こんな感じです。
新しいCDを買ってないのと、体調不良で後半ははっきりと覚えてませんが、
本編ラストのセッションなど、素晴らしかったです。
後、Slow Motion のギターのリフがはじまったとき、
きた~って、感じでしたね。

まとまりませんが、ご報告まで。ありがとうございました。



ほぼ原文のままで、引用させてもらいました。
最初と最後、2回も「ありがとうございました」と
お礼の言葉をいただいて、たいへん恐縮です。

そうか、そうか。
私の大好きな『深呼吸』や『瞬間』を演ったんですね~。
くぅぅーーっ、聴きたかったー。

初めての人?と訊かれたら、
高らかに「はーい!」と答えたかったなぁ・・・。

と、あれこれ妄想は膨らむけれど、
次は絶対にライブ行くぞー!と決意を新たにしたのである。

スーさん、体調不良だったというのが気になりますが、
ライブの幸せのお裾分けをいただきました。
こちらこそ、“ありがとうございました!”です。

では、今度はPolarisのライブで、
スーさんとお会いできるのを楽しみにしておきましょう。

2012年12月18日火曜日

冬のとーべん祭り ~ほっこり編~@440

冬のとーべん祭り ~ほっこり編~
2012年12月13日(木) 下北沢 440
開場:18:30 / 開演:19:00
前売3500円 / 当日4000円 (1オーダー別)
出演:笹倉慎介/tico moon/ Modern Irish Project/
ゆげみわこ(中野督夫g)/湯川トーベン
スペシャル・ゲスト:斉藤哲夫



開演時間になり、トーベンさんからのご挨拶。
「今日は、ほっこり編ということで、“ほっこり”した人だけを
呼びました。・・・が、ちょっとヘンなのも一人入っちゃったけど。」
というのは、もちろんトクオさんのことだね。



ゆげみわこ
ゆげさんのセットは、トクオさんがアコギでサポート。

時間の流れが緩やかになり、郷愁を誘う歌声。
『奄美の子守唄』や『木曾節』といった民謡を
優しく歌い上げて、独自の世界観と作り上げていた。

『木曾節』のトクオさんのギターが、カッコよかった。
間奏で、エフェクトをかけ歪ませた音色で、ギュワーンと入ったとこ。
生命感が漲って、民謡の持つ逞しさが鮮やかに色づいた。

いつものことだが、トクオさんは喋りだすと止まらない。
主役はゆげさんなのに、自分のライブの宣伝を延々としてて、
関係者席のトーベンさんから「喋りすぎ!」と言われてた。
それでも、まったく気にせず、ずっとマイペースだったね~。

最後は、tico moonのお二人の演奏で
アイルランド民謡の『サリー・ガーデン』

ゆげさんは、どんな歌を歌っても和の匂いのする人だった。



Modern Irish Project
フィドル、ドラム、ギターの3ピースのアイリッシュバンド。

青いフィドルを持った女性、大渕さんはとてもクールな表情で、
軽やかに弾むような旋律を奏でる。

ギターの長尾くん、ほぼリズム楽器だよね。
職人ワザのように気持ちのいいカッティングを刻み続ける。

あれ?ドラムの人、見たことあるわ。
そうだ、横浜リザードで仰木さんのバックで叩いてたわ。
田嶋友輔くん、彼のドラム、好きだわ。
きっちりとリズムを叩きながらも、窮屈さがなくて、
フワッとした自由さを感じるドラムだ。

途中で一曲、トーベンさんがベースで参加。
「リハを見てたら、混ざりたくなっちゃって。」というわけで、
急遽決まったらしい。
しっかりと譜面を見ながら、ベースを弾く姿は、ちょっと珍しい。

けど、本当に愉しそうなんだよね~。
ドラムの友輔くんとアイコンタクトとってるときなんて、
お互いニコニコしちゃって、こっちまで顔がにやけてしまう。

アイリッシュ、楽し~!
あの陽気なリズムは、座って聴いているのが辛くなる。
腰がムズムズしてくるよ、踊りたくて。



笹倉慎介
最初に、トーベンさんとの馴れ初め(!?)についてのトーク。

笹倉くんがまだ会社員だった頃、
船橋の「月」というお店で共演したのが最初で、
その縁で、トーベンさんのイベントに何回か呼んでもらって、
すごく感謝している、と。

その最初に出会ったときに、トーベンさんが、これ演ろうよ、
と言って、一緒に合わせた曲が、はっぴいえんどの『12月の雨の日』
ということで、今日の一曲目。
トーベンさん、MIPの友輔くんと一緒に。

その後、一人で弾き語りのステージ。
とても表情がチャーミングで、いい顔している。
すれたところがなく、少し垢抜けなさが残っているところがいい。
もちろん、褒め言葉ですよ。
写真よりも、断然いいオトコだったもんね。

歌声は澄んだやさしい声。
“ほっこり編”には、ピッタリの人選だ。

最後は、tico moonのお二人の演奏で
『Have Yourself A Merry Little Christmas』を
ギターを置いて歌のみで。
トーベンさんから「ハンドマイクで!」と注文が出ていたけれど、
それは恥ずかしいから、と座ったまま、スタンドマイクで歌ってた。

本当に、ほっこりした、素敵な青年でしたわ。



tico moon
このイベントの初っ端から大活躍のお二人は、
ハープとギターのユニット。

初めて生で見るハープの演奏に、目が釘付けになった。
その優雅なこと!
指で弦を弾いて音を出すわけだけれど、
まるで舞っているかのような腕の動きは滑らかで美しい。
あの可憐な音色は、聴く者を夢見心地にさせるよね。

すっごくメルヘン。
異世界に入ってしまったような気分だ。
鈴の音が、シャンシャン、シャンシャンと入ってきて、
とてもクリスマスっぽいなぁ、と。
あれ?鈴の音、どこから聴こえてるんだろう?
とキョロキョロとしてたけど、見当たらない。
ちょうど私の所からは死角になっている、ギターの方の足元から聴こえる。
おそらく、足に取付けてリズムをとるようにして
鳴らしていたんじゃないかなぁ。

すべてインストかと思ったら、
一曲だけ、ハープの吉野さんが、ヘッドセットのマイクをつけて、
可愛らしい歌声を披露してくれた。
とてもキュートだったなぁ。

トーベンさんも、今度はアコベで一曲参加。
ギターの影山さんが「大好きなトーベン兄さん」と
紹介してたのが、なんだか可笑しかった。

「この中に入るの、けっこう勇気がいるんだよ」と言うのも納得。
お二人が作り上げてる世界観は完成されているから、
余計なものが入ると、壊してしまいそうだもんね。
でも、やっぱりトーベンさんは凄い人なのだ。
どんな曲でも前に出すぎず、でも、しっかりと底流を支える。
川の流れのように澱みなく、海へと導いていく。
あー、心地よいわ。



斉藤哲夫
本日のスペシャル・ゲスト。

前回のとーべん祭りにも出演された。
その後、倒れてしまわれたと知って、とても心配していたのだが、
幸いにも快復されて、少しずつライブもされているようなので
本当に良かったなぁ。

「前は2時間でも3時間でも平気でやれたんだけど、今はダメ」
と言ったときの、ちょっと残念そうな表情が印象に残った。

ダータファブラから『サイドストリートバンド』を
一人弾き語りで。
2フィンガー奏法の手元を見たかったのだが、
譜面台に隠れてよく見えなかったのが残念だった。

トーベンさん、トクオさんとの3人で
CCRの『Who'll Stop The Rain』のカヴァーと
『夜空のロックンローラー』・・・これは、本当に名曲だ。
メロディアスな曲調に、聴き手に語りかけるような優しさと
説得力のある歌声が響く。
なんだ、斉藤哲夫さん、すっかりお元気ではないか!

でも、出番が終わるとすぐに、
「もう寝る時間だから~」ということでお帰りになられました。

「健康が一番だね」という言葉、
40歳を過ぎると、ズシリと重く響くようになるなぁ。



湯川トーベン
本日の主催であり主役のトーベンさん。
12弦ギターだ。
一人で『青春パンク(仮)』を歌った後、とくべんで、
乱魔堂の『ひたすら』
はい、もちろん初めて聴く曲ですよ。
あれ?ここで、ベースに持ち替えたんだったっけ?
あー、記憶が曖昧だ。

再び、tico moonのお二人がステージに上がる。
「いつも娘がお世話になってます」という話から、
ライブを見に来ていた潮音嬢をステージに上げて、
「一曲演って」と言って、下がってしまうトーベンさん。

もちろん、まったく打ち合わせなしなので、
ちょっと焦り気味の潮音ちゃんが、可愛かったなぁ。
「じゃあ、トクちゃんも!トーベンも!」と呼んでたけど、
トーベンさんは、まったく応じず、結局、
Modern Irish Project+tico moon+湯川潮音という
スペシャル・ユニットで一曲、アイルランド民謡だったかな。
いいもん、見せてもらいましたわ。
こういうのが、とーべん祭りの醍醐味ってことだよね。

この後、
湯川トーベン+tico moon 『坂道』
とくべん+Modern Irish Project 『バンドマン・ブルース』
アイリッシュなアレンジの『バンドマン・ブルース』は、
8月の横浜のときに、やりたかったのはコレだよね。
今回、リベンジを果たせたってことね。

アンコールは、今日の出演者全員がステージへ出て、
(なぜか、見に来ていた中川五郎さんまで!)
宮沢賢治の『星めぐりの歌』を。

うーん、最後まで“ほっこり”だったわ~。



トーベンさんは、もちろん、ソロでもライブをやるけれど、
誰かと一緒に音を鳴らすのが大好きなんだよね~。
対バン相手と打ち合わせにないセッションをやったりしてるけど、
そのときも、本当に愉しそうな顔してるもんね。
根っからのバンドマンなんだな。

私は、トーベンさんのギターも歌も大好きなのだけれど、
やっぱり、ベーシストなんだよな~、ということを強く感じた。
自分でグルーヴを作り出すというよりも、
一緒に音を鳴らしている相手、ドラムやギターから、
グルーヴを引き出してくるような、そんな印象なんだよね。
それは、あらゆる人とのセッションを
重ねてきた結果なんじゃないかな・・・なんて、
偉そうなことを思いながら、にやけ顔で家路についたのであった。

とーべん祭り、次は何編かなぁ?

2012年12月16日日曜日

マジで絶望する5秒前

こわい。
本当に、こわい。
これからこの国はどこへ向かって行くのだろう。

私の周りでは、アンチ自民の声が圧倒的だったんだけど、
いったい誰が投票したんだ?

結局のところ、私はマイノリティであり、
私がツイッターでフォローしてる人達もマイノリティだということか。

はっきりとした姿が見えないマジョリティが、こわい。
九条がなくなっても、基本的人権が保証されなくても、
国防軍ができて、徴兵されようとも、
目先の景気対策の方が大事だという人がそんなに大勢いるのか?
そんな人間達の中で生きていくことが、こわい。

でも、絶望するわけにはいかないのだ。
おそらく、これから始まるであろうひとつの(たぶん暗黒の)時代を
しっかり見つめていこう。
遠くにある希望の光を見失わないように、歩いていくしかないのだ。

2012年12月12日水曜日

いつも心に音楽を~そして、選挙にいこう!

ご存知のとおり、私は粗忽者なのである。
年末のバタバタした雰囲気が、それを更に加速させるようで、
この時期に必ず、やらかしてしまうのだ。

たしか去年も同じようなことを書いた記憶があるのだが、
またしても、やらかした。
入力したデータを消してしまったのだ。
あーあーあー・・・。

なんとか必死で、再入力して、1日遅れくらいまでに追いついた。
けれど、疲労困憊。
心が荒ぶ~。

こんなときこそ、音楽が必要なのだ・・・と助言をいただきましたが、
その通り!
帰りの電車の中で聴いた、トーベンさんの声が
涙が出るほど優しかったのですよ。
聴いてたのは、コレ ↓

『ハナ』 湯川トーベン

















はじめて聴いてから、まだ1年半しかたっていないのに、
なんでこんなに懐かしい気持ちになるのだろう。

思えば、最初に聴いたときからそうだった。
私の中にある、“音楽的原風景”とでもいうようなものと
重なる何かを感じて、懐かしい気持ちにさせられるのだ。

この胸が締め付けられるようなせつなさが、初恋の感触に似ている。
そして、恋に落ちた。

そう、私は何度でも恋をする。
このトキメキこそが、音楽を聴く醍醐味であり、
何ものにも替え難い極上の快楽なのだ。

あー、極楽、極楽♪





そして、選挙。
私は期日前投票をすでに済ませた。
どうも日曜日は、バタバタとしそうなので。

いい年をして、今まで政治に無関心だった私を許して下さい。
選挙だって、ちゃんと行くようになったのは、ここ3,4年。
それだって、あんまり深く考えず、なんとなーく投票してきた。

でも、今回の選挙は違う。
すごくドキドキしている。
危機感がハンパない。
今ここで、変わらなきゃ、日本はダメになってしまうと思うのだ。

原発もイヤだけど、戦争はもっとイヤ。
私は基本的人権が保証されない国になんて住みたくないのである。

組織票にカウントされない、個人の意思を持った皆さん!
どうぞ、その一票を平和の為に投じて下さい。
よろしくお願いします!



今こそ、LOVE & PEACE だぜ!


2012年12月10日月曜日

Polarisのチケット譲ります

ダメだ!
どう考えても、うまくスケジュールがたたない。
・・・という事態に陥ってしまった。


そこで、仕方なく、たいへん遺憾なことではありますが、
12/21のポラリスのライブを諦めることにしましたので、
そのチケットをお譲りしたいと思います。

実のところ、このまま紙屑にしてしまってもいいかな、と思ったの。
でも、もし、すごく行きたいのにチケットが手に入らなくて
諦めてる人がいたら、申し訳ないなぁ・・・と。




Polaris Live 2012 "光る音"
2012/12/21(金) 代官山UNIT
Open/Start:18:00/19:00 


↑↑こちらのチケット1枚を定価の4,000円でお譲りします。
整理番号は500番以降という、かなり悪い番号です。
都内での手渡し希望ですが、郵送等ご希望の場合もご相談に応じます。
自己紹介欄のアドレスにメールを下さい。
複数の応募があった場合には、お断りする場合もありますので、
ご了承下さい。



チケットの譲り先が決定しました。(12月12日)


2012年12月4日火曜日

子供ばんど@クロコダイル

子供ばんど
~LAST LIVE HOUSE TOUR'12~
Member: うじきつよし(vo,g) 谷平こういち(vo,g)
湯川トーベン(vo,b) やまとゆう(vo,ds)
2012/12/2 SUN 原宿クロコダイル
Start: 19:00(予定)  Charge: ¥5,000
※限定200名 80名指定席 【SOLD OUT】



クロコダイルは久しぶりだなぁ。
3年ぶり?
誠さんの新春バースデーライブ以来だよなぁ・・・と、
そのときの記事を読み返してみてびっくり。
「110名限定」と書いてあるではないか。
あの時だって、後ろで立ってる人が結構たくさんいたはず。
それが、今回200名って!
そりゃギュウギュウ詰めになるわ~。

何より心配だったのが、席のこと。
3年前もそうだったけれど、電話予約の段階で席が決められていて、
当日にならないと、どんな席かわからないし、変更もできない。
そして、クロコには、ステージの下手半分くらいが
死角になるような酷い席があったりするのだ。
下手といえば、トーベンさんのポジションですよ。
そんな席に割り振られていたら、どうすればいいのか・・・。
そのことが、すごく気懸かりだったせいもあって、
前日からとても緊張していた。

ドキドキしながら、私が案内された席は、
隅のカウンター席で、ほぼステージを真横から臨むような位置。
トーベンさんのマイクスタンドまで、2メートル、障害物なし。
という、ある意味ミラクルな席だったのだけれど、
結果的にいうと、ほぼセンターの席の方と交換したのだよ。
お友達とご一緒に観たかったようなので。
普通に考えれば、断然、そのセンターの席の方が見やすいし、
音のバランスもいいし、絶好のポジションだからね~。
少しばかり残念な気がしないでもないが、
その素敵な申し出に対して「トーベンさんの前がいいのっ!」とは
言えなかったな~。
いえいえ、後悔してるわけではないのだよ。
ただ、隣の芝生は青い、とか、逃した魚は大きい、とか
そういうことなんだよね。

すいません、長い前置きでした。

しかし、まだまだライブは始まらない。
この文章のことではなく、実際の話。
何しろ200名というキャパオーバーな客入れをしているために、
入場がぜんぜん終わらないのだ。
19時スタートの予定だったが、30分過ぎた時点でも
まだ空席がいくつもあって、外で並んでるお客さんがいる模様。
結局、45分くらい押しで、やっとスタート。
遠方から来られてた方は、ヒヤヒヤしてただろうなぁ。


メンバーは白T&白パンで登場。
中年男女がひしめき合うフロアのテンションが、一気にあがる。
私もちょっと頭がボーっとしてしまうくらいに、舞い上がっていた。
なんだか現実味がなく、夢の中にいるようなフワフワ感。
ステージの上だけが、とてもキラキラ輝いて見えて、
自分の体は融けて無くなり、視覚と聴覚だけを持った生き物になる。

考えてみると、子供ばんどのワンマンなんて、
あの再始動一発目のヤマハ以来のこと。
あのときは、震災から一月ほどであり、計画停電があったりして、
ある種、不穏な緊張感が世の中に充満していた。
そんな中でのライブは、別世界での出来事のようだった。

その時とは、また少し違う種類の感触だけれど、
現実味の無さは同じだ。
なぜか、子供ばんどのステージを前にすると、
幽体離脱ではないが、心が体から離れて漂流してしまうのだ。
時間の流れが狂ってしまうのかもしれないなぁ。

子供ばんどを聴いていた十代の頃の自分と、
トーベンさんにのめり込んでいる現在の自分が、
時空を越えて巡り逢うという、ドッペルゲンガーのようなことが
脳内で起こっているような気もする。
高校生の私が初めて子供ばんどを知ったのは、
トーベンさんもタニヘイさんも脱退した後のことだったから。

2曲目は新曲だったのかな?
トーベンさんとJICKが交互にヴォーカルをとる。
なんだか歌詞の雰囲気からすると、
トーベンさんっぽい曲だったけど、違うかなぁ?

子供ばんどといえば、やっぱりツイン・リード・ギター。
これを聴くと胸の奥が熱くなる。
JCKとタニヘイさんが並んで弾いてる姿は、子供のように楽しそう。
ギターキッズがそのまま大きくなりました、というような
本当に無邪気な表情で弾いてるんだよなぁ。

それと、タニヘイさんがリズムギター弾くときの、
腰づかいがエロくて、好き。

そのタニヘイさん情報によると、最近、楽器屋に入り浸っているという
JICKのニューギターが、ポール・リード・スミス。
バラード系の曲で、大活躍していたなぁ。

そのニューギターをセッティングしながら、ジャラーンと
JICKが鳴らしたコードを聴いた瞬間に、胸がキューンと痛んだ。
ひょっとして、あれだよね、あれ・・・。
と、予想通りのアルペジオが聴こえた。
『さよならBOY』だ。

いつ聴いても、高校生の自分に引き戻されてしまう曲。
ロッカ・バラードの名曲。
JICKがサビの高音をギリギリと体を絞るようにて歌う姿が美しい。
ごめんなさい、やっぱり泣いてしまうよ。
長い長いアウトロは、バンドの佇まいを神々しく照らし出す。

ここで前半終了。

後半戦。
メンバーはお召替えして、赤T&赤パン。

トラブル・メイカーでの寸劇が、異常に面白い。
タニヘイさん、いや、スティーブ、いや、カズエの裏声トークが
鋭いツッコミで、JICKを困らせるところがいいね~。
と、思ったら、今度はJICKから逆襲があったり・・・。
「消したい過去は、サ〇デー〇ロジェ〇トの司会」なんていう激白も!
いいの?そんなこと言っちゃって?(←いいのか?書いちゃって?)

あー、そういえば・・・。
MCらしいものが無かったよなぁ、と後で気付いた。
こういう、曲中の寸劇的なものはあったし、
『ロックンロール・フーチークー』の導入で、
リック・デリンジャーの名前を出したりしたけれど、
曲と曲の間で、時間をかけてトークするというようなことはなかった。

普段、フラカンのライブみたいなのに慣れきってる私には、
こういう硬派なライブはすごく新鮮なんだよね。
JICKは、ライブの間中、ずっとハイテンションで、
喋り方も、KBCでトークしてるときとはまったく違う。
熱い、熱い。煽る、煽る。

『アル中~』では、トーベンさんもテンション高い。
で、曲の途中で、なぜかJICKと楽器を交換。
この、交換するときのアクションというかダンス(?)も
おちゃらけてるというかなんというか・・・、とにかく楽しいっす。
トーベンさんがギター、JICKがベースで、
スパイダースの『あの時君は若かった』
JICKのベース姿は、かなりレアだよなぁ。

お決まりの『サマータイムブルース』で終了かと思いきや、
ラスト・ナンバーは『TAKE ME TO YOUR PARTY』
この曲、楽しいだけじゃなくて、
どこかせつない響きがあって、ライブの最後には
とてもよくハマっているんだよなぁ。

アンコール。
これは予想どおりの『踊ろじゃないか』
ここで、ついに客席も立ち上がる。
そして、風船がいっぱい飛んできた。
ちょっと言葉は悪いけど、こういう時代錯誤な演出が
子供ばんどらしくて嬉しかったんだよなぁ。
少しの間だけど、時間を遡れたような気がしたんだよね。

オーディエンスの声に応えて、ダブル・アンコール。
『たどりついたらいつも雨ふり』
たぶん、これ一曲の予定だったんだろうけど、
JICK一人が残り、ギター一本で『NIGHT AWAY』
痺れたなぁ。
やっぱり、JICKはこうでなくちゃ。

最初から、ステージの上も下も、笑顔、笑顔、笑顔。
テンション上げたまま、途切れることなく最後まで。
これが子供ばんどなんだよね~。
本当に幸せな時間をありがとう。



ミッドナイトフライト
絶好調
Rock & Roll Singer
ロックンロール・フーチークー
かわいそうなエンジェル
ツイスト アンド シャウト
ロックンロール・トゥナイト
さよならBOY

ばかな男のR&R
お前の事ばかり
ジャイアントマンのテーマ
お前はトラブルメイカー
のら猫
だからそばにいておくれ
アル中ロックンローラー
サマータイム・ブルース
TAKE ME TO YOUR PARTY

踊ろじゃないか
WALKIN' AWAY

たどりついたらいつも雨ふり
NIGHT AWAY


セットリストは、ツイッターでの拾い物です。

2012年12月3日月曜日

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団@渋谷CLUB QUATTRO

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
2012 年内ラストワンマンライブ!!!
11月30日(金) 渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
前売チケット ¥3,000円(1D別) <SOLD OUT!>



良番チケットだったので、そそくさと最前に陣取ったのだが、
なかなかフロアが埋まらない。
チケットはソールドアウトしたはずなのに。
最近の若者は、ライブを最前列で観たいなんて思ってないの?
気付けば、三桁の整理番号で入場した方が私の隣にIN。
このガッツキは、我々中年女性特有のものなのだろうか?

さすがに開演時間が迫ってくると、
少しづつ前へ詰めて下さーい!という指示も出て、
かなり混雑してきた。


トラベルは、7月に初めて観て以来のライブ参戦だ。
その間に、奇妙くんソロやリトルスイングは観てるけど。
そして今日の編成は、
【vo&gt奇妙、tpサントウ、tbトミー、tbかをり、A.saxますこ、
 T.saxユージェイ、gtシオミ、keyパクシン、org岩井ロングセラー、
 ba安田、drてっし~、percキツネうどん、cho杉瀬陽子】
の総勢13名。(ツイッターより)

メンバーが全員ステージに立つと、それだけで壮観。
この眺めだけで、ワクワクしてくる。

奇妙くんは、白シャツ(うっすらと格子柄だったような・・・)にデニム。
そのシンプルなスタイルのアクセントのように
ウェスト部分から赤いパンツをのぞかせている。
“見せパン”なのか?
チラッじゃなく、もっと大胆にのぞいてて、
あれは、ちょっと見せすぎ。
気になってしょうがないよ、真っ赤なんだもん。
エロいというより、これ以上ずり下がったらどうしよう、と
ハラハラしてしまったわ。

おや、ホーンセクションのところにマイクが一本余ってる。
ん?トミーがいないじゃないか。
と、思っていたら、スーツ姿で途中から出てきた。
仕事帰りに駆けつけたみたい。
カッコいいなぁ、商社マン。

トロンボーンが下手だと言われてることについて、
「顔で選んでるから、えーの」とのこと。
それでも、ソロのとき、二人とも頑張って吹いていたよ。
まるで、我が子の発表会を見てるような気持ちで、
ドキドキしてしまったけど。

奇妙くんがギターを持ったのは、2,3曲だったかな。
『あの娘に会いにゆこう』『サン・トワ・マミー』とあと1曲くらい。
ギターは白のストラト。
エレキを弾きながら歌う姿を見ると、バリバリのロッカーだよなぁ。

後はずっと、ハンドマイク。
小道具のようにダービーハットを脱いだり被ったりしてて、
まるでミュージカルの一コマみたいだったんだが、
そういう動きに嫌味がなく、流れるように自然でキュート。
か、か、か、可愛いぞ・・・。

奇妙くんが歌い始めると、目が釘付けになる。
体から振り絞るようにして歌う姿に、なぜかせつない気持ちになる。
彼が「これで死んでもいい、と思ってライブで歌っている」
と、話していたことを思い出してしまうからなのかもしれない。


何の曲のときだったのか、何故そんなことを思ったのか、
まったく思い出せないのだけれど、
あっ、そういうことなのか、と不意に何もかもが
腑に落ちた瞬間があった。
本当に、漠然とした感覚でしか記憶していないのだけれど、
奇妙礼太郎が求めてやまないものを理解できた気がしたのだ。
もちろん、私の個人的な妄想に過ぎないことはわかっている。
でも、私にとっては、尊い啓示を受けたような甘美な一瞬。
なのに、今思い出せるのは、
ボンヤリとした鈍い光のようなものだけ。
それは、あっという間に通り過ぎてしまったのだ。


『ツイストで踊りあかそう』のカヴァー。
奇妙くんは、自分がやりたいと言い出したことをすっかり忘れてたけど
バンドのみなさんは、ちゃんと練習してたらしい。
っていうか、このワンマンの為のリハーサルに、奇妙くんは
一回も参加していないというから驚き。

奇妙くん、サム・クックが好きなんだね~。
「これのベスト盤のLPが家にあったんですよ」と言ってたのは、
『あの娘に会いにゆこう』の中で歌ってる、
黄色いジャケットのレコードのことだよね。

パクシンくんの目の前で見ていたのだけれど、
めっちゃ男前、クール・ガイですね。
彼のピアノプレイが好き。
前回のライブで、もうトラベルで演らないような話だったけれど、
こうやって出てきてくれて嬉しいなぁ。
いつか、カルメラのライブも観てみたい。

『桜富士山』の入りのカウントは、てっし~の
「すし、てんぷら、食べたいなっ」という心の叫びから。
いやー、てっし~、いいわぁ。
てっし~と安田さんのリズム隊が、
ニコニコの笑顔で奇妙くんを見守りながら、
すぐに一人で彼方へ行ってしまう奇妙くんの手綱を握っていたなぁ。
上手く、曲の流れをコントロールしていたと思う。

『SWEET MEMORIES』は、杉瀬さんとデュエット。
杉瀬さんは初めて観たんだけど、声量のあるソウルフルな歌声で
とてもカッコいい。
アルバムでも、英詞の部分を綺麗な発音で歌っててステキだなぁ、
と思っていたのだが、その英詞の部分を歌い始めた途端、
メロディーにのせて・・・「歌詞を~忘れた~♪」と!!!
ええぇーーっ!?
というわけで、その2コーラス目から、もう一度やり直し。
当たりまえだけれど、2回目はちゃんと歌えてた。

なんだか、お茶目な人。
アンコールでのことだが、「ハードコア・パンク出身です!」と
前置きしてから、すんごいデス声で、「NO WAR!」と叫んでいた。
面白すぎる!



アンコールで、サンデーカミデ氏登場。
実は、開場待ちの間に目撃情報を立ち聞きしてしまったので、
出てくるだろうということは、予想していた。

あいかわらず、オモロイにいちゃんですなぁ。
本当に奇妙くんと仲良しなんだよね~。
この日のライブも、数日前に、急に奇妙くんから誘われたらしく、
速攻で代わりのバイトを“山崎さん(20代・女子)”に頼んだそうだ。
「サンキュー!ヤマザキ!」

毎週月曜にUSTをやってるんだけれど、
視聴数が5vewとか、一桁のことも多いらしい。
それでも、開き直って続けて、100回目を迎えたとか。
今度、覚えてたら、見てみようかな。→「月曜プリマ」

『君が誰かの彼女になりくさっても』は、もちろん、
フロアも一体となってシンガロング。
サンデーさんと奇妙くん、二人して、フロアへ下りていったりして
その一体感をより身近に感じようとしていたのかも。

サンデーさんと一緒にいるときの奇妙くんは、いつも楽しげ。
安心しきったような笑顔を見せる。
歌っていても、あのキリキリとするような切迫感がなくて、
聴く側もラクな気分になれるんだよなぁ。



セットリストは順不同。


タンバリア
機嫌なおしておくれよ
わるいひと
風の王国
Baby -夜が明けるまで-
NEWYORK
スイートソウルミュージック
あの娘に会いにゆこう
サン・トワ・マミー
ルージュの伝言
ひとひらり
ツイストで踊りあかそう
桜富士山
SWEET MEMORIES
星に願いを
オー・シャンゼリゼ

Joy To The World!
君が誰かの彼女になりくさっても



ダブルアンコールでは、
またもや「菊正宗~♪」を歌い上げて、去っていた。

2012年12月1日土曜日

パンダ音楽祭@上野恩賜公園野外ステージ

パンダ音楽祭
2012年11月25日(日)上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)
13時30分開場 14時開演
前売券2,000円 当日券2,500円(全席自由)
出演: 曽我部恵一
        奇妙礼太郎
        チャラン・ポ・ランタン
        笹口騒音ハーモニカ
        松尾よういちろう(井乃頭蓄音団)
        日比谷カタン
        MOROHA
司会: 藤岡みなみ



パンダ音楽祭・・・いいネーミングだ。
これで、ギターパンダが出ていれば文句なしなのだが。
いや、まぁ、そんなことは置いといて、
とにかく、晴れてよかったよ~!
11月25日は、この10年間、雨が降ったことがないってことなので、
すっごいプレッシャーだったわ。
これで証明されたな。
私、雨オンナじゃありませんからねっ。(キッパリ!)

この水上音楽堂は、屋根があるので、
少々の雨なら問題なさそうではあるけれど、
やっぱり、野外ライブは、お天気いい方が気持ちいいもんね~。


まずは、司会の藤岡みなみちゃんが出てきてご挨拶。
パンダの被り物してて、かわいーなー、もー。
そして、パンダ音楽祭のテーマソングを弾き語りで披露してくれた。
これ、よく出来てるので、ぜひ見てみてね。
↓↓
『パンダ音楽祭テーマソング』



チャラン・ポ・ランタン
コハルさん(姉・アコーディオン)と
モモちゃん(妹・ヴォーカル)の姉妹デュオ。
カラフルでメルヘンな衣装を着てて、二人ともかわいい!

最初はパンダの被り物で『パンダコパンダ』を歌って、
本当に可愛らしい姉妹だわねぇ・・・なんて油断させられたけれど、
なかなかどうして、ただのカワイコちゃんではなかった。

アコーディオンの音色は、哀愁たっぷりだけれど、
どこかユーモラスでもある。
ドロっと濃ゆいラブソングを情感たっぷり、シャンソン風に
歌い上げるモモちゃんを見ていると、まるで芝居小屋にいて
お芝居のワンシーンを見ているかのような気がしてくる。
そのわりには、ジメッとしたウェット感はほとんどなく、
あっけらかんとした印象だった。

MCの担当は姉のコハルさん。
ちょっぴり自虐的で、毒舌で、めっちゃ面白い人。

チャランポの独特の世界観は、パリの裏通りによく似合うのだが、
日曜日の真昼間の上野公園で聴くのも、オツなもんだね~。



日比谷カタン
しゅっとした男前のカタンさん。
なんだか妖艶な雰囲気をまとった方が、
またまた、この真っ昼間に登場というミスマッチは、
主催者側の、敢えての狙いのようである。

びっしりとステッカーが貼られたアコギからは、
情念がほとばしるような音がして、エンケンを思い出していた。

カッティングのストロークが正確で美しく、
銃弾の替わりに音を連射するマシンガンのようだった。
カッコいい~!!ギター巧い~!!!
と、一瞬にして虜になってしまった。

そして、15分を超えようかという大作『フェイクファー』
(正式なタイトルはもっと長かったけど)には、ド肝を抜かれた。
“弾き語りDJ”である。
古今東西のヒット曲をフェイクファーで繋ぐという、
馬鹿馬鹿しくも画期的な手法で、客席の心をガッツリと掴んだ。

何これ、面白すぎる~!!!
お腹、痛い~!ひぃぃぃ~・・・。

私の拙い文章力では、伝わらないと思うので、
興味のある方はYouTubeで検索してみて下さいな。
百聞は一見にしかず。
しかし、あの衝撃は、ライブじゃないと全部は伝わらないだろうな。
あー、ビックリした。
ちなみに、私が一番ウケたのは、伊勢佐木町ブルースの
「ファー、ファー」の部分である。


あなたとここで出会ったのは、運命でも偶然でも必然でもない。
一体、それは何か?
それは・・・ブッキング、というんだぜ~。(イェー!)



松尾よういちろう
井乃頭蓄音団というバンドの名前は知っていた。
確か、前に、エンケンと対バンしてるはず。
イノチクの自主企画ライブで、
エンケンを招くなんてセンスのある若者だなぁ、と思っていたのだ。

ステージに出てきた途端に「まつおー!」と野太い声援が
あちこちから上がる。
なかなかの人気者っぷりだ。
その松尾くんは、ビックリするくらい垢抜けてない風貌で、
でも人の良さそうな笑顔がチャーミングな青年。

ネタとして完成されつつあるステージングで、笑わせながら、
最後にホロリとさせる良い歌を歌うのだから、卑怯だわ。

結局、ちゃんとした曲は2、3曲くらいしか演らなかったっけ?
“ちゃんとした”曲も下ネタ満載だったりするんだけど。

『カントリーロード』で、不覚にも涙が・・・。
松尾くんの伸びやかな歌声と、ちょっぴりヘンテコな歌詞が
ノスタルジーの扉をそっと開いてしまうのだ。

そして、ラストでもないのにアンコールがかかって、
主催者側から「3分だけ」と時間をもらって演ったのが
『デスコ』という曲なんだけど、
熱心なファンの方が多かったみたいで、
コール&レスポンスが決まってて、とても楽しげ。
きっと、いいバンドなんだろうなぁ。
機会があればライブを観てみたい。



MOROHA
ラップとギターという珍しい組み合わせのデュオ(?)。

ギターの人は床の上に直にあぐらをかいて弾くスタイル。
このギターが、めっちゃいい音!
激することなく、淡々とループするアルペジオが、
やさしくて、せつなくて、キュンキュンしてしまった。

あー、私、ラップ苦手なんだよー。
だから、MCさんが熱いパフォーマンスをやってても、
ほとんど見てなくて、ギターさんばかり見てしまった。
申し訳ありません。

次から次へと繰り出される言葉は、どちらかというと
ヒップホップというジャンルには不釣合いと思われるような
内向きなものだった気がする。

あー、でもラップ苦手。
詰め込まれた歌詞を咀嚼しようとすると、
音が聴けなくなってしまうのだ、その速さについていけなくて。
たぶん、頭がトロいんでしょうな。

だから、MCの言葉も楽器の音色のように、
ただの“音”として受け止めながら聴いていた。
それでも十分に楽しめたよ。



奇妙礼太郎
陽が落ちてきて、夕闇につつまれた中、
奇妙くんは、いつもどおりの自然体のステージ。

「今日、御茶ノ水で買ってきましたー!」と言って、
アーチトップのアコースティックギターを見せびらかした。
そういえば、見るたびに違うギター持ってる気がする。
奇妙くん、かなりのギター好きと見た。

セットリストはこんな感じ。

天王寺ガール
機嫌なおしておくれよ
まるで映画のように
赤いスイートピー
君が誰かの彼女になりくさっても
オー・シャンゼリゼ


掴みの『天王寺ガール』は鉄板やな~。
あの歌の求心力は凄い。
客席の空気が一瞬にして変わるのが、肌でわかる。

観客に向かって「アホや~」「ウルサイ!」などと
毒づくのを見てもわかるように、この人も、Sキャラ。

MCだけではなく、歌っているときも、
聴衆を翻弄するように、自分の気持ちいいテンポ、リズムへと
飛び移っていく自由さは、Sのなせるワザじゃないかな。
媚びの欠片も感じられない、自由な歌。
そいつが私の魂を揺さぶるのだ。

「3月、4月くらいに全国をまわろうと思ってて、
その前にアルバム出すように、オトナの人から言われたんで、
今、曲を作ってレコーディングしてます。」という
奇妙くんらしい脱力感漂う言い方だったけれど、嬉しいニュースだ。

で、その新曲が『まるで映画のように』という曲。
なんか、せつなーい歌だったんだけど、あまり覚えてなくて…。
もう一度、じっくり聴いてみたいなぁ。

夜の野外で聴く『君が誰かの彼女になりくさっても』は、格別の味わい。
奇妙くんの体から絞り出された歌声が、
すーっと夜空の彼方へ昇っていくような気がした。
何もかもを冷たく、そして優しく包み込む夜の入り口がそこにあった。

やはり、アンコールを求める拍手が鳴り止まず、
再び出てきた奇妙くんは、ギターも持っていない。
「やっぱり~、オ~レは~ぁ~、菊正宗~♪」と
歌い上げて、去っていった。



笹口騒音ハーモニカ
これまた、はじめまして、の方。

もう、何から何までも挙動不審で、佇まいが可笑しい。
歌を歌っても、自虐的でありながら傲慢で、
痛々しいような青臭さなんだけど、老獪でもあり、
どうにも掴みどころのない感じ。

アコギにエフェクターを繋いでいて、
不意にノイジーな轟音を、エキセントリックに掻き鳴らす。
まったく、ヘンテコリンだよなー。

MCも、ウケてるんだか、スベってるんだか、ビミョーなとこ。
そのビミョーさが、なぜかツボに入ってしまって、
ずーっとクスクスと笑って見ていた。

そんな笹口くんが、終盤で歌った『SAYONARA BABY BLUE』という曲が
とても印象に残った。
至極マトモな、いい歌だということに面食らう。
今日何回目かの、この卑怯なパターンにやられてしまった。
やられたーーー。



曽我部恵一
曽我部さんは、真っ白の半袖Tシャツで登場。
冷え込みが厳しくなってきて、客席でもいろんなものにくるまって
暖をとっている人たちが目立ってきたというのに。
ステージの上だけは、別世界で季節が違うんじゃないかと思えてくる。

『街の冬』tというタイトルの曲が一曲目だったのだが、
この歌が、圧倒的で、いきなり涙があふれた。

生活保護を受けられずに衰弱死をした姉妹の事件を
題材として書かれた歌なのだが、
この社会悪に対する理不尽な憤りなんてものを
遥かに通り越した視点で描かれている。
純粋に姉妹の愛がテーマになっていて、とても優しくて温かいのだ。
そして、この歌が優しければ優しいほどに、聴く者は
その結末の残酷さを思い知らさせれ、涙せずにはいられないのだ。

歌っているときの曽我部さんの表情がまた、本当に優しくて、
天使が歌ってるような気がしたよ。
無精ひげの生えた天使。

いきなりノックアウトを食らったみたいな衝撃で、
そのまんま、最後まで魅せられっぱなし。

まったく奇をてらわない、率直で誠実なMCに、その人柄が表れている。
歌もまっすぐ。
ただ、まっすぐ投げるだけで、心のミットにストライクなのだ。
存在感のある歌だなぁ。

ちょうど、ソカバンの「キラキラ」を気に入って聴いていたので、
聴けて嬉しかった。
(このアルバムがまた、びっくりするほどの名盤なんだけれど、
それは別の機会に・・・)

お客さんも、どんどんステージ前まで押し寄せていった。
客席には奇妙くんの姿も。
最後はスタンディングのライブのようになって、
もちろん、私も気持よく跳ねていた。

結局ギターの弦を2回も切るような熱演で、
聴衆の心を一つに束ね、圧巻の曽我部さんのステージだった。
心がポカポカになるような感動的なラスト。
素晴らしい締めくくりだ。



はっきり言って、奇妙くんと曽我部さん以外は、
よく知らない方々ばかりだったし、こんなに楽めるとは思ってなかった。
まったく、嬉しい誤算である。
パンダ音楽祭、第2回が開催されることを期待しているよ。

そして、最後に。
私と一緒に楽しい一日を過ごしてくれた方に、感謝!
一人で観るより、何倍も楽しめたのは貴女のおかげです。
ままどおるも美味しくいただきました。
(夫に半分以上奪われたけれど)
また、お会いできるのを楽しみにしています。