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2012年9月28日金曜日

竹原ピストル×奇妙礼太郎@代官山LOOP

唄 -UTA- ~竹原ピストル×奇妙礼太郎~
2012.09.24 Mon. 代官山LOOP
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 3300YEN / DOOR 3800YEN(+1Drink 600YEN)
MAIN LIVE : 竹原ピストル / 奇妙礼太郎
LIVE : 小久保淳平 / Mamimor a.k.a PAPICO



渋谷から歩いて行こうと、決めていたのである。
地図を見ると、代官山駅からでも、そんなに近くなさそうだったし。
この前のマニッシュボーイズのライブで
長丁場の立ちっぱなしがこたえたものだから、
なるべくギリギリに着きたいなぁ、と思ったのだ。

渋谷駅に着いたら、雨が降り出した。
傘を持っていなかったので、コンビニで買った。
iPhone片手に、LOOPへ向かって歩いている間に、
気付けば、どしゃぶり地獄。
足元が冷たい。
つい10分前までは降ってなかったのに、なんという間の悪さ。
自分の雨オンナっぷりを恨むわ。
稲妻まで、サービスしてくれちゃってさ・・・。

そして、足元がぐちゃぐちゃに濡れて、
どうしようもない状態になったところで、目的地に到着。



中に入ると、もう最初のアクトが始まっていた。

なんと、ステージ前にはテーブルと椅子が出ているではないか。
ちっ。
そうと知ってれば、早く来て椅子を確保したのになぁ。
今日はすべてにおいて、間が悪い。

ステージには、女性ヴォーカルさんとサポートのギタリストさん。
このヴォーカルさんが、Mamimorさんですね。
・・・と書いてみたけど、なんと読めばいいのかイマイチわかってない。

失恋とか片思いとか、女子っぽい可愛らしい曲を
ソウルフルに歌われてましたわ。
たいへん申し訳ないけれど、苦手なジャンルですのよ。
思わず、サポートのギターさんばかりを見つめていた。
カッティングの音色がソフトなのにキレがあって、
なんだか色気があるの。
左手、バレーコードが美しくて、見ていて飽きなかった。
フィルで小指をグイっと広げるさまに、キュンとなるのは、
私が指フェチだからなんでしょうね。



小久保淳平
うわーっ、カッコいいー。
と、セッティング中から、目が釘付けになってしまった。

この転換中に、空いてる椅子を見つけることができて、ラッキー!
なんて思って座ってみると、これがなんと、マイクの真正面。
ステージ上の人と目が合う、合う。
恥ずかしくって、また手元ばっかり見てしまうことに。

シッティングのスタイルでアコギを寝かせるように傾けて持ち、
力強いフィンガーピッキング、まるで引っ掻くようにして弾いていた。
ループマシンで、音を重ねていく。
その作業をする姿が、職人さんのように凛としてて、清清しい。

ハスキーで存在感のある歌声と、その風貌から
若い頃のSIONみたいだな~、と思った。

小久保くんの、まっすぐで強い眼差しにぶつかってしまうと、
なんだか自分が穢れているような気がして、後ろめたくなる。
でも、ニコッと笑った顔は人懐こそうで、可愛らしい。

聴き手に問いかけるような、投げかけるような歌を歌う。
いい歌い手さんだなぁ。



竹原ピストル
こちらも初見。
でも、数ある奇妙くんのライブの中から今日のライブを選んだのは、
竹原氏を観たかったからなのだ。

野狐禅の頃から気にはなっていたんだけれど、なかなか機会がなく、
今日やっと、めぐり会えた。

頭に白いタオルを巻いて、裸足でステージに立っていた。
本人曰く「ボクサーくずれ」というように、
逞しい体つきで、肉体労働者然とした容貌。
持っているギターは、ハミングバードだったかな。

「奇妙さんと一緒になるのは、今日で4回目」とのこと。
意外なことに、奇妙くんの方が年上なんだね~。
奇妙くんと演れるのが嬉しくて、
ハコに入ったときに、テンション高く挨拶したんだけど、
奇妙くんの反応がイマイチで「ああ、うん」という感じだったらしい。
まあ、想像できるな。

とにかく、すごい量の汗をかいていて、
ステージの上に水溜りができるのではないかと思ったくらい。
超熱演。

ギターのストロークが、
無骨で実直な人柄を表しているような素朴な音。
その音が刻むリズムを聴いていると、
なぜか、コツコツと弛まず続けられる農作業を連想してしまう。
そんな泥臭いところが、いい。

まくしたてるように歌われる歌は、
ユーモアを交えながらも悲哀に満ちていて、
胸にグッと突き刺ささるものがある。

ズルイ。
人の良さそうな顔で、笑わせて油断させておいて、
グッとくる歌を歌うんだもんな。
笑いながら、泣けてくるんだもんな。
本当にズルイ。



奇妙礼太郎
今日もユルい感じで、なんとなく、ライブが始まる。
いかにも体育会系の竹原さんの後だけに、
余計にそのユルさが際立つ。

たしか前日は、福岡でライブがあったはずで、
バンドメンバーを残し、一人、飛行機で帰ってきたのかな。

血管が切れそうな歌い方をしているのに、
連日ライブで歌っているのに、
お酒だって、毎日のように飲んでるはずなのに、
ぜんぜん喉を壊さないところが、凄いなぁと思う。
強靭な喉を持っているなんて、それだけで一つの才能だ。
どこかのガラスの喉のヴォーカリストに、少しわけてあげたくなる。

一曲目は『天王寺ガール』
やっぱり、最初の一声で、ビビビっと感電したように動けなくなる。
私は奇妙くんの歌声に恋してる。
それも、毎回初めて出会ったかのように、恋に落ちるのだ。
落ち続ける運命に陥ってしまったのだ。

あいかわらず、セトリとか考えてきていない様子で、
「何やろう」とボソボソいいながら、頭を掻きながら、
次の曲を選んでいく。

どんな曲を歌っても、どんな風に歌っても、
揺るぎなく、奇妙礼太郎の歌。
その安定感にもかかわらず、どこか儚げに、揺らいでいる。
夢と現の間で。過去と未来の間で。生と死の間で。
その揺らぎに魅せられて、固まってしまう。

「みんな、起きてるか?」
フロア中が静まりかえって聴き惚れているんだけれど、
反応がわからなくて不安になるのか、何度も言っていたなぁ。

『あの娘に会いにゆこう』の私の好きな部分、
「切り裂くようなリズム 爆発するようなメロディ」を
リフレインのように、何度もリピートしてて、心に響いた。

『オー・シャンゼリゼ』では、いつものように、
コール&レスポンス。
その最高潮で奇妙くんが歌いながら、ステージを下りてフロアへ。
私の隣に座っていた人は、いつの間にかいなくなっていて、
そこに空いた椅子がポツンとあった。
奇妙くんの足取りを目で追うと、このままいくと
その椅子にぶつかってしまう、と気を利かせたつもりで、
隣の椅子を自分の方へ引き寄せて、通り道を作ろうとしていたら、
奇妙くんがその椅子の上に飛び乗った。
ええっ!?
なんか、自分に近づけるために椅子を引っぱったような、
凄いイタいファンみたいになってる?私?

いやっ、そんなつもりでやったんじゃないのよー!
という弁解を、心の中で絶叫しながら、
真下から(!)間近で(!!)奇妙くんが歌う姿を見つめた。
指フェチで有名な私ですが、
ヴォーカリストを見るときの萌ポイントは、喉元なので、
かなりの絶景が見られて、幸せではあった。
でも、本当に、
そんなつもりで椅子を引き寄せたんじゃないから~!!
恥ずかしいよー。



せっかく、イベントの名前どおり、個性の強いヴォーカリストの唄で、
じんわりと感動的な気分だったのに、
最後の最後に、恥ずかしい思いをして、ぶっ飛んでしまった。
勿体ないなぁ。

そして、すっかり雨のやんだ道を、
ぐちゃぐちゃで気持ち悪いままの靴で帰ったのであった。

2012年9月24日月曜日

MANNISH BOYS@赤坂BLITZ

MANNISH BOYS Presents
CRAZY FRIENDS' COMING TO TOWN
GUEST:OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
/ So many tears(茂木欣一・加藤隆志・柏原譲)
9.20 (thu) 赤坂 BLITZ
OPEN 18:00 START 19:00
¥5,250(ADV.) 1drink別途



このチケットが、全然取れなかったのだ。
何人もの方に協力していただいて、先行抽選から一般発売まで
挑んだんだけれど、ダメだったんだよね~。

新木場のFINALだけ行ければいいか、と、すっかり諦めていたところ、
ツイッターのTLに「チケットあります!」の文字が流れてきた。
全然知らない人と会ったり、お金のやり取りすることに抵抗があって、
少し躊躇していたんだけれど、ライブに行きたい気持ちの方が強く、
「騙されてもいいやー」と開き直って、連絡をとってみたのだ。
(↑すごく失礼ですよね。実際は、とてもまともな方だったのですよ。)
で、トントン拍子で話がまとまったのが、ライブの前日。
ミラクルだ。

せっかくの奇跡なのだから、しっかりと心に焼き付けて帰ろう。
そう思い、敢えて、フロアの最後方あたりから観ることにした。
後ろの方が音がいいし、視界もまずまず開けていたので。



OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
BRAHMANのトシロウがやってるアコースティックバンド。
・・・という程度の予備知識しか持ち合わせていなかった。

ヴォーカルの人が欧米系の外国人。
この人が、ヴァイオリンを持ったり、アコギを持ったり。

茶目っ気のある人で、英語でつらつらつら~っと
来日アーティストのように喋った後に、
流暢な日本語で話し始めたものだから、「ええーっ!」となる。
「うん、もちろん日本語喋れるよ」って。

個人的には、ヴァイオリンで民俗音楽的な音を奏でてくれるのが
気持ちよくて、楽しかったな。
この場合は、ヴァイオリンじゃなくて、フィドルと呼ぶ方がいいか。
踊り出したくなる感じ。

しっとりした曲も悪くないけれど、
やっぱりリズミカルなナンバーの方が好きだな。
アイリッシュっぽい感じが活きてくるから。

それにしても、アウェイっぷりが半端ない。
一番後ろから見てると、よくわかる。
演奏中、ほとんど頭が動いてないんだもんなぁ。
なんだかせつなくなりましたわ。
いい演奏してるのに、不憫で・・・。

もちろん、私は、感じるままに体が動いちゃうし、
いい演奏には、高らかに拍手喝采を贈るのが礼儀だと思ってるし、
そのついでに、声も出ちゃうタイプの人間なので、
周囲の人に迷惑がられてるかもしれないけれど。
ライブなんて、そんなもんだよね。

うん、OAU、カッコよかったよ。
トシロウのMCも、熱かったよ。



So many tears
こちらも、初見。
スカパラの茂木さん(Dr)と、加藤さん(Gt)、
元フィッシュマンズの柏原さん(Ba)という3ピースバンド。
メインヴォーカルは茂木さん。

んー、正直なところ・・・、
最初の2曲くらいが、退屈で倒れそうになった。
タテノリ系のリズムが一本調子で、つまんなかったのよ。
単に個人的な好みの問題なのかもしれないが。

ところが、3曲目(だったと思う)で、ガラリと印象が変わった。
ミディアムテンポで浮遊感のある曲。
気持ちのいいグルーヴ。
そうか、フィッシュマンズのリズム隊だもんね。
こういう曲調は得意なところなんだろう。

と、ここから後は、ずーっと気持ちよくノッていけた。

加藤さんはSGを弾く姿が、カッコいいな~。
遠目に見ても、男前っぷりが伝わってくる。
何より、ギターの音色の端々に変態っぽさが潜んでて、
ゾクゾクさせられたのだ。
(これ、めちゃめちゃ褒めてますよ!)

茂木さんには悪いが、
インスト曲の方がカッコよくて、私の好みだったなぁ。



MANNISH BOYS
ツアー初日のせいか、開演も押したし、
転換にも時間がかかったようで、マニッシュが始まったのは9時半頃。

せっちゃんと達也さんが出てきて、照明が当たると、
・・・ええっ!!!!?
金髪!?二人とも!
いやいや、度肝抜かれましたわ。

衣装は、お揃いの黒っぽいツナギ。
背中に“MANNISH BOYS”の文字。

ステージには二人っきりで、
『MANNISH BOYSのテーマ』が始まった。
マ、マ、マ、マニッシュボーイズ!!

せっちゃんは、あまり馴染みのないギターを持っている。
白のジャズマスター・・・かな?
達也さんは、とても楽しげにスティックを振り下ろしている。
あの強面からは、想像もできないくらいニコニコ。
楽しそうに叩くドラマー、大好きだわ。

二人っきりのステージは、すごく自由で大らかな雰囲気。
せっちゃんは、シンガーではなく、
ギタリストの方にウェイトを置いているのがわかった。
いつも“斉藤和義”という看板を、一人で背負って立っているのに、
今日は“MANNISH BOYS”という看板を、達也さんと分け合って
掲げていることの解放感があるのかもしれないなぁ。
せっちゃん、伸び伸びしてたな~。

CDでは、二人が楽器を交換して録っていた『カーニヴァル』は、
ライブでは、せっちゃんギター、達也さんドラムで、
そのままだったのが、ちょっと、残念。
あっ、ギターはテレキャスに交換してた。

そして、ドブロがでてきて『バカにすんなよ』
きゃーーー!音がカッコいい!
ボトルネックを小指にはめて、スライドをキメる。
うぅっ、たまらーん。
ギターの音色に悶絶していたので、「バカにすんなよ」ネタは
まったく覚えておりません。悪しからず。
あっ、あれかな?
トシロウに「40過ぎてBOYSはナイだろう」と
MCで言われたこととかだったっけ?
なんだか、二人がとても楽しそうだったね~。

今度はお馴染みのギブソンJ-45に持ち替えて『Dark is easy』
このイントロ、『I Love Me』と激似なので、ちょっと笑ってしまう。
カッコいいことに変わりはないんだけれど。

この辺りだったか、サポートで、堀江さんが登場。
本職は鍵盤の方だと思うんだけど、曲によってはベースも弾いてた。
マルチな才能をお持ちの方なのね。

『DIRTY BUNNY』が素晴らしかった。
鳥肌が立った。
ドラムを叩きながら、達也さんが語り始める。
私の大好物、台詞ロック。
希望と絶望の間を行ったり来たりしながら、
達也さんの言葉が、ほんの少しの痛みを伴って飛び込んでくると、
泣くしかできないではないか。

ここからは、終盤に向けて、疾走していく。
『あいされたいやつら~』の名古屋弁が微笑ましくて、
ニヤリとなりながらも、体はグルーヴに囚われているので、
止まらない。止められない。



アンコール。
ここで、せっちゃんドラムと、達也さんギターの『ないない!』
たしか、達也さんのギターはストラトだったと思う。
せっちゃんのドラムは、わりと見慣れてるけど。
達也さんがギターを持って立ってる姿は、なんだか不思議だったなぁ。

最後のナレーション部分は達也さんが担当。
おもむろに黒ぶちのメガネをかけて、カンペを読み上げていく。
読みながら「・・・て、書いてあるよ!」と、語尾に付けてみたり。
おちゃめ度満点でしたわ。

せっちゃん、バンジョーウクレレで『ざまみふぁ~』
堀江さんも出てきて、ベース。
達也さんは、立ってドラム叩いてた。
これも、達也さんの鳴き声シリーズが良かったな~。
なんて可愛らしい人なんだろう。

最後は珍しく、コール&レスポンスを決めて、
二人ともはしゃいでたなぁ。


MANNISH BOYSのテーマ
LINKEYLINE
Mach Venus
カーニヴァル
バカにすんなよ
Dark is easy
LOVE & LOVE
DIRTY BUNNY
Oh Amy

あいされたいやつらのひとりごと
MANNISH BOYSのテーマ

ないない!
ざまみふぁそらしど


せっちゃんも、達也さんも、今までの立ち位置と違うところで、
マニッシュボーイズというユニットを楽しんでいるような気がする。
自由で解放感に溢れたステージだった。

さて、新木場のファイナルでは、どんな風になっているんだろう。
とても楽しみだ。

2012年9月20日木曜日

マ、マ、マ、マニッシュボーイズ!!!

タワレコからの発送メールが遅れていたため、
発売日に聴けるのかどうか、本当に不安だったのだが、
ブツの方は問題なく配達された。

で、昨夜からノンストップで聴いている。
『Ma! Ma! Ma! MANNISH BOYS!!!』




















これが、すっげー!!のだ。
一言でいうと、パンク。
サウンド的にも荒々しく、攻撃的なものを感じるけれど、
何よりもその精神性が、パンクなのだよ。
初期衝動を感じるのだ。
潔い。清清しい。

せっちゃんのソロ名義のアルバムよりも、自由度が高い。
収録曲の幅そのものは、ソロの方があるような気がするが、
演者の勢いとか、熱っぽさを、そのまま封じ込めたような鮮度の良さが、
解放感を感じさせてくれるのだ。
今までのせっちゃんのアルバムは、もっとストイックな香りがするからね。
ここまで外向きに振れてることもないし。

というわけで、かなり気に入っております。



で、見事にチケット争奪戦で敗れた、マニッシュ@赤坂BLITZ。
急遽、行けることになったみたい。
まだ実感湧いてないんだけれど、今日、ライブ行けるらしい。
これも、ツイッターという文明の利器のおかげだね。

それから、このチケット争奪戦にご協力くださった皆様に、
改めて、お礼を申し上げます。
その節は、ありがとうございました。

そして、チケットを譲って下さる方、
本当にありがとうございます。
感謝しても、し足りない思いです。

ネット上とはいえ、いろんな方とのご縁に助けられているなぁ、
と感じるこの頃ですわ。

2012年9月18日火曜日

OTODAMA'11-'12 (2012/09/08)~その3~

・・・と、センチメンタル劇場は終了。
ここからは、どかーんと熱いロックを転がしてくぜ!
しかし、どんどん記憶が薄れていってるぜ!
ぎゅぎゅっとコンパクトにまとめちゃうぜ!



子供ばんど
日が暮れ始めて、刺すような日差しを感じなくなった頃、
かっこいいSEが流れて、メンバー登場。
今日の衣装は、白Tに、それぞれのカラーのハーフパンツ。
・・・ハーフパンツ!!!
なんか可愛いぞ、おい!

みんなニコニコして、楽しげな表情。
それだけで、私はもうメロメロ。
なんといっても、ほぼ1年ぶりの子供ばんどだということで、
ボルテージ上がりっぱなし。
さっきまで、脳内センチメンタル・ジャーニーだったことなんて、
すっかり、さっぱり、忘れてた。

あのツイン・リードのギターの音は、
ちっぽけな感傷を吹き飛ばすには最高の特効薬だね~。
ほっぺの筋肉がつるんじゃないかと思うほど、
ずーっとヘラヘラと笑っていた。
きっと、脳内麻薬が大量に分泌されていたんだろうなぁ。

JICKが「佐野さんと奥田くんの間という、素晴らしいところで
やれて嬉しいです。」と言うと、トーベンさんは
「フラワーカンパニーズの前座です!」って。
そうやって、名前を挙げてくれるだけで、嬉しくなるなぁ。

『だからそばにいておくれ』
暗くなり始めた空の色が、ピタリとはまって素敵だった。
・・・と、しんみりした後、聴こえてきたイントロに、
頭よりも先に体が反応して、心臓が高鳴る。
JICKとトーベンさんがポジションを交代!?
『アル中ロックンローラー』じゃないか!

こんなショートセットに『アル中~』を入れてくるなんて
ス テ キ !
きゃーー!トーベンさーん!!
カッコいいいいいい!
と、叫びそうになったけれど、ここは自粛しておいた。

「お前ら、青春してたかー?」とトーベンさんの語りの件。
「おれたちもオッサンになっちまったよ!」と言うと、
JICKが、「でもさ、さっき佐野くんに会ったら、
『イカしたことをやってるヤツには、年は関係ないね』
って言ってたよ。」と、ちょっとモノマネ風に言ってた。
うわー、元春っぽい発言!

最後は、夏の終わりに相応しく『サマータイムブルース』で、
ドッカーンと盛り上がる。
ギター弾いてるときのJICKは、本当にいい笑顔。
夢中になって遊ぶ子供そのものの無邪気さなんだよな~。
基本、トーベンさんにロックオンの私の視線も、
JICKの笑顔に奪われてしまう瞬間が何度もあったよ。

あっという間だったけれど、すっごく盛り上がった。
濃かった。燃えた。萌えた。
なんと、カッコいいバンドなんだろうと、再認識。

1.ロック・ミー
2.のら猫
3.だからそばにいておくれ
4.アル中ロックンローラー
5.サマータイムブルース




フラワーカンパニーズ
そのまま露天風呂に居座って、フラカン待ち。
そんなに頑張らなくてもいいかな、という程度の人出だったけど、
もう、動くのが面倒くさくってね。

鶏の鳴き声SEで、メンバー登場。
すでに楽しそうで、いい顔してる。

なんと、初っ端から『深夜高速』のイントロ。
やっぱり、フェスには鉄板のナンバーなんだろうなぁ。
こんなにフラカンTの着用率が高いフェスは、他にはないけれど、
それでも、初見のお客さんも多いだろうからね。
最初にガッツリと掴んでやろう、ってことだね。
その気合いが、竹安ギターからヒシヒシと伝わってきた。

そして『はぐれ者~』→『脳内~』という、
ますます鉄板なセトリ。
2年分盛り上げて、2年分楽しんでやれ~、という気迫が凄い。
濃いー、濃いー。
もちろん、オーディエンスも2年分の想いを込めて返す。
熱い、熱い。

この日の『ロックンロール』は、今まで聴いた中で
一番、力強く響いた気がするなぁ。
野外フェスのロケーションのせいだろうか。
ずっと、ずっと続いていく(続けていく)ことの強さ、逞しさを
夜空の下で感じていた。

あれ?MC、あんまりなかったっけ。
ほとんど覚えてない。
ニューアルバムが出て、ツアーも始まります的なことは
言ってたのを覚えてるんだけど。
後は、雨降らなくて良かったね、ということくらいかな。

そうだ。
明日もどこかのテントでライブやるけど、
ここで、ハッキリとは告知できないので、歩いてるのを見かけたら、
個人的に訊いてね、と言ってたな。
そんなこと言われると、明日も来たくなっちゃうよ~。

クライマックスは『真冬の盆踊り』
ヨサホったのは、ずいぶん久しぶりだなぁ。
まぁ、ある程度は予想していたけれど、やっぱり、ぞろぞろと出てきた。
ベイビー、YO-KING、シンちゃん、トモフ、ハルさん、ヤスオくん・・・。
あれ?もっといたような・・・、あ、サードクラスご一行様もいたっけ?
トモフやシンちゃんは、あきらかに酔っ払い。
ゴキゲンを通り越して、フラフラしてたもんなぁ。

で、ベイビーと・・・誰だったかな?
圭介を騎馬戦のように担ぎ上げて、ヨッサホイのホイ!
でも、圭介はびびって、うわーーー!!ってなっちゃって、歌えない。
「やばいよ!落ちたら、今度は俺が骨折だよーー!」って。

そんなこんなで、予想通りとはいえ、カオスな盆踊りだったわ。
これが終わると、やりきったなー、という充足感。
フェスを満喫してるわー。

1.深夜高速
2.はぐれ者讃歌
3.脳内百景
4.ロックンロール
5.チェスト
6.真冬の盆踊り


まったくの余談だけれど、
四星球のヤスオくんの私服姿が可愛くて、萌えましたわ。
普段はブリーフだからね~。


・・・というわけで、まだ終わらんなぁ。

2012年9月13日木曜日

OTODAMA'11-'12 (2012/09/08)~その2~

※注※ これは、ライブレポではありません。
超個人的なセンチメンタル日記です。



佐野元春 & THE COYOTE BAND
もっとステージの近くまで行けそうだったんだけれど、
次の子供ばんどのステージへ、急いで移動することを考えて、
ほどほどの距離をキープ。
すごくドキドキしながら待っていた。
生で元春を観られるなんて・・・。

コヨーテバンドの演奏でライブが始まり、更に胸が高鳴る。
そして、元春!!
グレイッシュで綺麗な色の髪にサングラス、間違いなく元春だ。

私にとって、佐野元春というのは、生身の人間というより、
物語の登場人物のような、架空の存在に近い認識だったのだ。
それが、今、フィクションの中から飛び出してきて、
私の目の前に立っているなんて。
そんな独特の感慨に浸っていたのだが、もしかしたら、
私の方が、どこかの物語世界へ入り込んでしまったのかもしれない。

実は『No Damage』以外のアルバムをちゃんと聴いたことがない。
あれほど夢中になって聴いていたにもかかわらず、
他のアルバムをなぜ追いかけなかったのか、今となっては
どんな理由があったのか、さっぱり思い出せない。
今、改めて『No Damage』を聴き返してみて感じるのは、
バラエティに富みながらも、一貫した世界観があるということ。
まとまりが良くて、完結しているのだ。
ベスト盤なのに、不思議。
あまりにも綺麗に、綻びもなく、完結しているが故に、
それ以上のものが必要なかったのかもしれない。
良い言い方ではないが、“閉じた”名盤だったのだ。私にとっては。

そう。
その閉じた世界の主人公が、佐野元春。

前半は、ステージに出てきてから、一言も喋らず、
淀みなく淡々と、けれど熱く、元春は歌い続けていた。
その中の一曲が、とても印象に残っている。
後で調べてみると、まだ音源化されていないらしいのだが、
『虹をつかむまで』という曲。
歌詞さえはっきり覚えていないのだけれど、
すごく大きな歌で、これまで歩いてきた道のりは間違ってない、と
優しく肯定してくれてるように思えた。

『約束の橋』はドラマの主題歌になってヒットした曲。
そのドラマは見ていなかったけれど、よく耳にしていたはず。
でも、その当時は、私の心の中にまで届いてはこなかった。
何十年かぶりに邂逅することとなった元春の歌声は、
今しっかりと、胸に突き刺さり、どうしようもなく泣けてきた。

もうこれで十分だと思ったとき、元春が喋り始めた。

「僕のキャリアの最初の頃に作った曲です。
もし、知ってる人がいたら、一緒に歌ってください。」


あの閉じた世界の中で、
何百回と聴いたピアノの旋律が聴こえてきた瞬間、
体が、心が、震えた。
『サムデイ』
あー、ダメだ。
今、この文章を書きながら、思い出しただけで涙が溢れてくる。

嬉しかった、とか、感動した、とか、
そんな生易しい表現じゃ、ぜんぜん足りない。
長い間、閉じていた世界が開かれて、一気に現実へと溢れ出し、
激流のようなダイナミックなカタルシスが起こったのだ。

声を上げずに泣くのに苦労するほどの号泣っぷりは、
まわりの人を驚かせてしまったのではないかと、恥ずかしくなる。

猥雑で、理不尽で、問題山積みの
どうしようもない世界に私は立っていて、
つまらない大人になってしまったかもしれないけれど、
まだまだ、ただのスクラップにはなっていないつもり。
だって、まだ、元春のロックンロールで泣けるんだもの。
15才の私よ、
長いこと生きて、つまらない大人になるのも、そう悪くないぞ。
今なら、胸を張ってそう言えそうだ。

ありがとう、元春。



ここで、大浴場を離れて、露天風呂へ向かうことにした。
十分満足したから。

『ダウンタウンボーイ』も何かの主題歌だったっけ?
なんてことを考えながら、移動して、
露天風呂で、子供ばんど待ちしながら、大浴場の音を聴いていた。
そこで、聴こえてきたのが『アンジェリーナ』!!!
えええーーっ!!?そんなぁ・・・。

人間とは欲深いものだ。
『サムデイ』で、これ以上望むものはない、と大満足して、
あの場を離れたはずだったのに、それ以上が、あったのだ。

焦がれる気持ちを隠しきれず、サビの部分を小声で歌っていたら、
私以外の小さな声も聴こえてきた。
見回すと、同じように小声で歌ってる人が数人いた。
子供ばんどファンということは、ほぼ同世代だから、
当然、元春だって聴いてたよね。
別に言葉を交わしたわけではないけれど、
同じ想いの人がいると思うと、なんだか嬉しくなってしまった。

いつか、ちゃんと『アンジェリーナ』を聴こう。
きっと、その機会は訪れるはずだ。
閉じていた世界は、開かれたのだから。


0.COYOTE Theme 2012
1.ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
2.La Vita e Bella
3.虹をつかむまで
4.警告どおり、計画どおり
5.僕にできることは
6.約束の橋
7.サムデイ
8.ダウンタウンボーイ
9.アンジェリーナ



こんな調子で、最後までたどり着けるのか、とても不安。

2012年9月12日水曜日

OTODAMA'11-'12 (2012/09/08)~その1~

OTODAMA'11-'12 ~温泉魂~
2012年9月8日・9日 泉大津フェニックス
開場10:00 開演11:00
2日券10,500円/1日券6,500円券(当日7,000円)




天気予報は、曇時々雨。
雨具の用意は万全だ。
おかげで、たった一泊の旅だというのに、結構な大荷物。
仕方がない。
雨の野外フェスを楽しむ為には、それなりの装備と覚悟が必要だからね。

苦手な飛行機で、早朝、びゅーんと大阪へ、ひとっ飛び。
関空に着くと、滑走路が雨で濡れている。
泉大津駅までは、あっさりと辿り着いた。
シャトルバスの乗り場が駅から少し歩かなければならないのだが、
この時点で、雨の気配はなく、予想外に日差しが熱い。
こんなに晴れるなんて予想外だったので、ちょっと焦る。
日焼け止め塗ってないし、アームカバーもないし、
ジリジリと焼かれ放題で、バス待ちは約30分ほど。
乗車時間は20分くらいだったかな。


会場に到着して、まず物販ブースへ。
フラカンのブースはまだ閉まってたので、公式のブースへ。
結構並んだなぁ、45分くらいかな。
この間に、入浴宣言があって、一番風呂のクリープハイプが始まった。

無事に歌劇団Tシャツをゲットし、フラカンブースを見に行くと、
Gとミスコニが売り子をしていた。
とくに他意はないのだが、なんとなくGの方の列に並びながら、
何て話そうかと策を練ってみたけど、結局「アレとアレ下さい」
「あの・・・(と握手を求める手を差し出す)」「どうも」
くらいしか口にできなかったのである。
あー、あと2杯くらいビール飲んでから並べばよかったな。

そんなこんなで、お買い物終了。
基地の設置もOK。(といっても、レジャーシート広げて
雨具の入ったビニールバッグを重し代わりに載せただけなんだけど)
ご飯とビールで、燃料補給も完了。
では、いざ出陣。



レキシ
楽しそうなウワサはいろいろと聞いていたので、期待していた。
その期待どおり、めちゃめちゃ笑えて、楽しかった。
池ちゃんのことも、100sの人ね、くらいしか知らなかったけど、
なんなの?あの喋りの面白さは??
笑いにウルサイ大阪人のハートをがっつり掴んでたよ。

なんといっても、面白いだけじゃなく、演奏力が抜群で、
グルーヴが気持ちいいんだもんなぁ。
豊夢さんのドラムが最高にイカしてた。

とにかく、歌詞がイチイチ面白くて、コール&レスポンスも
馬鹿馬鹿しくて、最高!
「高床式!」「高岡早紀!」って。

そんな小ネタ的なMCが長いせいもあって、
持ち時間いっぱいで演奏したのは3曲だけ。
それも「時間がない!」「怒られる!」と言いながら。

何度も何度もリピートしてたせいで、いまだに
縄文土器~ 弥生土器~ どっちが好き~
が、頭から離れなくて、気付いたら鼻歌を歌っちゃう。
どっちも土器~

1.きらきら武士
2.真田記念日
3.狩りから稲作へ



そういえば、まだSET YOU FREEテントに行ってないな~、と思い、
途中でビールを買いつつ、向かうと、ワタナベイビーが歌ってた。
もう、終盤のようだったけど、
ビールを飲みながら、気持ちよくシンガロング。
ベイビーの新曲(?)と『いけないルージュマジック』を。

最後は、次のメインステージに出る真心ブラザーズの『どかーん!』を、
一足お先に、どかーんと一発やっちゃった。

あいかわらず、落ち着きのないベイビーが可愛かったな。



SCOOBIE DO
真心ブラザーズを聴きながら、トイレ行ったり、
フードエリアを物色したり。
そしたら、露天風呂から音が、シュウくんの声が聴こえてきて、
えー!?スクービー!?
と、焦って駆けつけたんだけど、
まだリハだった。
ちなみに演ってた曲は山下達郎の『Ride On Time』
びっくりするくらいの夏らしい日差しに照らされながら聴くと、
ピタっとハマるんだなぁ、これが。

「俺たちが演ってるときは、晴れるんです。
この後、フラカンに向けて曇ってくるから。」とシュウくん。
でも、本当にこの言葉どおり、この時間帯が一番晴れてたんだよね。

スーツバンドだということをわかってて、
この時間帯の出演を割り振る清水温泉にさんに、
遠回しに文句を言っていたけれど、
そういうタイムテーブルを組みたくなる気持ちはわかる。
真夏の太陽さんさんと降り注ぐ、いかにも夏フェス!
というシチュエーションが、スクービーには似合ってるもの。

なんと、怒髪天の『労働CALLING』のカヴァーが聴けた。
スクービーらしく、ファンキーなアレンジにのせて
ウンガラガッタするのは、ちょっと不思議な感じだったけど、
楽しーーー!

スクービーは、本当にいい。
ファンキーグルーヴが気持ちいいし、
シュウくんの煽りも、完成度が高いんだよなぁ。
おかげで、炎天下で踊らされて、汗だくだよ。


1.太陽と女の子
2.労働CALLING
-MC-
3.おんな
4.ロックンロールは未定
5.Back On
6.Little Sweet Lover


ジリジリと日に焼かれながら、ビール飲んで、踊って、
ちょっと疲れた。
トモフまでは、まったりタイムと決め込む。
この時間を逃すと、まともにご飯を食べる暇がなさそうなので
それほどお腹は減ってなかったけど、軽く腹ごしらえ。
木村カエラちゃんのステージを遠めに見ながら。
もちろん、ビール付。
ビールも大事なカロリー源ですからね。

なんだか、お天気いいのに通り雨っぽいのがパラパラときた。
レインジャケットをかぶって、シートに寝転び、軽く仮眠。
あっちこっちから、いろんな音が聴こえてくる。


星野源ちゃんの声が聴こえてきた。
半分眠りながらだったので、リハなのか、本番なのか、
よくわからないまま『穴を掘る』を聴いた気がするのだが、
公式レポのセトリには書かれてないんだよね。

もう、雨は大丈夫そうだな~と、よっこらしょと起き上がると
そこに大きな虹がかかっていた。
源ちゃんの歌と虹。
ちょっと感涙ものの名シーンだったな。

「ペダルスチール、高田漣」と紹介する源ちゃんの声が聴こえて、
あー、そういば宴会場テントに出てたんだったよなぁ・・・と思い出した。
漣さんのペダルスチール、野外フェスにピッタリの
伸びやかな響きで気持ちよかったなー。

まどろみの中で聴く、源ちゃんの声は毛布のように暖かで、
消えてしまった虹の跡を目でなぞっていると、ちょっぴり泣けた。
そんなセンチメンタルの海に沈みかかっていると、
またもや露天風呂から、盛大にリハの音が聴こえてきて、
シャキッと目覚めたよ。



TOMOVSKY
さぁ、ここから忙しく動かねばならんのだ。
びしっと、フンドシ締めなおして(いや、締めてないけど)いくぜ。

移動に時間をかけたくないので、
あまり前まで行かずに待機。
でも、わりと小柄な人が多かったのか、視界はなかなか良い。

おなじみの『歌う46歳』で幕開け。
三拍子が気持ちいい。

トモフの自由奔放さは、どこからやってくるんだろう。
あの開き直りの自己肯定は、とことんの自己否定の裏返し。
表裏一体のように思えるんだよなぁ。
ハルさんと並んでいると、余計にそう感じるんだよね。
双子なんだもん。

遠くの空を指さして、
「あそこにある黒い雲が、こっちに向かってきてるね。
あれが、フラカン雲!」
と言い放つ、トモフ。
なんだか、本当にそんな気がしてきたわ。

でも『スポンジマン』でシューッと、雨を吸い込んだから、
きっと大丈夫だと信じてるよ。


1.歌う46歳
2.脳
3.文句いわない
4.カンチガイの海
5.こころ動け
6.我に返るスキマを埋めろ
7.スポンジマン



エンディングの『歌う46歳』を一緒に歌いながら、少しずつ後退。
次は、いよいよ元春だ。

2012年9月7日金曜日

浮かれ気分でROCK'N' ROLL

い、よ、い、よ、OTODAMA!
明日の早朝のヒコーキで、びゅーんと飛んじゃうよ~。
貧乏な私にしては、珍しく、往復飛行機だったりするのだ。
なんかもう、それだけでテンション上がるわ~。
いわゆる、LCCというやつなので、決して、リッチな旅行ではないけどね。

昨夜、荷造りし始めたら、途端にワクワクしてきちゃって、
今日も朝から、ずーっと一人でにやけている。
たぶん、ヒトから見るとキモチ悪いと思う。

フラカンも、子供ばんども、そのステージが観られると思うと
当然嬉しいのだけれど、今一番、楽しみなのは元春だったりする。

もう、ずっと、何十年も忘れ去っていたんだけれど、
久しぶりに音源を聴いてみると、15才の頃の風景が鮮やかに蘇るのだ。
15才の私が見ていた世界は、果てしなく広大で、
まだ何者にも汚されてない神秘的な輝きを放っていた。
その手付かずの世界を冒険し、開拓し、君臨できる自信に溢れていた。
まったく何の根拠もなく。
なんと、無知で、無力で、可愛らしい15才!
まさしく、スターダスト・キッズだったんだな~。

15才の私へ、一言いいたい。
つまらない大人になってしまって、ごめんなさい。

ああ、元春に会いたい。
15才の私に見せてくれた景色を、もう一度見せてほしいのだ。
無茶なお願いでしょうか・・・。





ところで、雨降るの?

私が「雨オンナ」だということは、ここだけの話ですよ。
バレたら、追い返されるかもしれないからね。


お一人様だから、ちょくちょくツイートすると思うので、よろぴく!
(・・・やっぱり、テンションおかしいな)

2012年9月6日木曜日

悲しみよこんにちは

いろいろと波紋を呼んでいるようだね。

『エンドロール』のPV



それを見た感想・・・というのとは少し違うんだけれど、
なんか、いろいろ考えてしまったことがあったので、
オチも結論も無い話を、つらつらと。

PVは一回しか見ていない。
iPhoneの小さい画面で、しかも酔っ払った状態で。
そして、号泣してしまったのである。
夜中に布団の上で。
もう一度、音だけ聴こうとしたんだけれど、
そのまま途中で眠ってしまったみたい。
なにしろ、酔っ払っていたのでね。

明け方、はっきりと目覚める前のまどろみの中で、
とりとめもなく思考が溢れてくる。

なんだか、息苦しくなる映像だったなぁ。
「リリイ・シュシュのすべて」を思い出してしまったのは、
忍成くんが出ていたせいもあるけれど、
あの吐きたくなるような胸苦しさが、同質なんだろうなぁ。

映画はたくさん見たけれど、
時間がたっても覚えているのは、ハッピーエンドの物語なんかじゃなく、
グロテスクなもの、理不尽なもの、いびつなもの、ばかりだ。
目を背けたくなるものに、実は一番、心惹かれているのかもしれない。

そういえば、昨日の飲み会の席で、
「考えることが、生きること、ですよ!」などと、
偉そうな発言をしたことを思い出し、
穴に入ってそのまま消え入りたくなった。ハズカシ・・・。

そもそも「悲しい」という感情とは、なんなのだろう?
と、悲しみの起源について、思いを馳せてみる。

人間以外の生き物には、悲しいという感情はないだろう。
親兄弟が死んでしまっても、戸惑いはするだろうけれど、
悲しんでいるのとは違うよなぁ。

動物が生きていく上で、悲しいという感情は必要ないものだと思う。
本能的なものとは、次元の違う感情だ。

恐怖は必要だ。
自分の生命を脅かすものに対して、恐ろしいと感じることで、
近付かないようにして、身を守っているのだから。

怒りは、自分のテリトリーを侵す者を攻撃するための感情かな。

では、悲しみは?
悲しい気持ちになることによって、
私の生命は、何かから守られているのだろうか?
この悲しみは、私に何かを与えてくれているのだろうか?
わからないなぁ。

最初に書いたけれど、この話にオチはない。

で、シラフであのPVを見るのが怖いような気がしているのだが、
この“怖い”は、私自身を守ろうとする本能的なものなのだろうか。

2012年9月5日水曜日

友川カズキ/夜のストレンジャーズ@紅布

「共振」act.23 -SYMPATHETIC VIBRATION-
2012年9月1日(土曜日)
新宿レッドクロス 紅布(red cloth)
開場18:30 / 開演19:00
前売2,800円 / 当日3,300円(共にDRINK別)
出演:友川カズキ / 夜のストレンジャーズ



この日は、横浜方面で魅力的なライブがいくつかあって、
かなり心が揺れたんだけれど、紅布を選択。

ミウラさんが友川さんのファンだということを知っていたので、
このツーマンは、きっと気合い入ってるだろうと思ったし、
この機会を逃すと、友川カズキを生で観ることなんてないかも、
という気がしたのだ。



少し余裕をみて出かけたはずだったんだけれど、
いろいろとアクシデントがあって、
店に着いたのは開演の10分くらい前。

いつもの調子で、人の脇をすり抜けてスルスルと前へ行く。
案外ステージ前の方がスペースに余裕があるのよ。

ベストポジションについて、落ち着いて周りを見ると、
何だかいつもと様子が違う。
あれ?みなさん友川さんのファンの方ですか?
やばい。なんか落ち着かないぞ。
私、踊り倒しちゃいますけど、大丈夫でしょうか?
と、少々不安になっていると、客電が落ちて、
お馴染みのSEが流れた。



夜のストレンジャーズ
序盤は『そばにいて』→『ソウルバーニングラブ』と
マキ子さんのコーラスの映える曲が続く。

ミウラさん、友川さんと同じ秋田出身で、先日亡くなった
漫画家の土田世紀さんの「俺節」を読んで作ったという『テレサ』
あー、イントロのアルペジオだけで胸がキューンとなる。

そしてマキ子さんがヴォーカルをとる『あなたとシャララ』
音源はギターのみのアレンジなので、バンドver.は前のライブ以来。
このアレンジ良かったなぁ。
ギターのアームでギュィンと、アクセントが効いてて痺れた。
マキ子さんの堂々とした歌いっぷりもいいなぁ。
とにかく、ベース弾きながら歌える人を無条件に尊敬してしまう。

早くも新曲ができていたのが嬉しい。
ミニアルバムができるのかな~?楽しみだ。

今日は『新しい町』が沁みた。
いつも、一緒に声を出して歌っちゃうんだけれど、
途中で歌えなくなってしまった。
歌ってると、そのまま嗚咽しそうになってしまうから。
なんだろう?
この歌みたいなシンプルで力強い世界観に涙が出る。
実際の世界のありさまが、余りにも情けなくて、
この歌とは程遠い見苦しい現実ばかりで、泣きたくなるのだよ。

「20年前の俺に友川さんと同じステージに立つ日がくると
教えてやったら、腰抜かすだろうなぁ」
「昔、弾き語りしてて、友川さんの真似して、
わざとらしいくらいの訛りで歌ったりしてたんだよ」
と感慨深げにミウラさんが言う。
ミウラさんの感動は、こちらにもよく伝わってきたよ。

「最後の曲です」とミウラさんが言ったとき、
えっ?もう?・・・と、ちょっと呆気ないとうか、
物足りないような気分だったけれど、
とにかく『サムクック~』で、思いっきりハジけた。

うーん、そうだなぁ・・・。
今日のセトリは、聴かせる曲が多くて、
それはそれで、夜ストの素晴らしい一面ではあるのだけれど、
もっとハジける曲も欲しかったな~。
だって、その両方があってこその夜ストなんだもん。

でもまぁ、仕方ないかな。
今日は、友川ファンに配慮したセトリだったんだろう。


そばにいて
ソウルバーニングラブ
テレサ
あなたとシャララ
新しい町
アクション
小さな恋人
ホームタウンボーイ
泥の川
連れて行ってよ
サムクックで踊ろう



友川カズキ
なんだか、コアなファンの方よりも前で見るのは申し訳なくて、
後ろへさがって観ることにしたんだけど、
図々しく、そのまま前に張り付いてればよかったかな、と
ちょっと後悔。
男性ファンが多いせいか、かなり見難いのだ。
ロックなライブと違って、ほとんど動きがないから
最初の位置取りがかなり重要なポイントだったんだよね~。

ギリシャ彫刻のような美しく憂いを帯びた顔立ちの男性が
ふらりとステージに現れた。
もちろん、これが友川カズキ氏だ。
意外なくらいに、ピリピリしたところがなく、
まったくの自然体で、ただただ、スッとそこに居るのだ。

その端正なルックスに似合わない秋田訛りで話し始めると、
ますます親近感が湧く。
やっぱり原発やら政治の話が多かった。
当然、怒っていて、過激な発言もするんだけれど、
茶目っ気たっぷりな話しぶりに思わず笑ってしまう。
「本当はずっと喋っていたいんだけどね。
それだとギャラが出ないから、歌います。」と・・・。

繊細な音色のギターを爪弾き、
言葉を吐き出すように、体から引き剥がすように、歌う。
すると、辺りの空気ががらっと変わるのだ。

「歌に“意味”なんてない。あるのは“気分”だけ」
と言っていたけれど、聴いていると、
そこに込められた意味や意図を探したくなってしまう。
本当に意味なんてないのかもしれない。
友川カズキという男が、ただそこにいて、歌っているだけのこと。
ただ、その歌っている姿に、生き様がくっきりと浮かび上がって見えて、
聴衆を惹きつけているのだ。

“無頼”という言葉がよく似合う。
美しい62才だなぁ、と思いながら聴き入っていて、
・・・そういえば、横浜方面のステージに立っているあの人も
62才だったな、ということに気付いた。

ぶれずに年を重ねていくということは、
なんと格好のいいことなのだろう。

「最後にもう一回、夜のストレンジャー(最後まで「ズ」は
付けてもらえなかった)に出てもらうから」
「もう(世界の)山ちゃんに行かなきゃいけないから」
と、友川さんがステージを下りようとしていたところ、
まだ、夜ストサイドの準備ができていなかったようだ。
舞台袖にいたミウラさんからの「『ワルツ』やって下さい!」
というリクエストに応える形で、最後の曲は『ワルツ』

この曲が、凄まじくカッコよかった。
ミウラさんがリクエストしてくれたお陰で、聴けて良かった。


ということで、再び夜ストが登場して『ヤング&ヒッピー』

正直、友川さんの後で、めちゃくちゃやりにくかったと思う。
それでも、せっかく友川さんが厚意で申し出て下さったんだから、
それに応えて、きっちりやらなくては、という想いだったんだろう。
私も、ちゃんと受け止めさせてもらったよ。

ただ・・・前に突っ込んでいけなくて、寂しかったなぁ。

2012年9月2日日曜日

KAMINARI GUITAR presents “C'mon Everybody” Vol.4@Club Lizard

KAMINARI GUITAR presents “C'mon Everybody” Vol.4
出演:湯川トーベン / 仰木亮彦 / 齊藤ジョニー
8月30日(木) Club Lizard YOKOHAMA
開場 18:30 / 開演 19:00 
前売 2800円 / 当日 3300円(Drink代別)



前日のライブの疲れが残っていて、
正直、横浜まで移動するのが億劫でしょうがなかった。
仕事帰りのライブ2連チャンは、疲れるよな~。

リザードは初めて来るハコ。
案の定、迷って、開演時間ギリギリに到着。
ちょっと焦った。




齊藤ジョニー
よくお見かけするお名前で、楽しみにしていたのだ。
だって、名前がいいじゃない。
長年、誠さんのファンでいるおかげで、
サイトウという字面に敏感に反応する体質になっているのよ。
そうやって、せっちゃんとも出会ったりしてるんだよ。

ジョニーくんの他、ウッドベースとフィドルという3人編成。
ジョニーくんはバスドラを踏みながら、ギターを弾く。

曲は、カントリー・ブルース的な感じかな。
とにかく、何もかもが若い!
真っ直ぐで、瑞々しくて、衒いがない。
もう、母親目線でしか見られない、可愛すぎて。

途中、ギターからバンジョーに持ち替えて何曲か。
おおー!生バンジョーは、生まれて初めてだ。
うーん、軽快だね~。
座ってるのが辛い、踊りたくなったわ。




仰木亮彦
在日ファンクをちゃんと聴いたことないのだけれど、
その名の通り、ファンクな音楽をやってらっしゃるんだろう。

ところが、ドラムとコントラバスがサポートに入って、
ガットギターを爪弾いて歌うスタイルは、
ファンキーではなく、ゆるーいフォーク調。
星野源くんと似ているかな。
歌声が妙に懐かしく響いて、似ている声を知ってる気がするのだが、
思い出せない。

MCもまったりとほのぼのしてた。
とても気持ちのよい、優しい時間が流れていたな。

コントラバスの可愛らしい女性、さーやさんの歌も披露。
ベースの弾き語りなんて、エスペランサ・スポルディングみたい。
カッコいー!
そしてエロい!
ちょっぴりファンになっちゃいましたよ。
機会があれば、また観てみたい。




湯川トーベン
「みんな一人で演るのかと思ってたのに裏切られた」と。
私も、みなさん一人で弾き語りのスタイルなのかと思ってた。
「みんなフルバンドで、ズルいなー」
なんて言いながら、心の中は燃えていたのではないかな?

ここ最近、トーベンさんにとってホームのライブしか観ていない。
久しぶりに、ちょっとアウェイな雰囲気(といっても、
いつもの顔ぶれを沢山お見かけしましたけどね)だった。
だから、忘れてた。
トーベンさん、めっちゃアウェイに強いのだった。

初見のお客さんをグイグイと惹きつけていくさまは圧巻だ。

セトリも王道で、変化球なし。
「まるごと湯川トーベン」で、勝負に出てる感じがする。

『珈琲』のブルースハープで痺れさせて、
『食パン~』でお客さんを巻き込んで、コーラスさせて、
『ハワイ~』で、クスクスと笑わせて、
『しょーもない僕~』仕上げにギターで酔わせる。
そして、最後に『天国行きのバス』で、しっとりと歌を聴かせる。
なんという完璧なセトリ!

とにかく『しょーもない僕~』は、本当にカッコよかった。
これでもか、これでもか、と捻じ伏せるような、畳み掛けるような
ギターの音色に涙が出そうになった。
すごい熱量を発していたんだよ。
観ていて息が止まりそうなほどの迫力。

私の隣に座っていたお嬢さん(たぶんジョニーくんのファン)が、
「かっこいい・・・」と感嘆の声を漏らしていて、
そうでしょ、そうでしょ、となんだか誇らしい気持ちになった。
いや、私が誇ることではないんだけどね。


僕はカラス
珈琲
パナヌファ
食パンとミルク
ハワイへ行くなら
明日晴れるよ
しょーもない僕 しょーもない君
天国行きのバス



アンコール。
トーベンさんが、「ハイ、全員集合!」と号令をかけたんだけれど、
なかなか誰も出てこない。
「若いやつは、行動が遅いな!」なんて言ってたら、
なんとサプライズで、バースデーケーキが登場。
ちょっと早いけれど、9月4日がお誕生日のトーベンさんに。
このケーキ、ライブ後お客さんにも振舞われたようだ。
(私はダッシュで退散したので、いただけなかったけれど)


全員が出てくると、ステージだと狭いので、フロアに降りて演奏。
『サマータイムブルース』アコースティックVer.で。
こうなってくると、トーベンさんの“仕切り力”が光るわ。
ちゃんと、ソロもそれぞれに振って、ヴォーカルも振って、
一番若手のジョニーくんを前に押し出して、というのを
さらりとやってしまうんだよね~。

で、最後に『バンドマンブルース』を
ジョニーくんのバンジョーからのカントリーVer.で・・・と思ったら、
歌い出しがわからなくなってしまったトーベンさん。
「あれ?あれ?・・・どんなだっけ?」って、ちょっと焦ってた。
そんなこともあるんだね~。
百戦錬磨のバンドマンなのにね~。
そんな姿も、なんだか可愛かった!(完全にイカれてますから!)

でもって、なんでそうなったのか、『バンドマンブルース』歌いながら、
マーチングバンドのように、全員がフロアを練り歩き。
面白すぎる!楽しすぎる!



もちろん、それぞれのソロのライブも良かったのだが、
結局最後は、トーベンさんが持っていったというか、
イベント全体が、トーベンさんのカラーになっちゃったといった感じ。
あの会場にいた人達、みんながあったかい気持ちになったはず。

そして、また惚れ直してしまいました。