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2012年11月27日火曜日

天月@BOOGIE STOCK (2012/11/23)

天月
(湯川トーベンvo,b/田中”ヤッチ”裕千vo,g,/向山テツdr)
11月23日(祝) 新代田 ROCK BAR BOOGIE STOCK
OPEN18時/START19時
自由席(入場整理番号順)¥3,000+¥1,000(2ドリンク代)



今年最後の天月ライブ。
場所は、横浜じゃなく、新代田のテツさんのお店。
いつもにも増して、ギュッと詰まったスペース(要するに狭いってこと)で、
濃密なライブだったわ。



最初の曲は『天使の月』
やっぱり、一発目の出音でのけぞってしまった。
この狭小空間でも、手加減なしの爆音炸裂なのね。

店主のテツさんよりも、トーベンさんの方が気にしてたよね、
上の階から苦情がくるんじゃないかって。
「ここで演るのは、最後かもしれない」とか。
いやー、それは悲しい。

一応、小さいスピーカーもあるのだけれど、
どう考えても、アンプ直の音を聴いてるわけで、ドラムも生で、
いいバランスで鳴ってて、すごく気持ち良かったんだよ。
できれば、またここでライブして欲しいんだけどなぁ。
苦情きてなければいいなぁ。

ヤッチさんとトーベンさん、それぞれのマイクスタンドに、
小型のモニタースピーカーが取り付けてあったのに驚いた。
テツさんのお手製だそうだけれど、
スペースの有効活用という点では、なかなかの優れものだね。
面白い。

ちなみにミキシングはテツさんが自らやっておられました。
ハウると、そそくさと立ち上がって調整したり、
自分がヴォーカルとるときだけ、リバーブかけちゃったり。
今日はテツさんのヴォーカルが2曲もあったし、
店主大忙しといったところ。

トーベンさんはラグランの長Tを着ていたのだが、
ちょっと襟ぐりが広めだったようで、ストラップで引っぱられて、
鎖骨が・・・、セクシー。
時間が進むうちに薄っすらと汗ばんで、さらに・・・悩殺。
喉元フェチの私には、たまらん光景でしたわ。
あー、あの汗を、そっと拭き取って差し上げたい!(←妄想三昧)

・・・と、目の保養もさせてもらったけれど、
これは、飽くまで副次的な産物であって、
カッコいい音楽が、主にあってこそだということを忘れちゃいけない。
今話題の「楽器を演奏しているようなパフォーマンス」なんかじゃ
こんなに痺れるワケがないのだよ。

トーベンさんのSキャラは、今日も発揮されてて、
MCタイムに入って、ヤッチさんが煙草に火を点けると、
「なに休憩してんのー、もう演るよー」と、
火を点けたばかりの煙草を消させて、次の曲へいくという・・・。
ヤッチさんも「なんか、今日は苛められるなぁ」って、苦笑い。

『日本のおっさん(命名、私)』のコール&レスポンスで
「おっさん!」「オッサン!」「おまえが!」「オッサン!」
というやりとりは、いつものことで、
もちろん、その標的は客席にいる男性陣なわけだが。
今回は、それの「おばちゃん」バージョンも。
これは珍しいことだな。
実際、私を含め、客席は「おばちゃん」と呼ばれても
何の不思議もない年齢層の女性が多数を占めているのだけれど、
今までのトーベンさんを見ていると「女性は弄らない」という
不文律を守っているように思っていたので。
まぁ、特定の個人ではなく、客席全体への呼びかけだからいいのか?
当然、おばちゃん達は臆することなく
「おまえが!」「オバチャン!」というC&Rは、至って元気。
この光景を見て、ヤッチさんが大ウケ。
「やってみれば?」とトーベンさんに振られても、
「いやいやいやいや・・・」と、かなり腰がひけてたのは、
おばちゃんパワーに恐れをなしていたのだろうか。

『青春パンク(仮)』からグイグイっとアゲていって、
『四畳半のロックスター(命名、私)』という終盤の流れが圧巻だった。

天月の出す音は、内臓にグッとくる。
爆音でグルーヴィーな音を聴いてるうちに、軽くトリップだ。
得も言われぬ多幸感に包まれる。
(だから、エロい妄想に発展していくんだろうなぁ、といいわけ)
でも、この幸せな時間は、間違いなく終演(終焉?)に向かって流れ、
留めておくことはできない。
そんなことが、ときどき頭をよぎる度に、
胸の奥がキューーンと痛くなった。
この瞬間を冷凍パックにして、持って帰れたらなぁ・・・。

せめて、音源が欲しいところである。
トーベンさんもが「アルバム作るように仕向ける」と言っていたので、
その言葉に期待!

せつなさに打ちひしがれながら、お店を出るときに、
トーベンさんが立っていて「ありがとう」と言って送り出してくれた。
その瞬間が幸せ過ぎて、泣きそうになった。
こちらこそ、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

2012年11月22日木曜日

東祥吾SwEG!&サンコンJr./うつみようこ&YOKOLOCO BAND@CLUB251

CLUB251 19th ANNIVERSARY~Power of Equality
東祥吾SwEG!&サンコンJr. / うつみようこ&YOKOLOCO BAND
2012年11月20日(火) 下北沢・CLUB251
OPEN 18:30 / START 19:00
前売¥3,000 / 当日¥3,500(ドリンク代別)



とても楽しみにしていた2マンLIVE。
行く前にTwitterで「ミスター小西の代打2マンですね」と
教えられるまで、気付かなかったけれど、
言われてみれば、その通り。
ミスコニが骨折したときにフラカンがお世話になったドラマー、
ミスタークハラとミスターサンコンの2マンだわ。
いやいや、その節はお世話になりまして・・・。

本日も良番チケットをとっていただいたので、
竹安前へスルッとスタンバイ。



東祥吾SwEG!&サンコンJr.
前に観たライブがすごく良かったので、もう一度観たいと
ずっと思っていたのだ。

たしか、前は、初っ端からロックンロール全開の
トップギアでスタートしたような印象だったんだけれど、
今回は、ローギアでしっかりとトルク出して、
グイグイと引っぱっていくような構成だったなぁ。

ドラムとギター、二人しかいないステージだけれど、
東くんがよく動きまわっているので、寂しい感じはしない。
いやー、本当によく動いてた。

ギターはレスポールJr.?
東くんの体の一部になったかのように、フィットしてて、
一心同体に見えた。
ステップ踏んで、踊りながらギターを弾いているような感じ。
かといって、ギターのプレイが疎かになるわけじゃない。
ギターヒーロー然とした堂々としたアクションをキメていても、
東くんがやると、キュートで爽やかだわ。

東くんの声、サビの部分では、メタル風のハイトーンヴォイスで、
なかなかパワフルで迫力のある歌い方をするのだが、
抑え気味に優しく歌う中音域の声もいい。メリハリがきいている。
台詞ロック的な語り部分とか、キュンとしちゃう。

二人っきりのアンサンブルだと、音が貧相にならないように
ドラムは、やはり手数が多めになっている。
ライドシンバルが良い音で鳴っていたなぁ。

シンプルだからこそ、潔く、痛快に響くロックンロール。
二人で作り出すロックンロールが最高にイカしてて、
ずーっと踊らされっぱなし。
ステキなロックンロールバンドだ。



うつみようこ&YOKOLOCO BAND
転換中、Q太郎が、綺麗なSGジュニアをチューニングしてたので、
おっ、竹安、また新しいSGを仕入れたのか!!と思ったんだけど、
ようこさんのギターだった。
そうだ、ボンネットのときに見たじゃないか。
すっかり忘れていた。

というわけで、竹安とようこさん、二人仲良くSGコンビ。

竹安は、いつものように、ようこさんに向かって弾くと、
ようこさんもそれに応えるように、向かい合ってギター合戦。
こうやって、ちゃんと受け止めてもらえる竹安、珍しいかも。

男性陣のシャツは黒。
ようこさんはペイズリー柄のAライン・ワンピでとってもキュート。
ボーダーのタイツと合わせてて、ステキだわ!

やっぱり、竹安は黒のシャツが一番似合う。
ステージ衣装は、もうずっと黒シャツでいいんじゃないか?

『Another life this life』で、しっとりめのスタートして
『偶然のブレイム』『PUBLIC PRIVACY』などの定番曲に混ざって、
前にも聴いたOTONARIの曲もやったなぁ。

新曲だったっけ?
「STAR LIGHT SNOW BRIGHT」という歌詞が聞き取れたんだけれど
カッコいい曲だったなぁ。
イントロのギターリフが、ディープパープルなテイストで。

あー、竹安のストロークが今日も激しい。
とくにアップのときに、ザクッと切り裂くような鋭さが、
まるでスナイパーみたいで、キュンキュンするぜ。

後半からは、ようこさんはギターを下ろして、
颯爽とタンバリン叩きながら、歌っていたのだけれど、
その星型のタンバリン、めちゃめちゃ見覚えがあるような・・・。
ようこさんが、タンバリンを忘れてしまった為に、
フラカン号に乗ってたのを貸し出したみたい。
「持ち主に無断で借りてます」ってことでした。
星の角のところが当たるので、「手が痛い」とようこさんがこぼすと、
「(持ち主も)いつも、手、真っ赤になってる」と竹安が喋った(!)。
よく、アザになってるもんね~。
タンバリストも楽じゃないね~。

ようこさんのタンバリンさばきが大好きなので、
どうしても、目がようこさんに向いてしまう。
本当はもっと竹安を見たかったのだけれど・・・。
(ギタリストとして尊敬しているからね!)

曲の途中でタンバリンが邪魔になったのか、
投げ捨てるようこさんが、カッコよくて痺れましたわ。
(他人のものとか気にしないところがパンク!)

キュウちゃんは、ちょっとふっくらしたかなぁ?
それでも、オシャレでかわいいけどね。
奥野さんのどう扱っていいかわからないボケの後、
すかさず、ドカドカとフィルインするあの間の良さには、まいりました。
絶妙~!

もちろん、グレートには出席とられたよ~。
あの鋭い眼光で見られると、本当にドギマギしてしまう。
べつに後ろめたいことなんて、一つもないのになぁ。

アンコールは、最近の定番、レイ・チャールズの『Mess Around』
実は原曲はよく知らないのだけれど、
底抜けに明るくて、パンチのあるようこさんの歌声にぴったりの曲。
楽しいったらありゃしない。

今年は、これで最後のヨコロコかぁ・・・。
来年も春夏秋冬で、年に4回は観られるといいなぁ。




帰る前に物販で、東サンコンのCDを購入。
前回のライブで買い損ねて、激しく後悔したからね~。

そしたら、東くんにサインしてもらえましたよ。
Yeah!
サンコンにもして欲しかったけど、周りに見あたらなかったのだ。
残念。
まーいいか、きっといつか、その機会もあるだろう。

2012年11月19日月曜日

湯川トーベン@ペチコートレーン

湯川トーベン ソロライブ
11月17日(土) 千駄木 ペチコートレーン
出演 湯川トーベン(Gt.Vo)/ザ・ドーナツ
開演 19:30
料金 2,500円(1D付)



この日は、あいにくの雨模様。
しかも、夕方頃からどんどん降りが激しくなってきた。
私が出かけるときに限って・・・。

ちゃんと統計をとったわけではないけれど、
世間では、私のこと“雨オンナ”だと思われているらしい。
本人は決して公認していないけれど、
雨が降ると、なんだか申し訳ない気持ちになってしまうのは
ナゼなんだろう???

というわけで、わりと雨脚の激しい中、
千駄木駅というまったく馴染みのない駅から店まで歩いた。

お店の中に入ると、まだトーベンさんがリハやってたり、
対バンのメンバーさんがウロウロしてたりで、ゴチャゴチャしてて、
あれ?入ってきちゃってよかったのかしら~?
と不安になるほどだった。

店内は、普通の喫茶店といった雰囲気。
まだ、お客さんは、ほとんど来てなかったので、
一番前の端っこの席を陣取った。
椅子がぎゅうぎゅうに並べられている真ん中の方に入ると
身動き取れなくなりそうだったし、カウンターだと、
お店の運営上、邪魔になりそうだったので。
ええ、イイワケですけどね。



オープニング・アクトは、ザ・ドーナツのみなさん。
地元の方々がメンバーで、このお店の常連さんらしい
私よりも、かなり先輩のおじさま達。

ちゃんとした4ピースのバンドが、
この喫茶店の一角みたいな狭いスペースで演奏してるのが、
なんだか不思議な感じがした。
ステージ後ろの窓からは、生活感のある街並みが見えてて、
その前で、ロックなサウンドが鳴らされているのが、
妙に微笑ましかったなぁ。

このおじさま達が、なかなかカッコいい音を出していて
見応え、聴き応えがあったよ。



いよいよ、トーベンさんの登場。

おかげさまで、至近距離で楽しませていただきました。
その距離、1メートル強、といったところでしょうか。
あー、もー、眼福、眼福。

だんだん私も、オバちゃん化が進んできたのか、
面の皮がずいぶんと厚くなったようで、恥ずかしげもなくガン見。

ステージらしい段差があるわけでもないのだが、
演者と観客という線引きさえ、ハッキリしていれば、
照れずに見つめられるのは、なんでかなぁ?
ステージ以外の場所にいるトーベンさんは、
眩しくて直視できないというのに・・・。

1曲目は『アルマジロ』(どうやら、神無月の清水さんの曲らしい)
前にも聴いたことがあるような、ないような。
とにかく、アコギ一本で、あのグルーヴ感が出せるなんて、
スゴイことだ。
いや、マ ジ で。
体の中にグルーヴ発生装置でも埋め込んでるんじゃないかと、
繁々と観察してしまったもの。

そういえば、トーベンさんのソロを観るのは久しぶりなんだな。
最近はずっと、天月ばっかり観てたもんなぁ。
この感覚を味わうのの久しぶりだ。
んー、気持ちいい。

テンポが早めのシャッフルのブルース・コードから
『珈琲』が始まるという展開にドキドキした。
このアレンジは初めて聴いたな~。
こうやって、同じ曲でもいろんな表情が楽しめると、
得した気分になれて、嬉しい。
大好きな曲だし。

「昨日までずっと晴れてたのに、この中に雨男がいるだろーっ!」
と、トーベンさんが言ったとき、思わず目を伏せてしまったわ。
ス、ス、スイマセン。
認めたわけじゃないけど、なぜか申し訳ない、この気持ち。

そんなわけで、雨にちなんだ選曲が多かった。
『あした晴れるよ』とか『ドライヴ』とか。
他は、AL「うた」からの曲が多かったかなぁ。
『島影』は、唱歌っぽいメロディーが美しくて大好きな曲だけれど、
生で聴いたのは初めてかもしれない。

本編の最後、よく知っているハープとギターのイントロ、
・・・あれ?これは、ひょっとして。
『Like a Rolling Stone』ではないか!
うわーーーっ!
なんで、こんなに興奮するのかわからないけど、
トーベンさんの歌が力強くて、カッコ良くて、
ディランの歌とオーヴァーラップして聴こえてきて、
なんだか知らないけど、胸の奥が熱くて、うわーーっとなった。

ちょうど、録画した「THE ROCK STORIES」で、
激しいブーイングの中で歌うディランの映像を
見たところだったせいもあるかな。
めちゃめちゃ格好良かったもんなぁ。

名曲というのは、
それ自体が途轍もないポテンシャルを持っているのは間違いなく、
その曲を演奏し歌う人間が、どこまでそれを引き出せるか、
高めてやれるか、というのが腕の見せ所なんだろうな。

そういう意味でも、この日、トーベンさんが歌った
『Like a Rolling Stone』は、本当にカッコ良かった。



アンコールでは、ザ・ドーナツと一緒にステージへ。
メンバー4人+トーベンさん、かなりの狭さなので、
トーベンさんはギターを持たずに、歌とマラカスとハープ。
曲は『バンドマン・ブルース』と『バンバンバン』

実は、私、マラカスに弱いのだ。

思い起こせば、古い話で20年ほど前のことか、
BON JOVIの『Keep The Faith』でジョンがマラカスを振っていて、
そのセクシーさに悩殺されたのが最初だったと思う。
で、つい1年ほど前に、エンケンのバックでマラカスを振る
若き日のトーベンさんの映像を見て、またまた悩殺されたのだ。
(※当時の記事にリンクあり)

そして、今、目の前でトーベンさんがマラカスを・・・。
きゃーーー、きゃーーー、きゃーーー!!
・・・死ぬかと思った、興奮し過ぎて。
はぁはぁはぁ・・・。

という、私のフェティシズム的観点を抜きにしても、
ギターやベースを持たずに歌うトーベンさんもイカしてましたわ。
いつもギターを持ってる人が、ハンドマイクで歌うときの
手持ち無沙汰な感じがなく、堂々としててカッコいいのだ。

あー、今回もいっぱいときめいた!



帰り際、出口のところに、ザ・ドーナツのギターの方がいたので、
一応「お疲れさまでした」と声をかけたのだが、
本当は「テレキャス、いい音してましたね」と言いたかったのに、
まだ気持ちがフワフワしていたので、言い損ねてしまった。
なので、ここに書いておきます。
(伝わらないとは思うけど)

2012年11月15日木曜日

映画の快楽

やっと、VAN HALEN の振替公演の日程が決まった!
もう、このまま来日してくれないんじゃないないかと、ヒヤヒヤしたわ。
何よりも、エディが元気になったってことが嬉しいね。
本当に良かった、良かった。




有給休暇が余っているので、特に用事はないけど休みをとり、
久しぶりに、映画三昧をキメた。
水曜日を“レディースデー”1000円としている映画館が多いので
助かりますわ。

その昔、20代の頃は、よく映画のハシゴをしたものだ。
前は、1日が映画感謝デーで、1000円だったよね?
欲張って3軒まわったこともあったなぁ。
あの頃は、お金は無かったけど、情熱があったんだなぁ、
映画に対して。

で、映画そのものも好きだけど、映画館というコヤが好き。
ライブハウスというハコが好き、という今の嗜好と同じ。
美術館や博物館も、展示そのものより、
その建物や施設に興味があったりする私は、容れ物フェチなのか。
かといって、建築物が好きというわけでもないんだよな。

「さて、何を観ようか・・・」
普段から映画を観ていないと、今どんな映画をやっていのか、
という情報にも疎くなっているんだよね。
まったく行き当たりばったりで、家を出たものだから、
iPhoneのアプリにお世話になった。
まったく便利な世の中だよな。

結局、観たのは、
「のぼうの城」と「最終目的地」の2本。
どちらも面白かったので、ごくごく簡単に感想を。

「のぼうの城」は、野村萬斎ありきの映画だなぁ。
あれ、他の役者さんでは、あそこまで魅せるのは難しいだろう。
歌舞伎役者でも、どうだろうなぁ・・・。
石田三成の上地くんが、なかなか頑張っていたのに驚いた。

「最終目的地」は、ジェームズ・アイボリー監督の作品。
こういうミニシアター向きの文学作品、大好物なの。
キャストがみな見事な演技をしてて、気持ちいい。
しかし、一番魅力的だったのは、真田広之。
なんともチャーミングなキャラクターを作り上げていたなぁ。
セミヌードもカッコよくて、目に焼き付いてしまったよ。(←眼福)
シャルロット・ゲインズブールの
あの儚げで危うい雰囲気は、10代の頃から変わらんね~。

と、まあ、たいした感想が書けなくてごめんなさい。

実は、書きたいのは作品の感想ではなくて、コヤのことだったりする。
「のぼうの城」は、都心から少し離れたシネコンで、
「最終目的地」は新宿シネマートで、それぞれ鑑賞した。

一昔前に比べると、どの劇場もキレイになった。
椅子もいいし、前の人の頭が被らないよう適度な勾配があって、
見やすいようにレイアウトされている。
快適だなぁ。

同じような快適シートでの映画鑑賞なのだが、
シネコンと、いわゆるミニシアターでは、
やっぱり、なんだかムードが違うのである。

新宿シネマートでは、レイトショーで「赤い季節」の上映中で、
村上淳やイマイさん(←イマイさんだけ、さん付け)の着た衣装を
展示してあったり、バースデー本が、平積みされてたりと、
個人的に興味深い空間ができていた。
なんか、居心地いいのである。

それに対して、平日のシネコンは少しガランとしていて
ゆっくりできるはずなのに、なんだか落ち着かない。
いや、落ち着かないといより、つまらないのだ。
あちこちに、近日上映作品のポスターだのチラシだのが
置かれているのに、どうも魅力を感じない。
なんだろう、あのワクワク感の無さは。
没個性・・・ということなんだろうな。

あの効率的かつ画一的に作られた空間に眩暈を覚える。
どこのシネコンも似たような造りで、自分の居る場所がどこなのか、
見失いそうで、キモチ悪くなるのだ。

思い起こしてみれば、私の映画への情熱が薄れていったのは、
世にシネコンが台頭してきた頃じゃなかったか。
初めは、都心まで出なくても、
話題作を網羅して上映してくれるシネコンができて助かるなぁ、
なんて思っていたわりに、その辺りから、
徐々に映画を観なくなってしまった。

よく考えてみれば、そうだよな。
お手軽に楽しもう・・・なんて考えた時点で私の堕落が始まったのだ。
楽しむことに対して手を抜いてはいけない。
手間ひまをかければかけるほど、
その後にやってくる快楽のポテンシャルが高まるのだから。

よし。
これからは、マメにミニシアターに足を運んで
地味な映画を観よう。
適当にアプリで検索して探すのじゃなく、
事前に気になる作品をチェックするようにしなくちゃいけない。
ここも手を抜かないことが大事。
計画を立てるところから、映画の快楽が始まるのだと心得よ!

まずは閉館前に、銀座のシネパトスへ行かなくては。
きっと、あそこの椅子は昔のままなんだろうなぁ・・・。

2012年11月13日火曜日

マダムギターパンダ/びっくりしたな、もう@紅布

マダムギターパンダ初CD「新しい人」発売記念ライブ
11/7(水)新宿 レッドクロス
マダムギターパンダ/びっくりしたな、もう
開場19:00/開演19:30
前売2500円/当日3000円



びっくりしたな、もう
ステージのセッティングを見て、3ピースのバンドだろう、
ということだけは予想できた。

時間になり、メンバー3人が出てきた。
やっぱり3ピースだ。
あれっ?あのギターの人、見たことある顔だわ。
んん?桜井さんに似てる・・・いや、本人か!?

というわけで、なんと真心ブラザーズの桜井さんだったのよ。

びっくりしたな、もう は、桜井さんが、
真心でデビューする以前に活動していたバンドで、
5、6年前から再び、ゆるーいスケジュールで活動再開したらしい。
桜井さん以外のお二人は、音楽が本業ではないそうだ。

印象はPOPなんだけど、なんだか一癖あるメロディー。

私はちょうどベース前にいたので、ベースの人を見ていた。
地味ながらも可愛らしい、私の好みのルックスだったので。
そしたら、また、指弾きの2フィンガーが、
たいそう色っぽい動き方をするので、ヨダレ垂れそうだった。
はぁはぁはぁ・・・。

何年かぶりに作ったという新曲が、なんと8分の5拍子という
変態・・・じゃない、変拍子の曲で、
プレイする方も「アドリブ禁止令」が出されたり、
みなさん、緊張の面持ちでしたわ。
でも、演奏が始まってみると、意外にもノりやすくて、
変態POPな感じが楽しかったなぁ。

最後の曲だったかな?
ファンキーなリズムギターが、すっごくカッコ良くて、
このときばかりは、桜井さんを凝視してしまった。

真心ブラザーズって、どうしてもYO-KINGの方に注目してしまうので、
今まで気付かなかったけれど、桜井さんって、
こんなに歌もギターも上手かったんだぁ・・・と、
失礼千万なことを考えていた。



マダムギターパンダ
はい、お待ちかねのマダムギターパンダ。
マダムギター(長見順さん)と、ギターパンダ(山川のりをさん)の
ユニットである。

順さんは、真っ白のマリー・アントワネットみたいな
大仰なドレスをズルズルと引き摺りながら定位置へ。
素敵マダムですわ。
パンダは、きっちりパンダのまま袖から出てきた。
やっぱりデカイ!ジャイアント!

マダムギターパンダ、二人組みのロックバンドです。
新人です!よろしく!的な挨拶の後、
『マダムギターパンダのテーマ』でスタート。
後のセットリストは、基本的にデビュー・アルバムからなので、
とくに書かなくてもいいかな。

パンダの脱皮パフォーマンスも相変わらず。
しかし、1回分だけで、すぐにカルピス・プレスリーへ。
キャーーー!と、心の中で黄色い歓声を上げた。
のりをさんのプレスリー姿、エロくて大好きなんだよ。

のりをさんのグレッチ、直アンプの音が、好きなんだよなぁ。
今日もハイハットを踏みながら、器用にギターを弾いてる。

順さんのギターは、ブルースの濃い音色。
一つ一つの音を体から振り絞るようにして弾くところが、カッコいい。
あの右手の親指が、渋いわぁ。

順さんがピアノへ移動して、福島3部作。
『東北新幹線』『フルーツライン』『港にて』
こういうの聴くと、順さんの“福島愛”がジンジンと伝わってきて、
ちょっぴり泣けてしまう。
ただでさえ、順さんの歌声には無条件に涙腺が緩んでしまうというのに。

でも、やっぱり、ギターを弾いてる姿が好き。
マダムギターなんだもん。
『SMOKE』とか『補修工事』のノリが、すごく気持ちいい。
のりをさんが、ときどき順さんの方を見て、
嬉しそうにニコニコしながら、弾いてるのが新鮮だった。

『廃人』のときの、のりをさんのかすれ声が
たまらなくセクシーでしたわ。
あの苦しそうなところが、たまらん。

「次の曲で最後です」ってことで、
お馴染みの「ロクスケ!」も5、6回出たかな?
順さんも果敢に挑戦なさってましたよ。
「ロクスケ!」と言ったときの満足そうな表情が可愛かった。
たしかに、アレは、言ってみたいよね。



アンコールは、桜井さんも一緒に登場。
まったく打ち合わせしてなかったらしく、お店の方が、
慌ててセッティングをしていた。

『ジョニー・B・グッド』のメロディーに、
「のりをくんGO!GO!」と、のりをさんの自叙伝風な歌詞をのせて。
ギタリスト3人でのソロ回しが、とっても楽しげ。
いいなぁ。

次に、順さんメインで、ドロッとブルースなフレーズが始まったので、
何?何?と、思ってると『舟唄』でしたわ。
前に、パンチの効いたブルースのライブで聴いたなぁ。
順さんが「お酒はぬるめの燗がいい~」と歌い出したときの
桜井さんのビックリ顔からすると、本当に打ち合わせしてないのが、
よーく、わかった。
でもって、ここから、曲が『We Will Rock You』的に
展開していくのだが、ステージの桜井さんを始め、知らない人たちは、
やや面食らっていたようだ。
面白かったな~。



とても、いいライブだったんだけど、
ハコ的には、ちょっと違和感があったかなぁ。
オールスタンディングではなくて、テーブルがあって
飲み食いできるハコの方が似合ってるような気がするんだよなぁ。


2012年11月8日木曜日

一万五千円

誰しも、心当たりがあるのではないかと思いますが、
恋をすると饒舌になるのですよ。

おまえ、いい歳して恋し過ぎ!!!
と、言われると面目ないのですが、仕方ないのですよ。
だって、私、惚れっぽいんだもの!(←開き直り)

とにかく、フットワークの軽さには自信があるので、
早速、寺尾さんをググって、音楽活動の状況などを調べた。

ライブは、年に数回ほど六本木のライブハウスで行っているらしい。
ただし、オリジナル曲ではなく、洋楽のカヴァーLIVEのようだ。
そこでは、自らベースギターを弾いているらしい。
12/30のライブは、HPにて現在予約受付中なのだが、
その料金が、15,000円(飲食代、サービス料別途)なのだ。
がちょーーーーん!

15,000円ってことは、自給750円の皿洗いを20時間やらなきゃならない。
たとえば、1日3時間のバイトなら7日間だ。
週に3回シフトに入ったとしたら、2週間とちょっと。
・・・なんてことを、ついつい計算してしまう。

いい大人が、たかだか15,000円でショックを受けるのもどうかと思うが、
普段行ってるライブの平均単価が、3,000円~4,000円なのだから、
そりゃ躊躇するでしょ?

しかも、場所は六本木のオシャレなライブハウス。
バンドTにデニムとスニーカーっちゅうわけにはいかない。
それなりにシックな格好して、出かけたいじゃないですか。
なんてったって、初恋の人に会いにいくんだから。
となると、更なる出費が見込まれる。
あいたたたた・・・。

そりゃ、あのセクシーガイが、エロい音を響かせる楽器を持って、
あの渋い声で歌ってくれて、それを間近で見られるのなら、
15,000円っていうのは、決して高くはないのかもしれない。
・・・と思ってはみたものの・・・。

今回は諦めることにする。
29日も31日もライブだし、さすがに年末3連チャンだと、
家族に申し訳ないからね~。

でも、近いうちに絶対行くぞ。
15,000円握り締めて。

それに来年は「Reflections」から30周年ということで、
なんかスペシャルな企画があるんじゃないかなぁ・・・と、
ほんの少し期待しているのだよ。



↑ なんて書いてしまったけれど、完全に計算がまちがっとる。
とっくに30周年は過ぎてるじゃないか。
こんな簡単な計算ができないなんて、頭がイカれてる証拠だな。


2012年11月7日水曜日

「Re-Cool」に、Re-Fool

すーかっり、ハマってしまったのでござる。
なんていうのかなぁ・・・。
昔の恋人と再会して、かつての思いが蘇り、再びときめいてしまう
・・・というような、禁断の同窓会的なシチュエーションに近いかも。

そんなわけで、TSUTAYAで貰った無料クーポンを使い、
いそいそと「Re-Cool Reflections」を借りてきた。



「Re-Cool Reflections」 寺尾 聰




















これが発売されたのは、もう5年も前なんだね~。
当時、寺尾さんは60才ですか?
(あっ、エンケンと同い年なのね)




でもって、いそいそと聴いてみた。


“新たなアレンジでレコーディング”されたときいて、
私の頭に浮かんだイメージは、クラプトンのアンプラグド。
ギターがギュインギィン鳴ってた『愛しのレイラ』が、
テンポも落として、泥臭めのブルースに仕上がってたような、
ああいうリアレンジを想像していた。
クラプトンのアンプラグドも大好きだし、
それはそれで、なかなか面白そうだよなぁ・・・なんて。
しかし、予想は大きく裏切られた。

たしかにアレンジは変わっているんだけれど、
主題となるようなフレーズや、リズム、テンポは、
そのまま生かされているのだ。
だから、その曲の持つ雰囲気や世界観に大きな変更はない。

なのに、いや、だからこそ、なのか。
よりダイナミックに、よりスリリングに、よりスタイリッシュに、
ドドーンと鳴っているんだよ。
もともと、とてもカッコいい楽曲だったんだけど、
その輪郭をくっきり浮き出させるような鮮やかさで響く。

かつての自分自身に挑みかかっていくような力強さ。
まるで、自己ベストを更新し続けるアスリートのようだ。



オリジナル版に対する唯一の不満・・・というか、
どうにも気になるところが、歌と演奏のバランス。
イントロや間奏部分での素晴らしいプレイが、
歌のバッキングになると、途端にトーンダウンしてしまい、
やや曲が分断されてるかのような印象を受ける。
想像するに、当時の歌モノの常識として、
そうせざるを得なかったのかなぁ、と。

さすがに、このRe-Cool版では、そこが見事に解消されていて、
寺尾さんのヴォーカルが、一つの楽器のように
曲の中に溶け込んでいるのが気持ちいい。

何より、寺尾さんの声がいい。
25年たっても、びっくりするくらい変わってないのが、嬉しい。
少女だった私が恋したときの、そのままの声。
素敵だなぁ・・・。

このときめきで、一週間は夕飯抜きでも生きていけるな。


2012年11月5日月曜日

Reflections

あれは、12歳の誕生日だったと思う。
ばあちゃんに、プレゼントは何が欲しいかと訊かれて、
これを買ってもらったのだ。
私が生まれて初めて手に入れたLPレコード。


寺尾聰 「Reflections」





















ついでに言うと、私、恋していたのよ。寺尾聰に。
小学生の分際で。生意気でしょ?




どういう巡り合わせなのか、この一ヶ月ほどの間に2回も
この「Reflections」を思い出す機会があったのだ。
最初は、フラカンのラジオで。
ミスコニが収録曲の『HABANA EXPRESS』を選曲してて、
竹安が初めて買ったLPが「Reflections」で、私と同じ!っと、
ちょっと嬉しくなったりした。

2回目は、コレクターズのコータローさんのTweetで。
「名曲だらけ」と評されている。

そして、コータローさんもTweetしているように、
バックで演奏しているバンドが、パラシュート・・・というらしい。
私は初めて知ったのだけれど、音楽好きの妙齢のご婦人お二人から、
教えていただいたのだ。
どうやら、知る人ぞ知る実力派のバンドのようである。

これは、聴きなおしてみる価値あり!と思い、近所のTSUTAYAへ。
意外と、こういうのは置いてあるんだよねぇ。
(ヴァン・ヘイレンやポール・ウェラーは置いてないけど)

で、30年ぶりに聴いてみた。
そして、ぶっ飛んだ!
何もかもが完璧で、カッコいいのである。
と、一言で終わらせてしまうのもアレなので、
ここからグダグダと書くけれど、どう転んでも結論は変わらないから、
時間のない方は、読まなくてもよろしい。(←エラそう?)



とにかく、サウンドが素晴らしい。
ちょっと歌モノとは思えない、フュージョンっぽいサウンドで、
その洗練されたアレンジに呆然としてしまう。
私は、こんなのを小学生のときに聴いていたのか・・・と。
確かに、楽器個別の音色なんかが当時主流のものだったり、
わっ、懐かしい!というようなところもあるけれど、
ぜんぜん古臭さを感じないことに驚く。
めちゃくちゃカッコいいじゃないか!

パラシュートのメンバーでもある井上鑑氏が全曲アレンジを手掛けていて、
一曲一曲のクオリティの高さはもちろんのこと、
アルバム全体を通してのバランスの取り方が見事なのだ。
それぞれ個性的なアレンジを施された曲が集まっているのに、
なぜかトータルで聴くと、一つの世界観に集約されている。
まるで、映画のサントラみたいだ。

映画音楽のようにドラマチックに仕上がってる要因は、他にもある。
リリック、歌詞である。
10曲中、松本隆氏の作詞が3曲。
その内には、大ヒット曲の「ルビーの指環」も含まれている。
残りの7曲はすべて、有川正沙子氏の作詞。
そして、この有川氏の仕事ぶりが、ハマっているんだよね。

“大人の恋”というようなコンセプトがあったのだろうとは思うが、
大人の男の恋心が、スタイリッシュに歌われていて、
ただ、スタイリッシュといっても、
昨今の安っぽいテレビドラマのような軽薄さはなく、
ドキドキするほど艶かしい、男の色気がムンムンなのである。

「愛する人を失って悲しみにくれる男」だとか
「ひと夏だけの恋の激しさに翻弄される男」だとか、
これでもかというほど、女心をくすぐる男性像、シチュエーションを
寺尾聰という役者に与えている。
そして、演じる方もそれを見事に演じきってるわけだ。

有川氏が寺尾聰に惚れ込んで、
これらの作品群を生んだのではないかという見方もできるけれど、
そう単純でもないような気もする。
もちろん、寺尾聰という人物からインスパイアされて、
そういう男性像が描かれたという面も多々あるだろうけれど。

寺尾聰という、大人の色気を持ち合わせた男を媒介として、
世の女たちに夢を見せてあげようとしたのではないだろうか。
歌の中に出てくる女を自分と重ねて合せ、擬似恋愛を
体験させようとしたのではないか。
男の一人称で語りながらも、
そこには、女を夢中にさせる男性像が描かれているのだ。
どう?素敵でしょ?恋しちゃうでしょ?と、
女心を射抜こうとしている有川氏の辣腕ぶりには、平伏してしまう。

当時、ませガキの小学生だった私は、
まんまと、この戦略的な大人っぽさに参ってしまったのだ。
今にして思うと、よくも、こんな大人の色香が理解できたものだと
驚きである。
きっと、子供特有の鋭さで、何かを嗅ぎつけていたんだろうなぁ。

・・・というようなことを、30年ぶりに聴いて感じたのである。
ちょっとは大人になったかな?

しかし、今聴いても、ときめくことに変わりなし!(結論)




蛇足。
今回借りたCDは「Reflections(+4)」という最新のリマスター盤で、
オリジナルのアルバムには収録されていないシングル曲などが4曲、
ボーナストラック的に収録されていた。
録音時期が「Reflections」より古いということもあるかもしれないが、
楽曲のクオリティの落差に愕然としてしまう。
結果的に「Reflections」の質の高さが、
より一層際立つという意味においては、価値があったかもしれないが、
ちょっと・・・どうなんだろう?
同じ盤に収めることに、疑問を感じてしまうなぁ。



さて、この勢いで「Re-Cool」版も聴くべきでしょうか?
TSUTAYAにあることは確認済みなんですけど。

2012年11月4日日曜日

BROOK or BONNET?? VOL.1@下北沢GARDEN

『BROOK or BONNET?? VOL.1』
10月28日(日)下北沢 GARDEN
THE GROOVERS/TAIJI at THE BONNET(佐藤タイジ、ウエノコウジ、
阿部耕作、うつみようこ、奥野真哉)
18:00開場/18:30開演
前売4,000円/当日4,500円(ドリンク別)



本日も、とても楽しみな対バンのライブ。
仲良し対バンの好カード。

いつもの相棒と、その相棒が手に入れてくれた良番チケットを持って、
地下の階段で開場を待っていた。
最前列確定の番号なので、ウキウキ、ソワソワとしていたのだが、
な、ん、と!
イープラスの先行チケットの方が先に呼ばれたのだ。
・・・愕然とうなだれる二人。
当然のごとく、箱チケが優先だと思い込んでたからね~。
かなりショック・・・なんだけど、
いい大人がそんなことくらいで狼狽えるわけにはいかない、
「そいうこともあるよねぇ」なんて言って、平気ぶってみた。

けど、ありがたい事に、イープラス先行の人は20~30人だったので、
その後の入場でも、なんとか最前列をキープできた。
下手サイドはちょっと層が厚かったので、上手のボブさん前へ、イン。
よかった、よかった。



THE GROOVERS
あれ?登場のSEあたっけ?
なんか記憶が曖昧なんだけど、SEが無かったような・・・。

一彦さんは、ペイズリーのシャツで、いつもに比べると地味だったな。
いや、一般的にはじゅうぶん派手だけど。

一曲目『Groovaholic』でスタート。
そうそう、このグルーヴを待っていたのだ。
まさに、Groovaholicの私にとっては、麻薬のよなもの。
しかし、ジャンキーはそう簡単に満足しないからね。
もっと、もっと、もっと・・・!!

そこへ、あの駆り立てるようなギターリフ。
『独断』
キャーーー!!
大好きな曲!もう、無条件にアガる!
思わず、逆サイドにいる一彦さんの手元を凝視してしまう。
あのキレキレのカッティングを弾くところが、
どうしても見たくなってしまうのだ。

『放浪の運命』は、ライブでは定番の
セカンド・ラインのリズムアレンジで。
このときのボブさんのステップが可愛らしいのだ。

「タイジくんと初めて会ったのは、
お互い専業のギタリストだった頃で・・・」というMCは
どのタイミングだったっけ?
「オレはヴォーカリストをクビにしたことはない!」
と言っていて、このときは特に何も思わなかったのだけれど、
後日、この二人の対談を読んで、
このときに、そういう話題が持ち上がっていたのね、と納得。

『12月だけのクリスチャン』
少し驚いた。
12月のワンマンでしか聴けないものだと思っていた。
だから、何故、今日のライブで?と。
今年は12月に恒例のワンマンが、年明けになってしまい、
演るタイミングがなくなってしまったから、
ただそれだけのことなのかもしれない。
でもね、私は深読みしてしまうのだ。

今の日本の情勢を冷静に考えてみると、
かなり、厄介なことになっているのは明らかである。
どこかの知事とか市長とか元総理とかが出てきて、
日本を右傾化しようとしてるのに、それを批判するマスコミは少ない。
「白紙委任」なんて言葉を聴いたときには、
その恐ろしさに震え上がったのは、私だけではないはずだけれど。

こんなときだからこそ、の選曲だったのではないのか?
「悪いようにはしない」と言われ、戦場に連れ出され、
酷い目にあっていく、この歌の主人公みたいなことが、
現実に起こるかもしれないのだ。
黒い服の男に気を付けろ、と言いたかったのではないか?
そういうメッセージだったのではないか?
少なくとも、私はそう受け止めることにした。

なんて、ちょっとブルーな気分が『ロザリー』で吹き飛んだ。

『ARROW』も、意外な選曲。
ライブで聴くのは、初めてかもしれない。
あれ、ひょっとして・・・?と思い当たったことがある。

一月ほど前、一彦さんがダイノジのUst番組に
ゲストで出演したことがあって、このとき大谷さんが、
「SETZNA」の一曲目のイントロがカッコいい、と言ったのだ。
つまり『ARROW』のことだよね。

新曲・・・、一度どこかでタイトルを聞いたことありそうなんだけど、
ぜんぜん思い出せない。
もうライブで何度も聴いてる、沁みるバラード。
イントロのギターが美しく優しい響き。

ピックで弾いた後、指で爪弾くために、
握った掌の中へピックを移動させ、指で爪弾いた後、
またピックを持ち直す。
この2小節単位で繰り返される一連の動作が、あまりにも優雅で、
息を飲んで見つめていた。
このイントロがずっと続けばいいのに、と思いながら。

『最後の煙草~』が、なんだがせつなかったのは、
まだまだ、グルーヴァーズに満たされてなかったから。
やっぱり、ワンマンじゃなきゃ満足するのは難しいなぁ。


Groovaholic
独断
放浪の運命
12月だけのクリスチャン
ロザリー
欠けた月が出ていた
ARROW
SAVANNA
グッド・モーニング・シャングリラ
(新曲)
最後の煙草に火をつける



TAIJI at THE BONNET
スターウォーズのテーマが流れる中、
メンバー全員、ジェダイのマントを頭から被って登場。
すぐに脱いじゃったけど。

私の前にはようこさん。
デッカイ男子ばかりの中にいると、いかにも紅一点、
衣装も派手派手で可愛らしいなぁ。
「LAメタル」と言われてた、アニマルプリントのスパッツとか、
カラフルでステキ。(これで葛城ユキもいけるはず!)
ようこさんのギターは初めて見た、SG。
ピックアップが一つだったから“ジュニア”でしょうか。

BONNETの曲は知らないけど、
みんな、すーっと入ってくる感じで、気持ち良く聴けた。
そして、ようこさんの歌が好きだなぁ、と再認識。
なんか落ち着くというか、懐が深いというか、
ようこさんの歌声が聴こえるだけで、妙な安心感があるのだ。
あっ、メインボーカルはタイジ氏なんだけどね。

MCがダラダラと面白いバンド、という評判をきいていたのだが、
なぜか、今日はそれは封印らしい。
(それでも十分面白かったけど)

12月20日の「THE SOLAR BUDOUKAN」の告知は力入れてたな。
この日は伝説のライブになるから、って。
一応、うぉーー!とノッておいたけれど、
その日はフラカンなので行けないのである。
ゴメンナサイ。

結局、ウエノくんは、
「さっきサイゼリヤで喋りすぎた」と、一言は発しただけだった。



アンコールで、
ジェダイマントに身を包んだ一彦さん登場。
これも、一瞬で脱いでしまったけれど。

『SWEET JANE』をようこさんの英詞バージョンと、
一彦さんの訳詞バージョンの両方で。

そうそう、このとき奥野さんとようこさんが
ポジションを入れ替わっていて、奥野さんがギター!!!
すごくギターが小さく見える!

一彦さんとタイジさんが向き合ってギターソロ合戦。
こういうの見てると微笑ましい。
ウエノくんも、この二人を見て「まったく・・・」というように
笑って首を振っていた。
そして、奥野さんは、果敢に絡みに行った。
ギタリスト三つ巴、面白い。

エキサイトし過ぎたのか、タイジさんの5弦が切れてた。
それほど激しいギタープレイだったのね。



いやー、いい対バンだったね。
この顔合わせで、また演って欲しいなぁ。

2012年11月1日木曜日

PAUL WELLER JAPAN 2012@Zepp DiverCity

PAUL WELLER JAPAN 2012
10月27日(土) 東京・Zepp DiverCity
17:00開場/18:00開演
1F立見 8,000円/2F立見 7,000円(ドリンク代別)
ゲスト:くるり




さて、私が書くポール・ウェラーのレポなんて
誰か読みたい人いるのだろうか・・・と思いながら、
自己満足のために書きますよ。

ポール・ウェラーを聴き始めたのは、スタイル・カウンシルから。
ソロも3rdアルバムまでは、マメに追いかけて聴いていた。
ライブも20代の頃に、2回行ってるはず。
NHKホールと赤坂BLITZだったと思う。
で、10年くらいブランクがあって、3年前の来日のとき、
ふと思いついて、ライブに行ったのだ。

10年も聴いてないけど大丈夫かなぁ、なんて思いも
吹っ飛んでしまうくらいに、ライブは楽しかった。
もう50歳だし、枯れた感じになっちゃってるかと思いきや、
すごくエネルギッシュで若々しかったのが嬉しかった。

あれから3年。
あいかわらず、新譜もちゃんと聴けていない、
ゆるーいファンのままだけれど、
ライブだけはとても楽しみにしていたのである。


まだ出来て間もないZepp DiverCityは、もちろん初めてのハコ。
本家の方のZeppの造りが嫌いなので、こっちはどうなんだろう、と
恐る恐るやってきた。
本家の方より横幅が広めで、その分、縦の奥行きがつまってる感じ。
こっちの方が断然いいな。

私は500番台で入場したのだけれど、
まだ、フロアは閑散としていて、
一段高くなった柵前をゲットすることができてラッキーだった。
男性が多いし、外国人の方も大勢見かけたし、
私の背では、段上じゃないと何も見えないかもしれないもの。
実際、そこから見てても、私の視界を遮るような
背の大きい人が何人もいたからね。



まずは、ゲストのくるりから。
バンドは5人編成。
Dr、Gt、Baの他にチェロとトランペットという異色な編成。
正確にはドラムはサポートらしい。
あらきゆうこさんに似た叩き方の人だなー、と思って見てたら、
なんとご本人で、ビックリした。

うーんと、楽曲とかまったく知らないのだけれど、
オルタナっぽい感じだったかな。
とにかく、トランペットが、やたらとドラマチックでしたわ。

岸田くん曰く、
「美容院にポール・ウェラーの写真を持って行って『こうして下さい』
と言って、上手くいった試しがない・・・そんな世代です」と。
日本人で似合う人って、まず、いないだろうなぁ・・・。

わりと、あっけなく終わってしまった印象。
持ち時間は、30分ほどだったのね。



ここで30分の休憩に入るというアナウンス。

この間に、不具合のあったらしい照明の交換作業をしていた。
滅多に見られない光景なので、面白かったなぁ。
作業が終わって、ライトが点灯した瞬間、
オーディエンスから拍手が巻き起こってた。
転換中って、暇だからねぇ、見入ってた人が多かったんだね。



さて、いよいよポール・ウェラー登場で、会場からは凄い歓声。
さすがに、くるりのときはみんなおとなしかったもんね。
・・・私も含めて。

事前に読んだレポによると、初日はジャケットを着てたらしいけど、
今日はジャケなし、薄いブルー系のTシャツ。
髪は綺麗なシルバーで、前髪ぱっつんのモッズヘア。
(後ろ髪はやや長めだけど)
いやー、何してもオシャレな人がやればオシャレなんよ。
これが竹安だったら、どれほどツッコまれることか・・・。

ギター持って立ってるだけで絵になる54歳。
3年前よりも体型が締まったようで、とても若々しいし、
とにかく、カッコいい!

バンドの編成は、
ギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッション、
というオーソドックスなもの。

メンバーについては、よくわからないのだけれど、
オーシャン・カラー・シーンのスティーヴ・クラドックが
ギターを弾いていた。
といっても、私、オーシャン・カラー・シーンは聴いても、
クラドック氏の顔は、よく知らないので、事前の情報によって、
知っていただけのことなのだが。
ただ、前回の来日時もバンドメンバーだったはずだから、
なんとなく見覚えはあったかな。

このクラドック氏が、なかなか渋いギターを弾くんだよね。
・・・と、素人のクセに偉そうなこと言ってごめんなさい。
ワウギターが格別にカッコ良かった!(←ただのワウ好き発言)
ちなみに、クラドック氏のステージドリンクはワインでしたわ。

ドラマーさんが、コーラスの上手な人で、
ドラミングの方も歌心のある人だなぁ・・・と、
またまた、偉そうなことを思いながら観ていたのだが、
それもそのはず、ソロのシンガーソングライターとしても
活動しているらしい。
物販に、彼のCDが置いてあったよ。

曲間のインターバルはほとんどなく、次から次へと
曲が演奏されていく。
もう、目まぐるしいくらい。
その上、ウェラー師匠もクラドック氏も、
1、2曲ごとにギターチェンジするものだから、
ギターテックの人がたいへんそうだったな~。

途中で、何曲かはギターを置いて、
下手にセッティングされてるキーボードへ移動して演奏。
このときが、ウェラー師匠の煙草タイムと化していたが。

個人的には、ウェラー師匠に一番似合うのはSGだと思っているので、
テックの人がSG持ってくると、うきーーーっ!とアガる。
ウェラー師匠がSGのときは、クラドック氏もSGを持ってる確率が高く、
ツインSGという光景が、なんとも素敵だったわぁ。

ギターのネックを持ち上げて、ブンと振り下ろしながら、
ギャンと弾くアクションが、なんとサマになることか。
私の目がハートマークになる瞬間の連続。
煙草をくわえてる姿もカッコ良かったなー・・・。

たいへん英語が不自由な私だけれど、ウェラー師匠が話す言葉を
なんとか理解しようと、MCも極力、集中していた。
(それでも、てんで理解できてないのだけれど)
そしたら「スタイル・カウンシルの曲を演るよ」的な発言が
聞き取れたように思ったら、フロアからどよめきが上がった。
曲は『Long Hot Summer』

何年か前までは、ジャムの曲も、スタカンの曲も
ライブでは演らなかったんだよね。
前回来日した頃から、それらが解禁になったような気がする。
でも、私が観に行ったときには、スタカンの曲は演らなかった。
THE JAMの『Town Called Malice』は聴けたんだけれど、
その前日のライブでは『Shout To The Top』を演ったと聴いて、
どれほど悔しかったことか・・・。

というわけで、スタカンの曲をライブで聴くのは初めてだった。
感動しつつも、あまりにも“今”のライブ・ステージに
違和感なく融け込んでいることに驚いた。
もちろん、アレンジとかそういうことなんだろうけれど、
全キャリアを通しての、現在に対する確固たる自信が窺える。
そこがカッコ良さの源泉なのかな。

実は、このライブの最初の方でも、THE JAMの『Start!』を
既に演っていたのだけれど、私はこの曲を知らなかったので、
サラッとスルーしていて、全く気付かないくらいに自然だったのだ。

当然、Newアルバムの曲も多く演ったのだけれど、
ジャム、スタカン時代から、ソロの初期の曲も多かった。
しかし、どの曲も同じ熱量(しかも相当な熱さ)でプレイされて、
今現在のポール・ウェラーを感じさせてくれるものだった。
もう、大満足。

アンコールの1曲目で、スタカンの『My Ever Changing Moods』
私の脳内では、元奥様のコーラスが聴こえるようでしたわ。

この1回目のアンコールで5曲も!
やっぱり、ジャパンツアーのファイナルだからなのかな。
ウェラー師匠、ノリノリだったみたい。

ダブル・アンコール。
今日のラストの曲は『The Changingman』
これはちょっと意外。
絶対に『Shout To The Top』だと思ったんだけどなぁ。
でも、この曲も好き。
というか、この頃の音源が一番好きなんだよね、うん。
だから、この曲が大事に扱われていることがとても嬉しかった。

でも・・・『Shout To The Top』も聴きたかった!



01. Up The Dosage
02. That Dangerous Age
03. 7&3
04. Start!!
05. Friday Street
06. The Attic
07. The Cost Of Loving
08. When our Gardens Over Grown
09. Kling I Klang
10. All I Wanna Do
11. How Sweet It Is To Be Loved By You
12. Pieces Of A Dream
13. Fast Car Slow Down
14. Moonshine
15. 22 Dreams
16. Long Hot Summer
17. Dragonfly
18. Into Tomorrow
19. Above The Clouds
20. Foot Of The Mountain
21. Around The Lake
---encore1---
22. My Ever Changing Moods
23. From The Floorboards Up
24. Porcelain Gods
25. Stanley Road
26. Whirlpools End
---encore2---
27. Broken Stone
28. The Changingman




前述のとおり、全アルバムを聴いてるわけじゃないし、
曲名が覚えられないという情けない頭の持ち主なので、
セットリストなんてものが、覚えられるわけがない!
というわけで、よそから拝借してきたセトリ。

当初の予定から変更があったらしく、
ちょっと違ってるセトリも見かけたけれど、これが正解。
・・・のはず。



ちなみに当初の予定では、
ラストが『Shout To The Top』だったらしい・・・。
うっきーーー!!!