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2013年2月5日火曜日

佐野元春&THE COYOTE BAND@市川市文化会館

佐野元春&THE COYOTE BAND WINTER TOUR 2012-2013
2013年2月2日(土)
市川市文化会館 大ホール
17:00開場 18:00開演
全席指定¥7500(当日券¥8000)



まず最初に。
元春のワンマンライブへ初めて行った初心者です。
知ってる曲も限られているので、セットリストはわかりません。
でも、セットリストに触れる内容の記述をしてますので、
知りたくない方は、先は読まないようにお願いします。
元春がツアーの中で、どれくらいセットリストを変えたり、
または変えなかったりするのかも、よくわかっていないので。

もう一度太字で。
※セットリストに触れる内容の記述があります!




去年のOTODAMAで、元春との(一方的な)邂逅を果たし、
その感動を引き摺ったままでいたところ、このツアーの発表があり、
なんと、私の地元のホールへやって来るというではないか。
そりゃ行くでしょ。行かないなんて選択はないでしょ。
ということで、早々にチケットを確保したのであった。

家からバスを使って20分ほどのところにある、市川市文化会館。
この辺りに住んで、もう20年ほどになるけれど、
何度も前を通ってはいたけれど、中に入るのは初めて。
入ってみると、2000人ほども入る、立派なコンサートホールだった。

チケットの番号を見たときから、うすうす気付いてはいたのだが、
やっぱり・・・端っこの席だった。
私が指定席をとると、かなりの確率で、
端の方の席になってしまうというジンクスは、
今回も破られることはなかったね~。

しかし、そこは、ちゃんとしたホールなので、
端の席でもステージは見易く、音響もいい。
開演前のBGMがプリテンダーズだったのも嬉しかったな~。
クリッシー・ハインドの歌声は温かいミルクティーのようだ。

コヨーテバンドのメンバーが出てきて、最初の音を出す。
うわっ・・・。
この時点ですでに、涙が溢れてきた。
自分でもよくわからないのだけれど、
ホールの音響がよくて、素晴らしい響きだったのが嬉しくて、
ただそれだけのことなのに、泣けてきたのだ。
まだ、元春が登場する前だというのに、
どうなってるんだ?私の涙腺は。

と、元春が登場。
黒のグレッチを持っている。
あれはブラックペンギンかな~?
なんて、頭の半分は冷静に働いているのに、壊れた涙腺は、
治る気配はなく、ボロボロと目から水が溢れ続けている。
だって、だって。
一曲目が『アンジェリーナ』だったんだもん!

昨夏のOTODAMAで、子供ばんど待ちしているときに、
メインステージの方から漏れ聴こえてきた『アンジェリーナ』
小さな声でそっと口ずさみながら「いつか、
元春が歌うアンジェリーナをちゃんと聴かなければならない」
と、密かに思っていたのだ。
今日のライブのチケットを手に入れた動機も、
間違いなく、その想いの延長線なのである。

その『アンジェリーナ』から始まるだなんて、
私にとっては、奇跡としか言いようがないではないか。
そして、さらに暴走を続ける涙腺。
みっともないったらありゃしないのだが、
そこはホールの片隅。
誰も気に留めもしないだろう座席の位置でよかった。

元春は頗る上機嫌のように見えたけど、
あのくらいのテンションがデフォルトだったりするのだろうか?
「市川でライブができて嬉しい」とか「市川は5年ぶり」とか、
何度も「市川」と言ってくれるで、地元民としては嬉しかったなぁ。
いつも、都内のライブか、縁のない地方への遠征ばかりだから、
そういう感覚が、イマイチぴんとこなかったんだけど、
アーティストがその地名を言ってくれると、テンション上がるね~。

MCの元春節もステキ。
あの、日本人離れした物言いが、嫌味じゃなくキマる人は、
そうそういないよね。
古くからのファンが年を重ねて、オジサン、オバサンになったことを
「男の子は、肩幅が広くなってスーツが似合うようになった」
「女の子は、お化粧が上手になった」
なんて形容をするんだよ。
カッコ良すぎて、涙が出そうだったよ。
あっ、すでに垂れ流しになってたんだったわ。

「新しいアルバムができました。
その報告をこのライブ会場でできることが、とても幸せです」
と、その新曲たちも数曲披露された。
その中で、
  街中に音楽は溢れているけど
  誰も君のブルースを歌っていない
うろ覚えだけれど、そんな歌詞が耳に残って、ハッとなった。
そのいうことだったんだ!と、心の中で叫んでいた。


つい数日前に観たライブで、
お目当ての対バン相手だった若手バンドのステージを観ながら、
どうにも居心地が悪くてしょうがなかったのだ。
演奏も良いし、パフォーマンスも悪くないし、
勢いのあるいいバンドだと思ったのだけれど、
発せられる熱狂の渦中へと飛び込んでいく気にはなれなかった。

それは、つまり、そういうことだったんだ。

あれは、私のブルースではなかったんだ。

そうだ。
音楽を聴くときは必ず、そこに自分のブルースを求めている。
“誰か”のブルースではなくてね。

あの日からなんとく、もやもやとわだかまっていたものが、
ストンと落ち着くべきところに収まった気がした。
ありがとう、元春が答えへと導いてくれたね。


想像していたより、MCを多くはさみながらも、
ライブは流れるように、流麗に進んでいく。
私みたいに、そのキャリアのごく一部しか知らないファンでも
楽しめるような、鉄板なセットリストがありがたかった。

『ヤング・ブラッズ』なんて、音源も持ってないし、
聴くのは何十年ぶりだったかもしれないのに、
サビはちゃんと歌えるもんだね~。
十代の頃の記憶というのは、頭の奥の方でチルド保存されてるのか、
取り出してみると、いつまでも鮮度を保っているんだよね。

コヨーテバンドのギター、上手側は、深沼さん。
ゴールドのレスポールで素敵だったわ~。
ギターソロで、前に出てきて弾く姿が、
一彦さんと同じスタイルで、美しかったんだよね。
魅せるギタリストは、ああじゃなきゃいかん、というお手本のよう。

そうそう、端っこの私からは、全然見えてなかったんだけれど、
パーカッションで、スパム春日井さんが参加されてたようで。
最後の最後、ステージ前に全員が整列したときに
初めて、その存在に気付いた。
ずっと、パーカッションの音は同期音源なのかと思ってたわ。
失礼いたしました。
今日の衣装も例の洋品店のオジサンに揃えてもらったのかなぁ。

終盤、赤のストラトを抱えてジャンプする元春の姿が、
本当にカッコよくて、涙が出た。(←またか!)
それに、シャウトが美しかった。
高くて透明感のある綺麗なシャウトは、私の胸にもよく響いた。
そして、涙が・・・(←もう、いい)


たっぷりと2時間半近くも演ってくれたんだなぁ。
と余韻に浸りながら、泣きっぱなしでボロボロになった顔を隠して、
コソコソとバスに乗り込む。
9時には家のドアを開けていた。
うーん、ライブ会場が近いってのは素晴らしいことだなぁ。
アーティストのみなさん、ぜひ市川市文化会館へお越し下さいませ。




※2/28追記 セットリスト


アンジェリーナ
スターダスト・キッズ
ダウンタウンボーイ
星の下 路の上
夜空の果てまで
世界は慈悲を待っている
虹をつかむ人
La Vita e Bella
ポーラスタア
彼女
ワイルド・ハーツ
ハートビート
コンプリケイション・シェイクダウン
99ブルース
ヤング・フォーエバー
約束の橋
ロックンロール・ナイト
サムデイ
ヤングブラッズ

ジュジュ
悲しきレイディオ


2 件のコメント:

  1. はじめまして

    私も市川行きました
    終わった瞬間泣き崩れてしまったほど、かっこよかったです。

    次は有楽町に行きます。
    それまで、この余韻に浸ってます。

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    返信
    1. >匿名さん

      はじめまして。
      同じ会場で観ておられたのですね。
      私は初めてのワンマンだったので、比較のしようがないのですが、
      あの日の元春は、涙が出るほどカッコよかったですよね。

      匿名さんは、国際フォーラムにも行かれるのですね。
      羨ましい。
      もし、よろしければ、ライブの感想等を教えていただけると嬉しいのですが・・・。


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