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2014年11月19日水曜日

デビュー45周年記念 遠藤賢司リサイタル@草月ホール

デビュー45周年記念 遠藤賢司リサイタル
~44年目のカレーライス~
11月16日(日)  赤坂 草月ホール
開場 15:30 / 開演 16:00
前売 5,800円 / 当日 6,300円 (全席指定) ※特製手拭い付



初めてやってきた、草月ホール。
ホール内部は、八角形なのかな?
天井は高いのだけれど、小ぢんまりしてるせいか、
なんだか温かみを感じる、落ち着いた雰囲気。
さすが草月流・・・というところか?

はりきって、最速先行でチケットを取ったおかげで、
かなりステージに近い席。
最近、老眼がすすんできたとはいえ、明るいライトに照らされた
ステージ上は、よーく見える。
そこにはアコースティック・ギターが、ずらりと8本も並んでいた。



ライトが落とされたままの暗い中、エンケンが
ピアノの前に腰を下ろす。
ステージ下手にあるピアノは、客席に背を向けて弾くように
セッティングされていたので、私はずっと
エンケンの背中を見つめていた。

その背中は雄弁だった。
上半身の筋肉を総動員して、まるで舞踊家のような動きで、
ときに繊細に、ときに激しく鍵盤を叩く姿に、観客は釘付けになる。
もしも、この瞬間、世界から音が消え去ったとしても、
その後ろ姿の躍動を見つめているだけで、
私の頭の中では音が鳴り続けていたんじゃないかと思う。

今日の衣装は、上下とも白。
デビュー45周年の節目にして、再びまっさら気持ちで
スタートを切るという決意の表われなのかもしれない。
実際、MCでは「毎回初めてやるような気持ちでやっている」
という意味の発言をされてたし。

それでも、45年という歳月はながい。
なんてったって、私がこの世に生まれ出てから今日までの年月と
等しい長さなのだから。
二部構成の前半では、その長い歴史を振り返るような
セットリストであった。

中でも『寝図美よこれが太平洋だ』が、嬉しかったな~。
エンケンのウクレレとファルセットが、可愛いらしくて素敵。
で、この歌詞、実話なのだとか。
寝図美(という名の猫)を連れて、電車で海に出かけたんだとか。
「猫にとっては、迷惑な話だっただろうねぇ・・・」と。
たしかに・・・。

そして第一部のクライマックス。
『踊ろよベイビー』『満足できるかな』『東京ワッショイ』
を続けざまに。
それぞれ一曲ずつでも、相当エネルギー消費量が高い、
力のこもった熱いパフォーマンスを披露してくれてて、
最後に燃え尽きて、爆発してしまうんじゃないかと思ったよ。
その前に、私の方が息するのを忘れて倒れそうだったけど。


第二部もまた、ピアノ曲から。
あっ、シャツを着替えてる(エンケンの衣装は
いつも古着テイストで素敵なのだが、今回も、
真っ白だけどあちらこちら継ぎはぎしてあって、
気高くボロを纏う乞食王子のような風情があり、
とてもエンケンらしかったのである)なんてことを考えながら、
儚く美しい旋律をかみ締めていた。

二部は、新しい曲をメインにした構成。
『恋の歌』長い曲だけど、素晴らしかったなぁ。
ウソのない、まっすぐな歌が心に染入る。

本編最後は『夜汽車のブルース』
ド迫力で、エンケンの乗った汽車が駆け抜けていったのである。


アンコール。
『不滅の男』でステージを下りて、客席を練り歩く。
お客さんと、グータッチならぬ猫タッチしながら。
胸につけたピンマイクで音を拾っていたようだが、
ずっと「にゃー、にゃー」という可愛らしい鳴き声を発しながら
猫タッチしておられましたよ。
お茶目ですわ。

最後に超オトコマエな大見得をきって、大歓声を背に、
去っていく後ろ姿もまた、カッコいい。

もちろん、拍手は鳴り止まず、三たびエンケン登場。
・・・と、ここでサプライズ。
『恋の歌』のジャケットに日傘をさして写っている
お二人(園子温監督の奥様と子役の女の子)が花束を持って、
ステージ上で、エンケンを待ち受けていたの。
そんなことを知らずに出てきエンケンは、二人を見た瞬間、
フッと素に戻ってしまったようで、急に目をうるませたんだけど、
ギュッと歯を食いしばって涙をこらえて、最後の大見得。

その姿に、私の方がホロホロと涙をこぼしてしまった。
実は、最初にエンケンがピアノの前に座った瞬間から、
泣き出したいような気持ちだったのを、ずっと我慢してたのだよ。

人間というものは、美しいものに触れた瞬間、
泣きたくなるようにできているんだよね。
だから、エンケンの魂のカタチの美しさに触れる度、
涙があふれてくる。
これはもう、どうしようもないことなのだ。



※セトリは公式ブログのコピペです。

[一部]
01.今日はとってもいい日みたい(ピアノ)
02.僕の歌を聞いてくれるあなたに
03.ほんとだよ
04.猫が眠ってる
05.待ちすぎた僕はとても疲れてしまった
06.いつのまにか雨が
07.カレーライス
08.寝図美よこれが太平洋だ(ウクレレ)
09.遠い汽笛
10.ハローグッバイ
11.またいつか会いましょう
12.踊ろよベイビー↓
13.満足できるかな↓
14.東京ワッショイ

[二部]
15.小さな日傘と大きな日傘(ピアノ)
16.歓喜の歌
17.やっぱりあなたの歌じゃなきゃ
18.フォロパジャクエンNO1
19.天使の歌
20.44年目のカレーライス
21.恋の歌
22.夜汽車のブルース

<アンコール>
23.不滅の男
24.夢よ叫べ

*01.15.は、ピアノ弾き語り
*08.は、ウクレレ弾き語り
*他、全て生ギター弾き語り





余談というか、蛇足。
休憩のとき、席を立ってロビーへ出ようとしてたら、
ふっと何か気になるものが視界の隅に映った。
ん?と、そちらへ顔を向けて見ると、トーベンさんだった!!!
目が合った!!!
ドキドキして倒れるかと思ったけど、涼しい顔して
「こんにちは~」と(虫の息ほどの小声だったけど)
ご挨拶しておきました。
あぁぁ、緊張したーーー!






素敵な手ぬぐい。


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