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2016年9月21日水曜日

遠藤賢司 with サニーデイ・サービス『満足できるかな』@渋谷クラブクアトロ

遠藤賢司 with サニーデイ・サービス『満足できるかな』
2016年9月21日(水) 開場18:30/開演19:30
会場:渋谷クラブクアトロ
料金:5,000円(税込) 入場時ドリンク代別途



ドキドキしていた。
あの病気を公表してから始めてのライブ。
どんな顔して観ればいいんだろう、なんて考えて、わからなくなって、
平常心とはほど遠い気持ちで、開演前のステージを見つめていた。
たぶん、同じように思ってた人が大勢いたんじゃないかな。
開演待ちのフロアの熱気の中に、不安げな落ち着かなさみたいなものが
混じっていたような気がしたんだよね。

ステージに出てきたエンケンは、
上下真っ白な衣装に身を包み、白?シルバー?に染め上げられた髪は
スーパーサイヤ人みたいに後方に向かって逆立てられていた。
そのシルエットは、一瞬息を飲んでしまうほど痩せて細くなっていたけれど、
顔色はよくお元気そうだった。

・・・お元気そう?
そんな並みの表現では済むはずがない。
だって、エンケンだもの。
普通の人間の10倍くらいの生命力を撒き散らしながらの
ライブパフォーマンスは、圧巻であった。


アルバム「満足できるかな」の再現ライブということだったので、
本編ではそれ以外の曲は演らないのだろうと思っていた。
体力的に考えても、それくらいのボリュームが丁度いいのかな、と。
ところが、一曲目、曽我部さんと一緒に『猫が眠ってる』を
歌い始めたので、少し驚いた。

2曲目のサニーデイ・サービスと演った『夜汽車のブルース』で、
早くもK.O.された。
バンドで演奏されたこの曲を聴くのは初めてだと思う。
エンケンの弾き語りでも、ライブのたびに表情が変わる曲。
サニーデイとの共演では、力強く、かつスピード感があって・・・
なんて、私の貧弱な語彙をいくら並べても伝えられる気がしない。
いつも通りのエネルギッシュなエンケンが、
新鮮なバンドサウンドにのって、古くて新しい衝撃を与えてくれる。
ゾワゾワっと鳥肌が立ち、涙があふれてきた。

とにかく素晴らしい。

この後、アルバムの再現ライブに入っていったので、
バンドメンバーは出たり入ったり。

「好きな音楽だけをやって生きてきたから、
いつくたばっても悔いはない」だなんてこと言われたら、
ただ頷くしかできない。
そうですね、なんて肯定できるわけないんだけど、
覚悟をもって語られた言葉を受け入れないなんてできないもの。

それでも「今日は、歌えてよかったー」と、安堵するような言葉は、
エンケンの心の底から発せられたんだろう。
今日ここに到るまでには、不安や葛藤、あらゆるネガティブなものを
乗り越えなければならなかっただろうことに、思いを馳せていた。


アンコールの『不滅の男』では、
胸がカーッと熱くなってしまって、無意識のうちに、
拳を振り上げていた。
この時も私だけじゃなく、フロア全体が熱く震えていたのだ。
不滅の男エンケンをみんなが求めていたんだよ。

サニーデイの演奏もすごかった。
何かに取り憑かれたような衝動的な轟音の洪水。
みんなすごい形相だったよ。



01.猫が眠ってる
<スライドショー>
02.夜汽車のブルース
<アルバム『満足できるかな』再現ライブ>
03.満足できるかな
04.カレーライス
05.おやすみ
06.待ちすぎた僕はとても疲れてしまった
07.外は暑いのに
08.今日はいい日みたい
09.寝図美よこれが太平洋だ
10.ミルク・ティー
11.早く帰ろう
12.雪見酒
13.君はまだ帰ってこない
<スライド>
ENC1.不滅の男
ENC2.夢よ叫べ









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