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2011年12月13日火曜日

リクオ&ピアノ~完全弾き語りソロ・ライブ~@B.Y.G.

「リクオ&ピアノ~完全弾き語りソロ・ライブ~」
2011年12月11日(日) 渋谷 BYG
開場18:00 開演19:00
前売¥3500 当日¥4000(ドリンク別)



西の方から勧められて行ってきた、リクオさんのライブ。
同じく西の方にお借りしたライブ音源が素晴らしくて、
そうなると、やっぱりライブ行かなきゃねって。

お借りしたライブ盤は、
ドラムに坂田学さん、ベースにTOKIEさんという編成で、
リクオさんは、もちろん素晴らしいのだが、
TOKIEさんのベースが激エロで、スーパーかっちょいい。
そういう音源だったので、
今回の、完全弾語りライブはどんな感じなのか、
少々心配だったりもしたのだが、ぜんぜん楽しめたのだ。
(日本語がオカシイ?)



BYGって、ちょっとイカガワシイ界隈にあるので、
お年頃のお嬢さんなんかだと行きにくいかもね。
外観も中も、すごく歴史を感じる、雰囲気のある造り。
中に入ると、一階は普通に飲食できるスペースで、
地下がライブスペースになっている。
ステージには段差がなく、演奏スペースを取り囲むように
テーブルが置かれていて、さらに中二階のようになったところに
バーカウンターとテーブル席があって、
ライブ演奏を見下ろすように眺めることができる。
私達はこの中二階のテーブルについて、観ることにした。
なかなか面白いアングルである。



リクオさんは飄々とした佇まいで、
茶目っ気たっぷりの瞳を輝かせた、ステキなピアノマン。
(マレー熊にも似ているが・・・)
今日は歌いたい歌がたくさんあるんで、あんまり喋らずにやります。
と、序盤はどんどん曲が演奏される。

他人の曲をまるで自分の曲のように歌います。
と言って、ユーミンの『やさしさに包まれたなら』をカヴァー。
本当に自分の曲みたいに歌うんだよな〜。

この他にも曽我部さんの『BABY BLUE』や、
私は知らなかったけどりーさんが好きだという
下田逸郎さんの『セクシィ』という曲もカヴァーしたのだが、
どれもこれも見事にリクオ節になっていたし、
その選曲のセンスも素晴らしい。
初めて聴いた『セクシィ』の色っぽさにはまいった。

自分の曲も、どんどんカヴァーしてもらいたい。
というリクオさん。
『雨上がり』を関ジャニに歌って欲しいとか。
あー、それアリ!
関ジャニなら、なかなか合うんじゃない?
関係者の方、どうでしょうか?



ピアノとリクオさんの声だけで完成されている世界。
シンプルだけど、これ以上は何も要らないと思えるほどの完成度。
ピアノがブレイクして、歌だけになったときでさえ
鳴らないリズムが感じられる。
すごいな~、と聴き惚れていると、
その完璧な歌とピアノのアンサンブルにすき間をこじ開けて、
フロアを巻き込み、Singin' & Clapin'。
客席もボーッとしちゃいられないのだ。

『ソウル』のイントロで、たまらず目を閉じた。
うっかりすると、崩れ落ちてしまう気がしたから。
本当に優しい歌だ。
孤独や哀しみの闇の中に立つ者にそっと寄り添い、
暗闇の中でしか捉えることができない微かな光を指し示す。
そう、闇の中にあるから光なのだと。
そんな歌。


『同じ月を見ている』
リクオさんの話す関西弁がステキだ。
私が関西出身で、関西弁には慣れ親しんでいるせいか
リクオさんの京都訛りのイントネーションでのリーディング。
その温もりにジーンと胸が熱くなる。
青白くキリリと輝く月が心の中に浮かんでいた。

後半になって、だんだんとお喋りが増えてきて、
ステージドリンクもお水からビールに変わり、
「ナイス、プリン!」とプリン体を賞賛。
はい、プリン体は美味しいですよね。

ピアノだけでロックンロールバンドの音を鳴らす
『ミラクルマン』
すっごいロールしてるもんなぁ。
腰がうずうずするわ。
やっぱりピアノは打楽器だよね。

アンコールで、ケーヤンとの共作『夢じゃない』
これも、バンドの音が聴こえるようだった。
リクオさんも、やりきった感じだったし、
これで終わりかなと思ったら、何やらまだ歌い足りない様子で、
歌詞のファイルを繰っていて、
「しまった・・・これで終わりにしとけば良かった」
とつぶやいておられた。
というわけで、長い長いアンコールとなった。



リクオさんは自由を求めさすらう旅人だ。
旅人-Rambling Man-であるが故に、
孤独というものをよく知っている人なのだろう。
凍える夜の月のように光り輝く美しい孤独を恐れず、
なだめすかして、少しずつ手なづけるために歌っているのだ。
そして、ピアノの音色が旅の伴奏者なのだな。


自由で孤独な魂を今夜も月明かりが照らしている。
そんな光景が目に浮かぶようなライブだった。

4 件のコメント:

  1. おおー!よかったみたいですね!
    こういうのが本当の弾き「語り」かもしれないですね。
    Singin' & Clapin'は「アイノウタ」ですか?
    「夢じゃない」は石垣で初めてかかり、
    沖縄ツアーで段々できあがっていくのを見た曲で、
    個人的に思い入れ曲です。
    ケーヤンとのユニットだとついついケーヤンの指ばかり見てしまいますが、
    リクオさんの飄々とした中にある、
    怒りとか、優しさとか、強さとか、哀しみとか、孤独とか、人間愛とか、そういうのをビンビン感じています。
    で、「ナイスプリン」でましたか。
    リクオさんのプリン体の摂取量はハンパないので、
    お身体大事に続けてほしいです。
    それにしても、
    人生で一番マレーグマのことを意識していますよ。
    いいなぁ。

    ああ長くなりそうだから自分のところで書こう。

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  2. >tokageさん
    リクオさんの弾き語り、素晴らしかったです。
    バンドではない、こういうミニマムなライブが最近沁みるようになってきました。
    とくに今回は、ライブが終わってからも
    じわじわとボディーブローのように効いてきてます。
    マレー熊もビックリです。(←?)

    そうです、Singin' & Clapin'は『アイノウタ』です。
    「シャ~ラララ ララララ~♪」と歌いましたよ。

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  3. あんなに芸達者なマレー熊がいたら、動物園がほうっておかないでしょうね。
    なんだかまたピアノを弾きたくなりませんでしたか?


    『同じ月を見ている』ステキでした。
    皆既月食で見た不思議な赤い月、昔好きだったあの人も見たかな?、なんてちょっと思ったりしましたよ。

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  4. >りーさん
    それ、動物園というよりサーカス団がほっとかないですよ。
    ピアノを弾くマレー熊・・・間違いなく花形スターでしょ。

    私のピアノは幼稚園生レベルなのですが、
    ギターを制覇したあかつきには、再チャレンジしてみようかな。
    って、いつになることやら。

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