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2012年6月6日水曜日

遠藤賢司「不滅の男」第3弾!@ROCK JOINT GB

「遠藤賢司『不滅の男』第3弾!」
6月 3日(日) 吉祥寺 ROCK JOINT GB
出演:遠藤賢司バンド(遠藤賢司 Vo.G、湯川トーベン B、石塚俊明 Dr)
開場 18:00 / 開演 19:00
一般前売 3,700円 / 一般当日 4,200円 / 大学生・専門学校生 2,000円
+Drink Order


あれやこれやと所用を片付けていたら、
またもや辿り着いたのは開場時間をギリギリ過ぎた頃。
しかし、幸いなことにリハが押していたのか、
なんとか駆け込みセーフ!
あー、もうちょっと時間に余裕をみて行動しなきゃなぁ。
いい大人なんだからね~・・・反省。

というわけで、ベストポジションをゲット。
今回はステージ前の柵が設置されていなかったなぁ。
モッシュがおきたり、ギューっと前に圧がかかったりしないから、
ぜんぜん問題はないんだけれど、開演を待ってる間、
あれがあると寄っかかれて楽チンなんだよねぇ。
こんなこと言うと、圭介の「年をとるってことは~♪」という声が
聞こえてきそうだな。



エンケンが最初に持ったギターは二郎くん。
ちゃんと“じろう”と書かれているのが見える距離だからね。
最初の曲『ちゃんとやれ!えんけん!』で、いつものように
激しくギターを掻き鳴らしていたら、弦が切れた。
ハープでつなぎながら、曲途中にギターを交換。
代打は三郎くん。(もちろん“さぶろう”と書いてあるのですよ)

こんな序盤に『夜汽車のブルース』持ってくるのかぁ。
見るたびに進化しているように思える曲。
ライブだから、同じものが二度と見られないのは当然で、
エンケンの演奏も毎回違うし、印象が変わるんだよね~。
今日のは、疾走する汽車そのものじゃなく、
汽車に乗っている旅人の心象風景が浮かんでくるような音だった。

ギターのヘッドに鈴を引っかけて、フィンガーピックを装着。
このセッティングは、きっとアレだな・・・と予想。
これが大当たりで『猫が眠ってる』
ふふふ、なんだか、すっかりエンケン通になったみたいで嬉しいな。
フィンガーピックでジャラーンと弾くと、
まるで琵琶のようで、少しオドロオドロしい音がするのだ。
妖怪とか物の怪が出てきそうな。

そういえば、MCでは「象形文字で歌います」と高らかに宣言していた。
「英語でなんか歌いたくない!」と。

エンケンがブログに書いていた、新しく買ったホワイトファルコン、
“白鷹深雪”が登場。
音符の柄が入ったストラップを付けているのだけれど、
黒い音符を赤く塗り替えていて、キュートになってましたわ。
エンケンは血の色をイメージしているらしく、
「これは“吸血譜”です」とのこと。

そのホワイトファルコンで『ごめんね』
これまでとはうって変わって、繊細に音を紡ぎ出す。
空調の音がゴォォと耳障りに感じるほどに、フロアは静まりかえって
エンケンの生み出す微細なノイズにまで耳を傾けていた。
観客とエンケンの対決は、こういう静かな曲のときにその深度を増す。
そのピーンとはり詰めた空気を切り裂くように、ハープがむせび泣く。
曲が終わって、大きく息を吐いて呼吸を整える。
息することを忘れるくらいに集中して観ていたのだよ。

『ド・素人~』では、いつもながら圧巻のドラムパフォーマンス。
エンケンが一心不乱にドラムを叩く姿は、本当に神々しい。



ここで、トシさんとトーベンさんが登場。

前回、エンケンが神無月のことを褒めまくったおかげで、
その日の物販で飛ぶようにCDが売れたらしく、
引き続き今回もベタ褒め。
「ピンクフロイドとはっぴいえんどを足したような」と形容していて
「それじゃ、余計にわかりにくよ」とトーベンさんが突っ込んでいた。
なんていうか、照れ隠しだね。
エンケンがあまりにも盛大に褒めてくれるので恥ずかしかったのだろう。

3人揃って最初の曲が『不滅の男』
このイントロ聴いただけで、無条件にアガる。
しかも、今日はやけにベースの音がデカイぞ。
ベース音の輪郭がくっきりはっきりで、ドシーンとくる。
お腹にズンズンと響いてくる音で満腹になりそうなほどだ。

トーベンさんが、いつものプレベを弾いてる姿が
そりゃーもーカッコ良いのだが、近すぎるが故に直視できず、
ちらちらと盗み見る感じになってしまう自分が情けない。
「指弾きが色っぽい」説などを論じた手前、せめて手元くらいは
しっかり見なくては、とチラ見を繰り返しながら鑑賞。
あぁ、今思い返してもため息が出ちゃうほどカッコいい。
押弦する左手が美しかった。
やっぱり、シイタケでも構わないわ・・・。(※前記事参照のこと)

このあと最新アルバムから2曲が続く。
今日はなぜか、トシさんのドラムが気になってしょうがない。
エンケンバンドのグルーヴは、エンケンその人から発せられるものを
トシさんが掬い上げて、トーベンさんが輪郭を持たせる。
と、そんな風に感じているのだが、そのトシさんの掬い上げ方が
神懸かってるように思えたのだ。
絶妙というか、神業というか。

そして、次の曲『外は雨だよ』のときに、バンドならではの
美しい光景を見ることができた。

聞き覚えのあるイントロをエンケンが弾き始めたのだが、
すぐに弦(たぶん1弦)が切れてしまった。
お馴染み、アクシデントフェチの私は意地悪くもワクワクしながら
その様子をじっと見ていた。

エンケンは弦が切れたことを袖にいるスタッフにアピールしながらも、
音を途切れさせることなく刻み続ける。
本来、ここは、ギターだけで歌に入っていくところなのだが、
気付いたトシさん、トーベンさんが、スルッと曲に入ってくる。
そして、ギター交換の間を繋ぐ。あくまでも、さりげなーく。
・・・この絶妙に息の合ったサポートにやられた。
もう、キュン死するかと思うほど、ときめいてしまったわ。
なに?このさりげなさは?
カッコ良すぎーーー!
やっぱり、バンドはいい。美しい。

『荒野の狼』は初めて聴いたけど、凄まじくカッコいい。
狼の遠吠えが聴こえてきたね。

そんな荒涼とした風景から一転、
ポッポー!と、底抜けに楽しい掛け声で始まったのは
『幾つになっても甘かあネェ!』
大好きな曲なんだけど、たぶん、ライブで聴くのは初めてだな。

『プンプンプン』では、トーベンさんがベースをチェンジ。
通称「赤べえ」くんは、フラット弦を張ってるそうだが、
ド素人の私には、その違いはよくわかんない。
見た目に弦がツルッとしているのは、なんとなくわかるんだけれど。

前のライブの感想にも書いたかもしれない。
エンケンバンドの持ち味であるところの、うねり。
3人の音が一つに重なり合って生まれる、うねり。
(グルーヴなんて言っちゃうと、エンケンに怒られそうだもの)
大きな音のうねりが、大蛇となってステージ上を
ぬらりぬらりと移ろっている様が、目の前に浮かんでくるのだ。

ワッショイ、ワッショイとヒートアップした後は『踊ろよベイビー』
佳境に突入すると飛び出すエンケンの猫踊り。
そこへトシさんが「ワン!」
エンケンと猫vs犬の対決が繰り広げられる。
すると今度は、トーベンさんが「ブヒー!」なんと、豚だよ。
というわけで、猫vs犬vs豚の三つ巴の争いが勃発。
馬鹿馬鹿しくも可愛らしいステージ上のアラカン男たちに
萌え~。
さっきまでの鬼気迫る表情とのギャップがたまらない。
最後は三人が円陣組んで肩を抱き合うはしゃぎっぷり。
おーい、演奏はどうなったー?



アンコール。
再登場してアコギを持ったエンケンが、
まっすぐに私に向かって近づいて来るではないか。
何?何?私に何かサービスでもしてくれるの?
と、キョトンとしてバカ面で見つめ返していたのだけれど、
はっと気付いた。
エンケンはフロアへ下りようとしているのだ。
つまり、私に「場所を空けて」と目で訴えていたのだよ。
サッと体を横にずらし、ステージから下りて
フロアの中央へ向かって歩いていくエンケンの背中を見送った。

『夢よ叫べ』をマイクなしのギター一本、
観客と同じ高さに立って歌うエンケンの背中は、
65才とは思えないほど生気に溢れていたのだけれど、
なんだか寂しげに見えて、せつなくなった。


歌い終わってステージに戻ったエンケンが
「トシ!トーベン!」と呼び込むと、
袖から二人が登場。
トシさんは着替え途中に慌てて飛び出してきたのか、
上半身裸の無防備な格好で、恥ずかしそうにしてて可笑しかった。
あっ、トーベンさんはちゃんとしてましたよ。
ちょっと残念(!?)




01.ちゃんとやれ!えんけん!
02.夜汽車のブルース
03.心の奥まで抱きしめて
04.猫が眠ってる
05.ごめんね
06.満足できるかな
07.ド・素人はスッコンデロォ!
08.不滅の男
09.ブルースに哭く
10.俺が死んだ時
11.外は雨だよ
12.荒野の狼
13.幾つになっても甘かあネェ!
14.俺は勝つ
15.プンプンプン
16.東京ワッショイ
17.踊ろよベイビー
-アンコール-
E1.夢よ叫べ



エンケンバンドは、永久に不滅です。

2 件のコメント:

  1. 「外は雨だよ」はバンドらしい感じがして、大好きです。
    アクシデントの時、ちょっとドキドキしました!
    でも、トーベンさんとトシさんのさらっと落ちついたフォローに、優雅ささえ感じてしまいましたよ。

    最強のスリーピースですね。

    それから、美しく四股を踏むのは案外難しいです。
    nemuriさんも一度お試しあれ。

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  2. >りーさん
    ああいう想定外のことがおこるのがライブのいいところなんですよね。←性質悪!
    スタッフさんもとてもキビキビとしていて、気持ち良かったですね。

    四股は難しいですよ。
    一朝一夕には身に付かないですから、毎日精進しなければ。
    でも、私には披露する場がないなぁ。

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