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2012年9月5日水曜日

友川カズキ/夜のストレンジャーズ@紅布

「共振」act.23 -SYMPATHETIC VIBRATION-
2012年9月1日(土曜日)
新宿レッドクロス 紅布(red cloth)
開場18:30 / 開演19:00
前売2,800円 / 当日3,300円(共にDRINK別)
出演:友川カズキ / 夜のストレンジャーズ



この日は、横浜方面で魅力的なライブがいくつかあって、
かなり心が揺れたんだけれど、紅布を選択。

ミウラさんが友川さんのファンだということを知っていたので、
このツーマンは、きっと気合い入ってるだろうと思ったし、
この機会を逃すと、友川カズキを生で観ることなんてないかも、
という気がしたのだ。



少し余裕をみて出かけたはずだったんだけれど、
いろいろとアクシデントがあって、
店に着いたのは開演の10分くらい前。

いつもの調子で、人の脇をすり抜けてスルスルと前へ行く。
案外ステージ前の方がスペースに余裕があるのよ。

ベストポジションについて、落ち着いて周りを見ると、
何だかいつもと様子が違う。
あれ?みなさん友川さんのファンの方ですか?
やばい。なんか落ち着かないぞ。
私、踊り倒しちゃいますけど、大丈夫でしょうか?
と、少々不安になっていると、客電が落ちて、
お馴染みのSEが流れた。



夜のストレンジャーズ
序盤は『そばにいて』→『ソウルバーニングラブ』と
マキ子さんのコーラスの映える曲が続く。

ミウラさん、友川さんと同じ秋田出身で、先日亡くなった
漫画家の土田世紀さんの「俺節」を読んで作ったという『テレサ』
あー、イントロのアルペジオだけで胸がキューンとなる。

そしてマキ子さんがヴォーカルをとる『あなたとシャララ』
音源はギターのみのアレンジなので、バンドver.は前のライブ以来。
このアレンジ良かったなぁ。
ギターのアームでギュィンと、アクセントが効いてて痺れた。
マキ子さんの堂々とした歌いっぷりもいいなぁ。
とにかく、ベース弾きながら歌える人を無条件に尊敬してしまう。

早くも新曲ができていたのが嬉しい。
ミニアルバムができるのかな~?楽しみだ。

今日は『新しい町』が沁みた。
いつも、一緒に声を出して歌っちゃうんだけれど、
途中で歌えなくなってしまった。
歌ってると、そのまま嗚咽しそうになってしまうから。
なんだろう?
この歌みたいなシンプルで力強い世界観に涙が出る。
実際の世界のありさまが、余りにも情けなくて、
この歌とは程遠い見苦しい現実ばかりで、泣きたくなるのだよ。

「20年前の俺に友川さんと同じステージに立つ日がくると
教えてやったら、腰抜かすだろうなぁ」
「昔、弾き語りしてて、友川さんの真似して、
わざとらしいくらいの訛りで歌ったりしてたんだよ」
と感慨深げにミウラさんが言う。
ミウラさんの感動は、こちらにもよく伝わってきたよ。

「最後の曲です」とミウラさんが言ったとき、
えっ?もう?・・・と、ちょっと呆気ないとうか、
物足りないような気分だったけれど、
とにかく『サムクック~』で、思いっきりハジけた。

うーん、そうだなぁ・・・。
今日のセトリは、聴かせる曲が多くて、
それはそれで、夜ストの素晴らしい一面ではあるのだけれど、
もっとハジける曲も欲しかったな~。
だって、その両方があってこその夜ストなんだもん。

でもまぁ、仕方ないかな。
今日は、友川ファンに配慮したセトリだったんだろう。


そばにいて
ソウルバーニングラブ
テレサ
あなたとシャララ
新しい町
アクション
小さな恋人
ホームタウンボーイ
泥の川
連れて行ってよ
サムクックで踊ろう



友川カズキ
なんだか、コアなファンの方よりも前で見るのは申し訳なくて、
後ろへさがって観ることにしたんだけど、
図々しく、そのまま前に張り付いてればよかったかな、と
ちょっと後悔。
男性ファンが多いせいか、かなり見難いのだ。
ロックなライブと違って、ほとんど動きがないから
最初の位置取りがかなり重要なポイントだったんだよね~。

ギリシャ彫刻のような美しく憂いを帯びた顔立ちの男性が
ふらりとステージに現れた。
もちろん、これが友川カズキ氏だ。
意外なくらいに、ピリピリしたところがなく、
まったくの自然体で、ただただ、スッとそこに居るのだ。

その端正なルックスに似合わない秋田訛りで話し始めると、
ますます親近感が湧く。
やっぱり原発やら政治の話が多かった。
当然、怒っていて、過激な発言もするんだけれど、
茶目っ気たっぷりな話しぶりに思わず笑ってしまう。
「本当はずっと喋っていたいんだけどね。
それだとギャラが出ないから、歌います。」と・・・。

繊細な音色のギターを爪弾き、
言葉を吐き出すように、体から引き剥がすように、歌う。
すると、辺りの空気ががらっと変わるのだ。

「歌に“意味”なんてない。あるのは“気分”だけ」
と言っていたけれど、聴いていると、
そこに込められた意味や意図を探したくなってしまう。
本当に意味なんてないのかもしれない。
友川カズキという男が、ただそこにいて、歌っているだけのこと。
ただ、その歌っている姿に、生き様がくっきりと浮かび上がって見えて、
聴衆を惹きつけているのだ。

“無頼”という言葉がよく似合う。
美しい62才だなぁ、と思いながら聴き入っていて、
・・・そういえば、横浜方面のステージに立っているあの人も
62才だったな、ということに気付いた。

ぶれずに年を重ねていくということは、
なんと格好のいいことなのだろう。

「最後にもう一回、夜のストレンジャー(最後まで「ズ」は
付けてもらえなかった)に出てもらうから」
「もう(世界の)山ちゃんに行かなきゃいけないから」
と、友川さんがステージを下りようとしていたところ、
まだ、夜ストサイドの準備ができていなかったようだ。
舞台袖にいたミウラさんからの「『ワルツ』やって下さい!」
というリクエストに応える形で、最後の曲は『ワルツ』

この曲が、凄まじくカッコよかった。
ミウラさんがリクエストしてくれたお陰で、聴けて良かった。


ということで、再び夜ストが登場して『ヤング&ヒッピー』

正直、友川さんの後で、めちゃくちゃやりにくかったと思う。
それでも、せっかく友川さんが厚意で申し出て下さったんだから、
それに応えて、きっちりやらなくては、という想いだったんだろう。
私も、ちゃんと受け止めさせてもらったよ。

ただ・・・前に突っ込んでいけなくて、寂しかったなぁ。

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