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2012年9月28日金曜日

竹原ピストル×奇妙礼太郎@代官山LOOP

唄 -UTA- ~竹原ピストル×奇妙礼太郎~
2012.09.24 Mon. 代官山LOOP
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 3300YEN / DOOR 3800YEN(+1Drink 600YEN)
MAIN LIVE : 竹原ピストル / 奇妙礼太郎
LIVE : 小久保淳平 / Mamimor a.k.a PAPICO



渋谷から歩いて行こうと、決めていたのである。
地図を見ると、代官山駅からでも、そんなに近くなさそうだったし。
この前のマニッシュボーイズのライブで
長丁場の立ちっぱなしがこたえたものだから、
なるべくギリギリに着きたいなぁ、と思ったのだ。

渋谷駅に着いたら、雨が降り出した。
傘を持っていなかったので、コンビニで買った。
iPhone片手に、LOOPへ向かって歩いている間に、
気付けば、どしゃぶり地獄。
足元が冷たい。
つい10分前までは降ってなかったのに、なんという間の悪さ。
自分の雨オンナっぷりを恨むわ。
稲妻まで、サービスしてくれちゃってさ・・・。

そして、足元がぐちゃぐちゃに濡れて、
どうしようもない状態になったところで、目的地に到着。



中に入ると、もう最初のアクトが始まっていた。

なんと、ステージ前にはテーブルと椅子が出ているではないか。
ちっ。
そうと知ってれば、早く来て椅子を確保したのになぁ。
今日はすべてにおいて、間が悪い。

ステージには、女性ヴォーカルさんとサポートのギタリストさん。
このヴォーカルさんが、Mamimorさんですね。
・・・と書いてみたけど、なんと読めばいいのかイマイチわかってない。

失恋とか片思いとか、女子っぽい可愛らしい曲を
ソウルフルに歌われてましたわ。
たいへん申し訳ないけれど、苦手なジャンルですのよ。
思わず、サポートのギターさんばかりを見つめていた。
カッティングの音色がソフトなのにキレがあって、
なんだか色気があるの。
左手、バレーコードが美しくて、見ていて飽きなかった。
フィルで小指をグイっと広げるさまに、キュンとなるのは、
私が指フェチだからなんでしょうね。



小久保淳平
うわーっ、カッコいいー。
と、セッティング中から、目が釘付けになってしまった。

この転換中に、空いてる椅子を見つけることができて、ラッキー!
なんて思って座ってみると、これがなんと、マイクの真正面。
ステージ上の人と目が合う、合う。
恥ずかしくって、また手元ばっかり見てしまうことに。

シッティングのスタイルでアコギを寝かせるように傾けて持ち、
力強いフィンガーピッキング、まるで引っ掻くようにして弾いていた。
ループマシンで、音を重ねていく。
その作業をする姿が、職人さんのように凛としてて、清清しい。

ハスキーで存在感のある歌声と、その風貌から
若い頃のSIONみたいだな~、と思った。

小久保くんの、まっすぐで強い眼差しにぶつかってしまうと、
なんだか自分が穢れているような気がして、後ろめたくなる。
でも、ニコッと笑った顔は人懐こそうで、可愛らしい。

聴き手に問いかけるような、投げかけるような歌を歌う。
いい歌い手さんだなぁ。



竹原ピストル
こちらも初見。
でも、数ある奇妙くんのライブの中から今日のライブを選んだのは、
竹原氏を観たかったからなのだ。

野狐禅の頃から気にはなっていたんだけれど、なかなか機会がなく、
今日やっと、めぐり会えた。

頭に白いタオルを巻いて、裸足でステージに立っていた。
本人曰く「ボクサーくずれ」というように、
逞しい体つきで、肉体労働者然とした容貌。
持っているギターは、ハミングバードだったかな。

「奇妙さんと一緒になるのは、今日で4回目」とのこと。
意外なことに、奇妙くんの方が年上なんだね~。
奇妙くんと演れるのが嬉しくて、
ハコに入ったときに、テンション高く挨拶したんだけど、
奇妙くんの反応がイマイチで「ああ、うん」という感じだったらしい。
まあ、想像できるな。

とにかく、すごい量の汗をかいていて、
ステージの上に水溜りができるのではないかと思ったくらい。
超熱演。

ギターのストロークが、
無骨で実直な人柄を表しているような素朴な音。
その音が刻むリズムを聴いていると、
なぜか、コツコツと弛まず続けられる農作業を連想してしまう。
そんな泥臭いところが、いい。

まくしたてるように歌われる歌は、
ユーモアを交えながらも悲哀に満ちていて、
胸にグッと突き刺ささるものがある。

ズルイ。
人の良さそうな顔で、笑わせて油断させておいて、
グッとくる歌を歌うんだもんな。
笑いながら、泣けてくるんだもんな。
本当にズルイ。



奇妙礼太郎
今日もユルい感じで、なんとなく、ライブが始まる。
いかにも体育会系の竹原さんの後だけに、
余計にそのユルさが際立つ。

たしか前日は、福岡でライブがあったはずで、
バンドメンバーを残し、一人、飛行機で帰ってきたのかな。

血管が切れそうな歌い方をしているのに、
連日ライブで歌っているのに、
お酒だって、毎日のように飲んでるはずなのに、
ぜんぜん喉を壊さないところが、凄いなぁと思う。
強靭な喉を持っているなんて、それだけで一つの才能だ。
どこかのガラスの喉のヴォーカリストに、少しわけてあげたくなる。

一曲目は『天王寺ガール』
やっぱり、最初の一声で、ビビビっと感電したように動けなくなる。
私は奇妙くんの歌声に恋してる。
それも、毎回初めて出会ったかのように、恋に落ちるのだ。
落ち続ける運命に陥ってしまったのだ。

あいかわらず、セトリとか考えてきていない様子で、
「何やろう」とボソボソいいながら、頭を掻きながら、
次の曲を選んでいく。

どんな曲を歌っても、どんな風に歌っても、
揺るぎなく、奇妙礼太郎の歌。
その安定感にもかかわらず、どこか儚げに、揺らいでいる。
夢と現の間で。過去と未来の間で。生と死の間で。
その揺らぎに魅せられて、固まってしまう。

「みんな、起きてるか?」
フロア中が静まりかえって聴き惚れているんだけれど、
反応がわからなくて不安になるのか、何度も言っていたなぁ。

『あの娘に会いにゆこう』の私の好きな部分、
「切り裂くようなリズム 爆発するようなメロディ」を
リフレインのように、何度もリピートしてて、心に響いた。

『オー・シャンゼリゼ』では、いつものように、
コール&レスポンス。
その最高潮で奇妙くんが歌いながら、ステージを下りてフロアへ。
私の隣に座っていた人は、いつの間にかいなくなっていて、
そこに空いた椅子がポツンとあった。
奇妙くんの足取りを目で追うと、このままいくと
その椅子にぶつかってしまう、と気を利かせたつもりで、
隣の椅子を自分の方へ引き寄せて、通り道を作ろうとしていたら、
奇妙くんがその椅子の上に飛び乗った。
ええっ!?
なんか、自分に近づけるために椅子を引っぱったような、
凄いイタいファンみたいになってる?私?

いやっ、そんなつもりでやったんじゃないのよー!
という弁解を、心の中で絶叫しながら、
真下から(!)間近で(!!)奇妙くんが歌う姿を見つめた。
指フェチで有名な私ですが、
ヴォーカリストを見るときの萌ポイントは、喉元なので、
かなりの絶景が見られて、幸せではあった。
でも、本当に、
そんなつもりで椅子を引き寄せたんじゃないから~!!
恥ずかしいよー。



せっかく、イベントの名前どおり、個性の強いヴォーカリストの唄で、
じんわりと感動的な気分だったのに、
最後の最後に、恥ずかしい思いをして、ぶっ飛んでしまった。
勿体ないなぁ。

そして、すっかり雨のやんだ道を、
ぐちゃぐちゃで気持ち悪いままの靴で帰ったのであった。

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