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2012年10月23日火曜日

フラワーカンパニーズ-真秋の大爆発2012-@渋谷公会堂

フラワーカンパニーズワンマンツアー
“ハッピーエンド2012-2013”-真秋の大爆発2012-
10月21日(日) 渋谷公会堂
開場16:30 開演17:00
全席指定(税込) 4,200円



前日からドキドキと緊張していたのである。
きっと、私だけじゃない。
フラカンを実家だと思っているフラッペの皆さんも
同じ想いだったことだろう。

私の席は竹安サイドのほぼ一番端っこだったのだが、
音も、眺めも、思ったより悪くなかった。
立派なPAスピーカーで聴くフラカンの音は、新鮮だったなぁ。

開場も開演もやや押しでスタート。

圭介とGは、ハッピーエンドのジャケットと同じ衣装。
ミスコニは青のツナギ、頭のてっぺんの部分が茶髪になっている。
竹安は黒のVネックの黒いシャツ。

「どーもー、フラワーカンパニーズです!」という
圭介の第一声を聴いただけで、胸に熱いものがこみ上げてくる。
いきなりの『はぐれ者讃歌』で
歌えーーーーっ!と、煽られるままに声を張り上げると、
必ず途中で、喉が詰まったようになって声が出なくなる私。
たったこれだけ、大きな声を出しただけで、
使い物にならなくなる自分の喉の不甲斐なさと、
こんなことを、2時間のライブの間ずっと続けてるなんて・・・
と、ヴォーカリストの凄さを思い知る。

そして『脳内百景』→『切符』という流れの序盤。
レコ初ツアーといえども、ここは手堅く
実績のある旧譜で客席を温めていこうという作戦だったようだ。
お陰でステージの上も下も、緊張がほぐれた。

いつもよりステージが遠くて、照明が綺麗で、
その現実味の無さが、夢を見ているような気分だ。
竹安のSGのヘッドからピョーンと飛び出した弦の先が6本、
キラキラユラユラしてたのが妙に幻想的だった。
なぜか、ビジュアルとして一番印象に残ってるのが、
このキラキラ越しの竹安の横顔だったりする。
位置的なものの関係かもしれないが、私はこの瞬間、
竹安に恋していたのかも。
なぜなら、Vネックがセクスィーだったからですよ。
ここは大文字で言っておこう。

私は
竹安のVネックが好きだー!

なぜ、こんなに強調するかというと、
あんなことがあったせいで、
もう二度とステージで着ることないかもしれない、と思うと
残念で仕方がないからである。
こういうファンもいますからね。

『人生GOES ON』
Newアルバムの中では数少ないアッパーなナンバー。
けどね、メロディーが明るければ明るいほど、
リズムが跳ねれば跳ねるほど、泣きたくなるのはなんでだろう。
最初にフォー爆で聴いたときの気分が蘇るからなのか、
形にならなかった双子の『人間GOES ON』を思い出すからなのか。
「ハッピーエンド」を初めて聴いたとき、
泣きながら飛び跳ねてる自分の姿が頭に浮かんだ。
まるで何かの啓示のように。
その啓示どおり、泣きながら、我を忘れるほど跳ねて踊っていた。

いい意味で、ビックリしたのが『空想無宿』
嬉しかったなぁ。
ライブで聴くのは何年ぶりだろう?
兄弟曲の『脳内百景』ばかりが可愛がられているので
なんだか不憫に思えてしまう。

『なれのはて』『SO LIFE』と、初めて演る曲を続けて2曲。
さすがに、まだ慣れてなくて、ちょいちょいミスもあった。
でも、それもまた一興。
ツアー初日の醍醐味ってもんだ。

『SO LIFE』のときに、圭介がベースに合せて、
小刻みに足踏みしてリズムを取っていたのが可笑しかったと
Gより報告があった。
「たぶん、みんなは見えてなかったと思うけど」と。
その真似をする姿がちょっと可愛かった。

『ロックンロール』は、いつ聴いても泣けるわけで、
とくに言うべきこともないんだけれど、
続けて『深夜高速』ときたもんだから、ドキッとした。
そうきたか・・・。
『深夜高速』の夜の闇がより深まるというか、
“生きててよかった”という言葉が、より一層重みを増すような、
そんな曲順だなぁ、と思った。

そんな、息づまるような重苦しい空気から、
『旅待ち』で救われる。
あー、愛すべき“地味曲”!

Q太郎さんが圭介のモズライトを持って出てくると、
胸がザワザワし始める。
そう、私はモズライトを恐れていた。
いつ『エンドロール』がくるかと、とビクビクしているのだ。

始まったのは『この胸の中だけ』
ここ最近は、圭介がアコギを持つ、
カントリーヴァージョンばかりだったから、
オリジナルのヴァージョンは久しぶりに聴いたなぁ。
最後の方、どんどん圭介の声が出にくくなっていって
あれれ?と心配したんだけれど、なんとか最後まで歌いきった。
お水飲んだら、次の曲は大丈夫かな?
・・・と油断してたら、胸がザワザワとするギターのリフ。
こんなところに伏兵が!

『エンドロール』を恐れるあまり『また明日』の存在を忘れていた。
ヤバい。
この曲も、相当ヤバいんだよ。
 さよならなんて言葉はもう 消えて無くなれ
この歌いだしで、もうダメだ。

これまでの人生で、何度も通ってきた“別れ”が瞼の裏に蘇る。
生きるとはなんてしんどいことなんだろうか。
これから先も続いていく“別れ”を想像し、戦慄する。
大きくなり続ける哀しみを背負って、どこまで歩いていけばいいのか。
この歌を聴いていると、その重みに押し潰されそうになる。
なんて、苦しい歌なんだろう。
いや、わかってる。それでも笑うしかないんだよ。

こりゃダメだ、涙腺崩壊だわ、と覚悟していたんだけれど、
喉に何か引っかかってるような苦しそうな声で歌う圭介が心配で、
この歌の世界に深く入っていくことができなくなった。
頭の隅っこでは、圭介の喉のことを気にかけながら、
中途半端な気持ちで涙を堪えていた。
結局、曲の最後までずっと、圭介の喉は回復しないまま。
これはこれで、良かったな。
この歌の喪失感を正面から受け止められるようになるまで、
もう少し時間を下さい。

どうなの?大丈夫なの?どうなの?・・・と心配し続けてたら、
あの、例のサンプリング音が聴こえてきた。
『エンドロール』
いつも間にか圭介の声は普通に戻っている。
大丈夫だ。
そう思ったら、音が体に沁みこむように入ってきた。
あんなにビクついていたのが馬鹿馬鹿しいくらいに、
透明な心持ちで聴けている自分がいた。

溜めて、溜めて、ドーンといくサビのところで、
ステージ後方に赤い幕が落ちてきた。
素晴らしいタイミングだったなぁ。
今回のステージで、演出らしい演出はここだけ。
ここが頂点となるように、この一瞬に集約された緊張感が解き放たれ、
ゾクゾクするような快感が足元から上ってくる。
密かに私が恐れていたのとは違う種類の涙が溢れた。

メンバー紹介で、前述の竹安お色直し事件が起こったのだが、
詳しくは前記事を参照のこと。

Gからの告知。
4月のツアーファイナルが日比谷野音!
年末の年越しライブは、下北沢でワンマン!
Yeah!どっちも嬉しい!
もちろん、どっちも行くぜ!

4人揃ってフラワーカンパニーズ!!!

『ヌードコア~』のリフを聴くと、スイッチ入るよね~。
・・・と思っていたら、私の前にいた小柄なお嬢さんが、
まさに、ドデカいスイッチが入ったらしく、頭ブンブン振って、
壊れちゃったんじゃないの?と心配になるほどでしたわ。
それまでは、小さく体を震わせる程度のおとなしい人だったから、
その豹変ぶりにぶったまげたわ。
んー、気持ちはわかる!!
こっちも負けてられん、とばかりに狂ったように踊ったからね。

続けて『チェスト』とは!
私の中のフラカン・パンクの骨頂ソング2連発で、
もう、うっきーーー!!!と野性むき出しになる。
『恋をしましょう』で、残ってる体力を使い切るように、
飛び跳ねて、踊り倒して、見事に昇天。
うっきーーー!!

アンコールの拍手をしながら、座席に腰をおろして休息。
せっかくの椅子席だから、有効に使わないとね。
圭介も言ってた。
「チケット代の中には、椅子の分の料金も入ってるんだから、
ちゃんと使ってください」
「使ってないから300円返して下さい、て言ってもダメだよ」と。

Gは、いつもどおりのオーバーオールに着替えて登場。
「やっぱり、こっちの方が落ち着くわ」って。
他の3人は新作のTシャツ。
竹安は「あれ?お色直し3回目?」と、やっぱり弄られてたな。

『元少年』『盆踊り』という定番の流れに、なんだかホッとする。
盆踊りは、ここ最近のブルースロック的なアレンジが入る。
グレートと竹安が向かい合って、
せめぎ合うように弾いてる姿がカッコよくて、痺れた。

ダブル・アンコールで『夜明け』
こういう大舞台では欠かせない曲だよな~。

アウトロで4人が向かい合うシーンは、本当に尊い光景。
竹安がフィードバックを鳴らすために、アンプに手を差し伸べる
その後ろ姿が愛しかった。

最後は『サヨナラBABY』で、ラララ~の大合唱。
ホールだから、気持ちよく響く。
満足そうに、客席を見渡す圭介の顔が大好きだ。
いや、4人とも大好きだ!
フラワーカンパニーズが大好きだー!

今日のフラカン劇場も、泣いたり、笑ったり。
(私の気持ちが)大忙しだったな。



はぐれ者讃歌
脳内百景
切符
煮込んでロック
人生GOES ON
空想無宿
なれのはて
SO LIFE
孤高の英雄
ロックンロール
深夜高速
旅待ち
感情七号線
この胸の中だけ
また明日
エンドロール
終わらないツアー
NODE CORE ROCK'N'ROLL
チェスト
恋をしましょう

元少年の歌
真冬の盆踊り

夜明け
サヨナラBABY



【おまけ・その他のMC】

中日ドラゴンズの帽子に入っているマークが「CD」なのが、
「ダサい!」と噛みつく圭介。
「巨人とか『YG』じゃないよね?」って・・・。
いやいや、YとGを組み合わせたマークでしょ。
阪神だって、HとTの組み合わせだし、普通なんだけどなぁ・・・。

CDのジャケ写について「“チョイ悪”風になってる」と言う圭介に、
「“チョイ悪”って、恥ずかしいから言わないでくれ。
取材のときにもちょくちょく言ってるけど、恥ずかしい」
とグレートからクレーム。

そのCDの帯(?)にミスコニがいるので、捨てないで下さい。
捨てるときは全員一緒に捨ててほしい、とのこと。
いっそのこと、ミスコニを集めたら何かプレゼントしようか。
チョコボールの金のエンジェル、銀のエンジェルみたいに。
賞品は銅像(ミスコニの?)・・・らしい。

グレートは2回映画に出たから、アクター。
ウィキペディアの自分の頁には、ベーシスト&アクターと表記する。
自分で書こうかな。

ウィキペディアでは「日本一」という表現は使えない。
フラカンの「日本一のライブバンド」という表記も
変更されて「ライブは全国各地で精力的に活動中」となった。

8 件のコメント:

  1. 東京という日本の特定の地方でだけ、
    いつも大事なイベントをするんだな!フーンフーンと、
    拗ね気味の本当の地方在住ですが、
    ツアー前夜祭なのかなぁ?
    よっし、さあこっちにおいで!待ってる!と思いましたよ。
    きっとフラカンが大分のステージで待ってますね。
    考えすぎないで逢いに行きます。

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    1. >tokageさん
      そうですねぇ、ツアー初日というよりも、前夜祭と言った方がピッタリくるかもしれませんね。

      ロックンロールは進歩も成長もしないで、そこにあるだけですが、
      フラカンというバンドは、どこまでも進歩し続けるのです。
      きっと大分でも、彼らの最高のロックンロールを鳴らすでしょう。
      ツアーを回りながら新曲たちと一緒に成長していく彼らが、帰ってくるのを楽しみにしてます。

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  2. 満を持して…の渋谷公会堂、確かな手応えと共に終わりましたね。あの高い天井いっぱいにファンの愛が結集していて、なんとも心地よいライブでした。
    特に印象的だったのは『SO LIFE』。圭介さんの声は伸びやかで、私が抱えている“恥ずかしい話”を次々と引っ張り出してしまいました。ロクでもない我が身と向き合いながら、それでもこの人生を慈しんでいくしかないよなぁ…と素直に思いました。この単純さも、“恥ずかしい話”かもしれませんが(笑)
    そして『さよならBABY』。まさに大団円!!幸福感一杯の終幕に加えて、ツアーに送り出す喜び…なんだか胸いっぱいです。新曲達がどんな風に化けていくのか、このツアーの成長と共に見守っていきたいものです。

    今ツアーもよろしくお願いします。

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    1. >サフィレットさん
      恥ずかしい話なら、圭介に負けず劣らず沢山持っている私ですが、
      その恥ずかしいことこそが、私の本質そのものかもしれないなぁ・・・と、
      『SO LIFE』を聴くとそんな気がしてきます。

      ツアーから戻って、またひと回り大きくなった彼らを一緒に野音で迎えましょう。

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  3. レポ、いつもありがとうございます。
    私も、言い知れぬ想いを抱えた状態で渋谷に
    出向きました。

    今考えると、何かを心配していたんだと思います。
    エンドロールのPVを見たあたりから。

    そして言葉にはできないんだけど明確な答えを
    貰って、目と鼻から水分を出して帰ってきました。
    幸せで泣くなんて、今更こっぱずかしいけど。


    シャツの事など色々ありすぎて、
    何を心配していたのかも
    途中から忘れてしまいました。

    いろんな意味でヤマでした。渋公。
    終わって何故かホッとしています。





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    1. >ちょきさん
      やっぱり心配されてましたか。
      こんなに大勢の人から心配されるバンドって・・・、幸せ者ですよね。
      そして、こんなに心配できる対象がいるということは、私たちも、結構、幸せなんじゃないでしょうか。

      私もホッとしています。
      彼らも、渋公のステージで確かな手ごたえを掴んだんでしょうね。
      最後に「ツアー行ってきます!」と言ったときのグレートの顔は、
      自信にあふれていましたから。

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  4. nemuriさんの文章を読んで・・・・また泣きました。

    「また明日」にはイントロで心臓を鷲掴みにされ、アウトロでブルンブルンと振り回されました。
    娘みたいな若い子が一緒だったのでなんとか踏ん張りましたが、一人だったら座り込んで泣いていたかもしれません。

    今は「ヌーボー」の新曲達がじっくりと熟成されるであろう半年後が楽しみですね。
    あっ、その間ちょくちょくと味見にも行かなくてはね。

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    1. >りーさん
      私も、書きながら泣いていましたよ。
      きっと、りーさんも泣くだろうな、と思っていました。
      今度聴くときには、そこで鳴ってる音を、もっとしっかりと受け止めたいですね。
      泣きながらでもいいから。

      味見もしつつ、熟成を楽しみに待っていましょう。
      まだ聴いてない曲もたくさんありますからね。

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