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2011年4月28日木曜日

夜の空は圧倒的な黒

誰かさんの記事にインスパイアされたわけじゃないんだけど、
最近ちょうど、そういうことを考えていたので、
ちょっと書き残しておこうかと。

痛々しくて聴けない音楽があるという話。


これは、飽くまで聴き手サイドの気持ちの問題なわけだ。
いろいろと想像、妄想がわいてきて、
勝手に胸を痛めているだけの話だから、
こちらの気持ちが、それを受け入れられるようになれば、
普通に聴けるようになるんだと思う。



フラカンの「怒りのBONGO」というアルバム。
これが発売された当時、かなりフラカンを聴きこんでたし、
楽しみにしてたんだけど、聴いてみると・・・。
なんじゃ、このドス黒さは・・・!!
と、呆然としてしまった。
ジャケットの不気味さと相まって、
ドロリとした不安と焦燥感が押し寄せてくる。
今となっては、そういうところが凄い名盤だと思っているんだけど、
その時は、ダメだったんだよな~。
聴いてると、ドロドロとした粘着質の闇がまとわりついてきて、
剥がそうとしても剥がれない。
そんな悪夢に似た感覚におそわれてしまって。
しばらくは、お蔵入りとなってしまった。

これは、当時の私の精神状態が、危うかったんだろう。
私とフラカンのネガティブが共振して、増幅されて、
負のエネルギーに圧倒されてしまったような気がする。



子供ばんどの「120% PURE」
再始動が発表されてから、中古CDを購入した中の1枚がコレ。
オリジナルアルバムとしては8枚目になるのかな?
1st、2ndの後で聴くと、かなりのギャップがあるのは間違いない。
ファンの間でもかなり評価の低い作品らしい。
『HEART OF MADNESS』とか、メジャー曲が入ってるにもかかわらず。
でも、それも納得。
シンセの音も、ドラムの音も、ベースの音も、当時の流行りの音。
曲自体も、痛快なロックンロールじゃなくなってるし、
JICKの歌い方まで、苦しげに聴こえる。
これまた、私の妄想かもしれないけど、
初期の子供ばんどらしさを否定してるように思えて、
この時期、バンドとして行き詰ってたんじゃないだろうか。
どうしても、そんな風に聴こえるんだよね。
それが痛々しくて、なかなか聴けない1枚となった。

たぶん、発売当時、誰かにダビングしてもらったカセットテープを
持ってたはずなんだけど(聞き覚えのある曲ばかりだったから)、
その時は、こんな気持ちにならずに聴いてたはず。
だから、今のこの感じ方もまた、時が経つと変わるのかもしれない。



あと、前にも言ったけど、
クロマニヨンズが最初、聴けなかったという話。
どうしてもハイロウズの幻影を払拭できなくて、
それを求めてたんだよね。
3rdの「FIRE AGE」で、やっと耳に入ってくるようになって、
そしたら1stも2ndもいっぺんに、ズドーンときた。
きっと私の中で、新しい回路が繋がったんだろうな。

ハイロウズといえば、白井さん脱退後の
ラストアルバムとなった「Do!! The★MUSTANG」は、
いまだに、ちゃんと聴けていない。
そこにいない白井さんの存在が音として聴こえるような気がして。
クロマニヨンズは聴けるのに、こっちはまだダメという、不思議。

2 件のコメント:

  1. 私「誰かさん」ですか?
    全く「ウ」聴けなくなりました。
    昔あんなに聴いていたのに。
    もともと後期は聴けなかったのです。
    考えすぎ、感じすぎだと思うのですが、
    もう身体が受けつけないようです。

    かと思えば大好きになるものも。
    私はフラカン、
    一枚早くてPruneS&Custardでした。
    マンモスフラワーからのギャップが耐えられなくて。
    でも、nemuriさんに勧めてもらって聴いたらよくて、
    今はとても気に入ってるんですね。
    フラカンが行き詰まりを感じ始めたときで、
    私の人生も行き詰まり始めて、
    妙にシンクロしてしまったというか。

    クロマニヨンズは、
    初めから「かえっていいな!」と思いました。
    なんかサバサバした気持ちでした。

    やってる方には聴き手は分からない事情があるのでしょうが、
    こっちの勝手な思いを映して聴いてしまいますね。

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  2. >tokageさん
    そうです、“誰かさん”ですよ。

    見ること、聴くこと、
    結局はすべて自分というフィルターを通してて、
    最終的に感じることは、自分自身の投影なのでしょうね。
    私たちは音楽を聴きながら、
    実は、自分の感情と向かいあっているのかもしれませんね。

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