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2012年12月18日火曜日

冬のとーべん祭り ~ほっこり編~@440

冬のとーべん祭り ~ほっこり編~
2012年12月13日(木) 下北沢 440
開場:18:30 / 開演:19:00
前売3500円 / 当日4000円 (1オーダー別)
出演:笹倉慎介/tico moon/ Modern Irish Project/
ゆげみわこ(中野督夫g)/湯川トーベン
スペシャル・ゲスト:斉藤哲夫



開演時間になり、トーベンさんからのご挨拶。
「今日は、ほっこり編ということで、“ほっこり”した人だけを
呼びました。・・・が、ちょっとヘンなのも一人入っちゃったけど。」
というのは、もちろんトクオさんのことだね。



ゆげみわこ
ゆげさんのセットは、トクオさんがアコギでサポート。

時間の流れが緩やかになり、郷愁を誘う歌声。
『奄美の子守唄』や『木曾節』といった民謡を
優しく歌い上げて、独自の世界観と作り上げていた。

『木曾節』のトクオさんのギターが、カッコよかった。
間奏で、エフェクトをかけ歪ませた音色で、ギュワーンと入ったとこ。
生命感が漲って、民謡の持つ逞しさが鮮やかに色づいた。

いつものことだが、トクオさんは喋りだすと止まらない。
主役はゆげさんなのに、自分のライブの宣伝を延々としてて、
関係者席のトーベンさんから「喋りすぎ!」と言われてた。
それでも、まったく気にせず、ずっとマイペースだったね~。

最後は、tico moonのお二人の演奏で
アイルランド民謡の『サリー・ガーデン』

ゆげさんは、どんな歌を歌っても和の匂いのする人だった。



Modern Irish Project
フィドル、ドラム、ギターの3ピースのアイリッシュバンド。

青いフィドルを持った女性、大渕さんはとてもクールな表情で、
軽やかに弾むような旋律を奏でる。

ギターの長尾くん、ほぼリズム楽器だよね。
職人ワザのように気持ちのいいカッティングを刻み続ける。

あれ?ドラムの人、見たことあるわ。
そうだ、横浜リザードで仰木さんのバックで叩いてたわ。
田嶋友輔くん、彼のドラム、好きだわ。
きっちりとリズムを叩きながらも、窮屈さがなくて、
フワッとした自由さを感じるドラムだ。

途中で一曲、トーベンさんがベースで参加。
「リハを見てたら、混ざりたくなっちゃって。」というわけで、
急遽決まったらしい。
しっかりと譜面を見ながら、ベースを弾く姿は、ちょっと珍しい。

けど、本当に愉しそうなんだよね~。
ドラムの友輔くんとアイコンタクトとってるときなんて、
お互いニコニコしちゃって、こっちまで顔がにやけてしまう。

アイリッシュ、楽し~!
あの陽気なリズムは、座って聴いているのが辛くなる。
腰がムズムズしてくるよ、踊りたくて。



笹倉慎介
最初に、トーベンさんとの馴れ初め(!?)についてのトーク。

笹倉くんがまだ会社員だった頃、
船橋の「月」というお店で共演したのが最初で、
その縁で、トーベンさんのイベントに何回か呼んでもらって、
すごく感謝している、と。

その最初に出会ったときに、トーベンさんが、これ演ろうよ、
と言って、一緒に合わせた曲が、はっぴいえんどの『12月の雨の日』
ということで、今日の一曲目。
トーベンさん、MIPの友輔くんと一緒に。

その後、一人で弾き語りのステージ。
とても表情がチャーミングで、いい顔している。
すれたところがなく、少し垢抜けなさが残っているところがいい。
もちろん、褒め言葉ですよ。
写真よりも、断然いいオトコだったもんね。

歌声は澄んだやさしい声。
“ほっこり編”には、ピッタリの人選だ。

最後は、tico moonのお二人の演奏で
『Have Yourself A Merry Little Christmas』を
ギターを置いて歌のみで。
トーベンさんから「ハンドマイクで!」と注文が出ていたけれど、
それは恥ずかしいから、と座ったまま、スタンドマイクで歌ってた。

本当に、ほっこりした、素敵な青年でしたわ。



tico moon
このイベントの初っ端から大活躍のお二人は、
ハープとギターのユニット。

初めて生で見るハープの演奏に、目が釘付けになった。
その優雅なこと!
指で弦を弾いて音を出すわけだけれど、
まるで舞っているかのような腕の動きは滑らかで美しい。
あの可憐な音色は、聴く者を夢見心地にさせるよね。

すっごくメルヘン。
異世界に入ってしまったような気分だ。
鈴の音が、シャンシャン、シャンシャンと入ってきて、
とてもクリスマスっぽいなぁ、と。
あれ?鈴の音、どこから聴こえてるんだろう?
とキョロキョロとしてたけど、見当たらない。
ちょうど私の所からは死角になっている、ギターの方の足元から聴こえる。
おそらく、足に取付けてリズムをとるようにして
鳴らしていたんじゃないかなぁ。

すべてインストかと思ったら、
一曲だけ、ハープの吉野さんが、ヘッドセットのマイクをつけて、
可愛らしい歌声を披露してくれた。
とてもキュートだったなぁ。

トーベンさんも、今度はアコベで一曲参加。
ギターの影山さんが「大好きなトーベン兄さん」と
紹介してたのが、なんだか可笑しかった。

「この中に入るの、けっこう勇気がいるんだよ」と言うのも納得。
お二人が作り上げてる世界観は完成されているから、
余計なものが入ると、壊してしまいそうだもんね。
でも、やっぱりトーベンさんは凄い人なのだ。
どんな曲でも前に出すぎず、でも、しっかりと底流を支える。
川の流れのように澱みなく、海へと導いていく。
あー、心地よいわ。



斉藤哲夫
本日のスペシャル・ゲスト。

前回のとーべん祭りにも出演された。
その後、倒れてしまわれたと知って、とても心配していたのだが、
幸いにも快復されて、少しずつライブもされているようなので
本当に良かったなぁ。

「前は2時間でも3時間でも平気でやれたんだけど、今はダメ」
と言ったときの、ちょっと残念そうな表情が印象に残った。

ダータファブラから『サイドストリートバンド』を
一人弾き語りで。
2フィンガー奏法の手元を見たかったのだが、
譜面台に隠れてよく見えなかったのが残念だった。

トーベンさん、トクオさんとの3人で
CCRの『Who'll Stop The Rain』のカヴァーと
『夜空のロックンローラー』・・・これは、本当に名曲だ。
メロディアスな曲調に、聴き手に語りかけるような優しさと
説得力のある歌声が響く。
なんだ、斉藤哲夫さん、すっかりお元気ではないか!

でも、出番が終わるとすぐに、
「もう寝る時間だから~」ということでお帰りになられました。

「健康が一番だね」という言葉、
40歳を過ぎると、ズシリと重く響くようになるなぁ。



湯川トーベン
本日の主催であり主役のトーベンさん。
12弦ギターだ。
一人で『青春パンク(仮)』を歌った後、とくべんで、
乱魔堂の『ひたすら』
はい、もちろん初めて聴く曲ですよ。
あれ?ここで、ベースに持ち替えたんだったっけ?
あー、記憶が曖昧だ。

再び、tico moonのお二人がステージに上がる。
「いつも娘がお世話になってます」という話から、
ライブを見に来ていた潮音嬢をステージに上げて、
「一曲演って」と言って、下がってしまうトーベンさん。

もちろん、まったく打ち合わせなしなので、
ちょっと焦り気味の潮音ちゃんが、可愛かったなぁ。
「じゃあ、トクちゃんも!トーベンも!」と呼んでたけど、
トーベンさんは、まったく応じず、結局、
Modern Irish Project+tico moon+湯川潮音という
スペシャル・ユニットで一曲、アイルランド民謡だったかな。
いいもん、見せてもらいましたわ。
こういうのが、とーべん祭りの醍醐味ってことだよね。

この後、
湯川トーベン+tico moon 『坂道』
とくべん+Modern Irish Project 『バンドマン・ブルース』
アイリッシュなアレンジの『バンドマン・ブルース』は、
8月の横浜のときに、やりたかったのはコレだよね。
今回、リベンジを果たせたってことね。

アンコールは、今日の出演者全員がステージへ出て、
(なぜか、見に来ていた中川五郎さんまで!)
宮沢賢治の『星めぐりの歌』を。

うーん、最後まで“ほっこり”だったわ~。



トーベンさんは、もちろん、ソロでもライブをやるけれど、
誰かと一緒に音を鳴らすのが大好きなんだよね~。
対バン相手と打ち合わせにないセッションをやったりしてるけど、
そのときも、本当に愉しそうな顔してるもんね。
根っからのバンドマンなんだな。

私は、トーベンさんのギターも歌も大好きなのだけれど、
やっぱり、ベーシストなんだよな~、ということを強く感じた。
自分でグルーヴを作り出すというよりも、
一緒に音を鳴らしている相手、ドラムやギターから、
グルーヴを引き出してくるような、そんな印象なんだよね。
それは、あらゆる人とのセッションを
重ねてきた結果なんじゃないかな・・・なんて、
偉そうなことを思いながら、にやけ顔で家路についたのであった。

とーべん祭り、次は何編かなぁ?

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