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2009年4月2日木曜日

HOUND DOG~ささやかな懺悔


私の聴く音楽は、とても偏っている。
好きなものだけ、ずぅーっと聴ければいいので、新しく開拓しようなんて気はまるでなし。
だから、世間で流行っていても、なんかのキッカケで興味を持たない限りスルー。
そんなわけで、音楽の話のあう人って、なかなかいない。
そもそも、アラフォーにもなると、好きな音楽について、誰かと熱く語る機会なんてないんだよね。


そんな私が中学生のとき好きだったのが、ハウンド・ドッグ。
『ff』でブレイクする手前の頃。
田舎の中学生だった私は「これがロックかぁ!!カッコええなぁ大友!!」と憧れた。

当時、たいていは学校近くのレンタル・レコード屋で借りてはカセットテープに録音してた。
お小遣いは三千円くらいだったかな。
つまり、LPレコード買うってのは特別なことで、
本当に大切にしておきたいものだけをチョイスして買っていた。
そんな私が生まれて何回目かに買ったLPが、ハウンド・ドッグの『Dreamer』

現メンバーになる前の、
おそらくバンドとして存続できるどうかみたいな葛藤のあった時期だったはず。
だからこそ、なんだか響いてくるものがあったんだと思う。
子どもだった私にさえ伝わるくらい、せつなく苦い空気で覆われてた気がする。

しかしながら、15年も前のことなので、
どんな曲が入ってたかも忘れてしまったため、ネットで検索してみた。
・・・タイトルを見ても半分は、まったく思い出せない。
あんなに大好きで聴いてたのになぁ。

作品レビューを書いてる方がいて、「何かが終わるときを感じる」とあった。
やっぱり、みんなそう感じてたんだね。

とにかく、その後ブレイクしてからの路線(“愛と勇気”みたいな)になってからは、
ちょっと・・・ダメだった。

私はあまのじゃくというか、メジャー否定症というか、
いまいち売れてないマイナーな方がファンとして居心地良く思ったりする人間なので、
「売れちゃってつまらないなぁ」という気持ちも少しあった。
でも一番ダメだったのは、『ff』以後の彼らの音楽は、私が好きだったものを持ってなかったから。
なんか、やたらと「勇気を持って~」だの「愛がすべて~」だの言われても、しらけてしまうし、
アレンジもキーボードが派手になり、ギターソロがヘヴィメタ風なのが入り、
ドラムが重厚な音になり・・・と、いかにも当時の主流なものになってしまった。

ゴキゲンなロックンロールで、情けない男の弱い部分を“チラ見せ”するようなところが好きだったんだよな。

まあ、それでも、私が聴きたい音楽じゃなくても、それなりに音楽活動を続けててくれれば良かったのに。
それこそ、活動休止でも、解散でもいい。
その方がどれだけファンが救われるか。
あんな醜態だけは晒しちゃいけないでしょ。
それがロックってもんでしょ。

今、バラエティ番組とかで、大友氏を見ると、無性に腹が立つ。
情けなくなる。
「おまえの言うロックってのは、コレかい?」


ロックっていうのは、人の生きざまだと思う。
若いもんががむしゃらにやるロックもいいけど、年をとってからが真価を問われる。


高校の同級生にRCサクセションのファンの男の子がいて、忌野清志郎のことを崇めていた。
その頃、ヘヴィメタに少し傾いてた私は、「ちゃらちゃらしててイヤだ~」と思ってた。
けど、もし今彼に会ったら謝りたい。(そして清志郎さんにも。)

「君にはロックを見る目があった。
私には何も見えてなかった。
清志郎さんは本当にカッコイイ。
生きざまがロックです。
涙が出ます。
ちゃらちゃらしてるなんて、バカにしてごめんなさい。
バカだったのは、私の方です。」


1 件のコメント:

  1. オラは今でもファンである♂
    http://kotobukikougyou.blog40.fc2.com/

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