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2012年8月1日水曜日

奇妙礼太郎@commune

Live at commune
奇妙礼太郎 ソロライブ
2012. 7月31日(火) 下北沢 commune
open 20:00 / start 20:30くらい
charge 2000円(wiz 1dk)



25名限定という狭小スペースでのライブ。
それでも、leteより、ずっと広々としてたけどね。

ぱっと見渡したところ、私が最年長だと思われたので、
なるべく目立たないようにコソーっと気配を消して座っていた。
そして、当り前のように奇妙くんが、ウロウロしてて、
いかにして、さりげなく自然にチラ見するかという・・・。
だってぇ、近くで見るの初めてなんだもん、ドキドキするよねー。
ミーハーでごめんなさい。

何に興味があるって、背の高さが気になる。
すごい小柄な人なのかな?と思ってたんだけど、
そんなことなくて、たぶん、普通に170センチ前後なんじゃないかなぁ?
それと、これは予想どおりだったんだけれど、
顔が小っちゃいんだ。
ステキ。

最近気付いたのだけれど、
顔から首の連続的なラインが美しい人に弱いらしい、私。
つまり、顔が小さいとか、首が太いとか。
さらに、ヴォーカリストが顎を上げて歌ってるときの喉元に
たまらない色気を感じるのですよ。
そう、私、首フェチなんですわ。



スモールサイズのアコギ(リトルマーティンかなぁ?)で弾き語り。
休憩を挟んだ二部構成で、前半はしっとりと聴かせる感じ。
一曲目の『天王寺ガール』で・・・やられた。
ノックアウト、いきなりのK.O負け。ズキューン!と射抜かれた。
最初に買った音源の一曲目がこれで、それを聴いたときと同じ衝撃が走る。
いや、それより何倍もの威力だったかもしれない。
一応、マイクは立っているものの、ほとんど生声だったから。

圧倒的な歌の存在感。
ぐさぐさと心に突き刺さって、息が止まりそうになる。
そして息を詰めたまま、涙が溢れないように目を見開いて、
目を閉じて歌う奇妙くんをじっと見つめる。
体は固まったまま、足でリズムをとることすらできないでいた。

きっと、他の人も同じように奇妙くんの歌に惹きこまれていたんだろう。
会場の空気が、丁寧にアイロンをかけたシーツのようにピーンと張っていた。
エンケンのライブのときの静寂にも似ているけれど、
あそこまでの緊張感ではなくて、もう少しフワッと柔らかい空気。
所謂カリスマ性とは無縁なところに彼は居る。

 切り裂くようなリズム 爆発するようなメロディー 
という歌詞があるのだが、
今あなたが歌っている歌が、まさにそれですよ、と伝えたかったな。
そんなことはとっくに承知しているかもしれないが。

その『あの娘に会いにゆこう』や『スイートソウルミュージック』
アルバムに入ってる曲は、音源とはまったく違ったアプローチ。
バンドの演奏を弾き語りで演るのだから、変わって当然なんだけれど、
それだけじゃない。
そのときだけしかない“今”を映し出して歌っているのだろう。

タワレコのインタビューで、死んでもいい、という気持ちで
ステージに立っていると言っていたけれど、
1ステージの1時間とか、30分とかいう時間を生きているというより、
1曲ごとに生を吹き込み、そして果てているように思える。
いや、もっと短い2小節とか4小節という単位なのかもしれない。
短く切り取られた刹那に生の灯火を激しく燃やし尽くそうとして
“過去”も“未来”もなく、果てしなく繰り返される“今”を歌う。
彼が歌うのはそんな歌。

前のライブのMCで、
ライブ前にお酒を飲むのをやめていると言っていたのだが、
「1年ぶりぐらいで、飲んで演ってます」と。
いい感じの酔い加減だったね。
酔いどれのブルースマンみたいな雰囲気がカッコよかったもの。
しかし、素面でその雰囲気が出るのなら、飲まない方がいいと思うよ。
これは老婆心ですがね。

途中までしか出来てない、書きかけの曲をいっぱい演った。
ほぼ、ワンコーラスくらいは出来てるみたいだから、
そんなに苦労しなくても曲の形になるんじゃないの?と思うのだが、
「ここから5年くらい進んでません」とか言っていた。
それでも「人前で演ることが大事!」ってことらしい・・・。


休憩の後、ゲストでサックスのUJ氏が登場。
トラベルではT.SAX吹いてたけど、手にしているのソプラノ。
このUJ氏のソプラノ・サックスがちょうど奇妙くんのキィと合うのか、
すごくバランスが良くて、とても気持ち良かったなー。
『SWEET MEMORIES』とか『赤いスイートピー』とか。

MCもUJ氏がいることで、奇妙くんがやりやすそうだった。
基本的にツッコミ体質というか、Sキャラというか、
誰か言葉を投げられる相手がいる方が喋りやすいんだろうね。
だいたいの関西人は、漫才的な会話法を刷り込まれて育つからね~。

アンコールは『ルージュの伝言』
歌い出してすぐに歌詞をとばしてしまって、あれれ?という感じで
仕切り直し。
「ほんまに自分がこんなことされたら、最悪やんなー」とか言いながら。

バンドで歌う奇妙くんもハジけてて、楽しくて、いいのだけれど、
弾き語りになると、その凄味がダイレクトに伝わってくる。
痛々しいくらいにピュアでむき出しのソウルを感じてしまうのだ。
ああ、奇妙礼太郎、おそるべし。



あっ、ひとつ書き忘れたけど、
奇妙くん、ギターもお上手でした。(当り前か)



もひとつ。
奇妙くんは、本当に才能のある稀有なシンガーだと思うのだ。
超売れっ子のスーパースターになる可能性も感じていて、
だから、このキャパで見られるのは、今のうちだけかもしれない。
迷ってる暇はない。
興味がある人は、今のうちに奇妙くんのライブ、観といた方がいいよ。

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