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2012年2月17日金曜日

ザ・クロマニヨンズTOUR ACE ROCKER 2012@SHIBUYA-AX

ザ・クロマニヨンズTOUR ACE ROCKER 2012
2012/2/15 Wed. SHIBUYA-AX
OPNE 18:15 / START 19:00
1F立見¥4800 / 2F指定¥4800(税込) SOLD OUT



なんて言えばいいのだろう。
あいつらは、まるでハリケーンみたいに
疾風怒濤のごとくやって来ては、ひらりと通り過ぎて行った。
そんなライブだった。




※セットリストとか知りたくない方は、ここから先は読まないでね。




会場に入ると、ステージ上にクロマニヨンサインが大きく書かれた
幕が下りていて、その前にマイクスタンドが3本立っていた。
なんかちょっと不思議なセッティング。

お馴染みの前説のお兄さんが登場。
手に持ってるマイクが、50年代、60年代の歌手がよく使っていたような
四角くて大きい、アンティークな感じのやつ。
なかなか格好いいな。

なんて言ってたかなぁ・・・。
たしか「~と闘う戦士“ACE ROCKER”」とか言ってたような。
そうか、エースロッカーって戦士だったんだぁ、ふむふむ。
そして「ザ・クロマニヨンズ!」という紹介で、例の幕が切って落とされ、
ステージ後方に巨大な角の生えた頭がニョキニョキとせり上がってきた。

「ACE ROCKER!」という掛け声のSEが流れ、メンバーが登場。
4人おそろいのツアーTシャツ。

1曲目『他には何も』で始まったから、
こりゃまた、ニューアルバムをそのままなぞるセトリか、と思った。
まだ曲順覚えるほど、聴きこんでなかったから、しばらくそう思ってたけど、
途中で、順番どおりではないということに気付いた。

とにかく「ACE ROCKER」からの曲で押してくるので、
少し居心地が悪いような思いを抱えながらも、
目の前で転がり続けるロックンロールの波に身を任せていた。
まだ、私の耳に、体に馴染んでいない曲たちも、
気持ちよく駆け抜けていく。

『ライオンとサンシャイン』は音源を聴いたときから、
この曲はマーシーを見る、と決めていた。
ヒロトのヴォーカルと掛け合うように歌うギター。
私はいつものようにコビー側の端の方にいたんだけど、
この曲が始まった途端に、スコーンとマーシーへの視界が抜けて、
ちょっとオカシな動きをしながらギターを弾いているマーシーがよく見えた。
あの動き、なんだかコミカルで、表情も笑いを噛み殺してるみたいで、
ちっともカッコいいわけないのだが、美しいんだよな、横顔が。

それにしても、MCらしいMCはほとんどなかった。
ただ、たたみかけるようにロックンロールを鳴らし続けてた。
ヒロトは曲の合間に、何度も「ロックンロール!」と言っていたっけ。

新曲以外のセトリが新鮮だった。
『連結器~』なんて!
「アソコーー!」って、いかがわしい言葉を大声で歌うバカバカしさが堪らん。
歌ってるうちにどんどん楽しくなってくる。

「マニュファクチャー!!!」というカツジの雄叫びで、テンション急上昇。
『自転車リンリンリン』ですと?
自分がこんなにこの曲が好きだったとは知らなかったわ。
というくらいに弾けたなぁ。

シングル曲連打のパートに突入して『スピードとナイフ』
あー、このリズムが好きだ。
ゴロゴロと勢いよく転がっていくような
カツジの8ビートは大好きなのだが、
クロマニヨンズというバンドには、こういうビートの方が似合っている。
と思うのは私だけだろうか。

これもカツジのドラムが光る『紙飛行機』
人の頭の間から、なんとかカツジの姿をチラ見。
少し苦しそうな表情で、歌いながら叩く姿に萌えるんだなぁ。

そして『エイトビート』で最高に盛り上がる。
ただ生きる、生きてやる。

スモークがもくもくと焚かれて、カツジの姿が見えなくなりそう。
おーい!そりゃないぜー!

・・・と『雷雨決行』が始まる。
最初、ギターと歌だけのところで、カツジとコビーが両手を上げて
何やら楽しそうにはしゃいでいたのが可愛いかったな。

あー、しかしなー。
『エイトビート』で沸騰した心が少し冷えていく。

嵐の中を漕ぎ出してみたものの、みんなから離れて漂流し始める。
そんな私を見張っててくれるような夢なんてどこにあるのか。
わからない。
やることもわかってない。
立ち上がれない。

なぜか『雷雨決行』や『ナンバーワン野郎!』を聴くと、
心が急に内向きになっていくのだ。
嬉々として拳を突き上げて、飛び跳ねてる観衆の中で、
力強く歌うヒロトの前で、
遭難しそうな心細さに涙が出そうになる。

彼らが作る歌にどんな意図を込めているのかなんてわからない。
ただ、そんな風にしか受け取れない捻くれ者の自分がいるだけ。
そういうこと。

突然おそいかかってきた内省の嵐に吹き飛ばされないように、
コビーとカツジが作り出すビートにしがみつく。
目を瞑って、しっかりと。
遠くにハープの音が聴こえて、少しだけ視界が開ける。

気が付いたら、彼らは颯爽とステージを去っていった。

まるで、ジェットコースター・ムービーだ。
激しいアップダウンを一気に駆け抜けていた。



他には何も
欲望ジャック
バニシング・ポイント
ゴー ゲバ ゴー
シャイニング
ハル
ライオンとサンシャイン
連結器よ永遠に
ムーンベイビー
自転車リンリンリン
あったかい
ひらきっぱなし
スピードとナイフ
底なしブルー
グリセリン・クイーン
オートバイと皮ジャンパーとカレー
紙飛行機
エイトビート
雷雨決行
ナンバーワン野郎!

ボッチ
ギリギリガガンガン
弾丸ロック




アンコールでマーシーは、例のあのちゃんちゃんこ・・・いや、
ボ・ジャケットを着て登場。
どうみても、炬燵でみかん食べてるおじいちゃんにしか見えない。
もちろん、持つのもボ・ギター。
たぶん、本人はお気に入りなんだろうなぁ。
ヒロトに笑いながら指さされて「あんな人、いたっけ?」と言われてた。

『ボッチ』
演奏が終わってから「今日初めてやりました」と。
出来は85点だそうですわ。

『ギリガン』で、再び上昇気流にのる。
カツジと一緒に腕を振り上げるのが、最高に嬉しいのさ。

ラストナンバーは『弾丸ロック』だ。
いい。すごく、いい。
1時間半の間にいろいろあった脳内劇場だけれど、
素晴らしい幕切れだったと思う。
ジタバタ、ドタバタ、何一つ解決しなくても、
無理矢理ねじ込むようにエンドロールが流れていく感じが爽快だ。



あー『メキシコの星』やらなかったじゃん!

2 件のコメント:

  1. 歌舞伎座の浅葱幕を思い出す、憎い演出でしたね。小さいハコでは一体どうなるのかなぁ?ちょっと楽しみです。
    『ライオンとサンシャイン』、2日目はマーシーを見ました。たしかに、ヒロトが歌っている時の振り(?)が可愛い!ついついガッツリ構えたコビーを見たくなるけれど、この曲はマーシーを必見でいきます。

    ど真ん中ストレートのあの二曲、瓦礫の街で踏ん張っている人(特に同世代のオッサン)に捧げているんじゃないか?と思っています。
    のんびり音楽を聴くゆとりがなくたって、コンビニで流れるワンフレーズで勇気や元気が湧くように、彼等なりに考え抜いてる気がして…。
    あの張りつめた二曲には、『コロッケ定食』をセットにして頂けるとバランスが良いのになぁ~。

    揺れる乙女心・・・たまには嵐に身を任せるのも悪くないのでは??

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  2. >サフィレットさん
    そうですね、たまには嵐に身を任せるのも悪くないかも。

    今はたまたま、彼らとチューニングが合ってない時期なのでしょう。
    その狂ったチューニングの中でも、あのロックンロールの嵐は凄いとしかいいようがない。
    わかっているんですよ。
    ただ、少し時間がかかるかもしれませんね。

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