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2012年11月15日木曜日

映画の快楽

やっと、VAN HALEN の振替公演の日程が決まった!
もう、このまま来日してくれないんじゃないないかと、ヒヤヒヤしたわ。
何よりも、エディが元気になったってことが嬉しいね。
本当に良かった、良かった。




有給休暇が余っているので、特に用事はないけど休みをとり、
久しぶりに、映画三昧をキメた。
水曜日を“レディースデー”1000円としている映画館が多いので
助かりますわ。

その昔、20代の頃は、よく映画のハシゴをしたものだ。
前は、1日が映画感謝デーで、1000円だったよね?
欲張って3軒まわったこともあったなぁ。
あの頃は、お金は無かったけど、情熱があったんだなぁ、
映画に対して。

で、映画そのものも好きだけど、映画館というコヤが好き。
ライブハウスというハコが好き、という今の嗜好と同じ。
美術館や博物館も、展示そのものより、
その建物や施設に興味があったりする私は、容れ物フェチなのか。
かといって、建築物が好きというわけでもないんだよな。

「さて、何を観ようか・・・」
普段から映画を観ていないと、今どんな映画をやっていのか、
という情報にも疎くなっているんだよね。
まったく行き当たりばったりで、家を出たものだから、
iPhoneのアプリにお世話になった。
まったく便利な世の中だよな。

結局、観たのは、
「のぼうの城」と「最終目的地」の2本。
どちらも面白かったので、ごくごく簡単に感想を。

「のぼうの城」は、野村萬斎ありきの映画だなぁ。
あれ、他の役者さんでは、あそこまで魅せるのは難しいだろう。
歌舞伎役者でも、どうだろうなぁ・・・。
石田三成の上地くんが、なかなか頑張っていたのに驚いた。

「最終目的地」は、ジェームズ・アイボリー監督の作品。
こういうミニシアター向きの文学作品、大好物なの。
キャストがみな見事な演技をしてて、気持ちいい。
しかし、一番魅力的だったのは、真田広之。
なんともチャーミングなキャラクターを作り上げていたなぁ。
セミヌードもカッコよくて、目に焼き付いてしまったよ。(←眼福)
シャルロット・ゲインズブールの
あの儚げで危うい雰囲気は、10代の頃から変わらんね~。

と、まあ、たいした感想が書けなくてごめんなさい。

実は、書きたいのは作品の感想ではなくて、コヤのことだったりする。
「のぼうの城」は、都心から少し離れたシネコンで、
「最終目的地」は新宿シネマートで、それぞれ鑑賞した。

一昔前に比べると、どの劇場もキレイになった。
椅子もいいし、前の人の頭が被らないよう適度な勾配があって、
見やすいようにレイアウトされている。
快適だなぁ。

同じような快適シートでの映画鑑賞なのだが、
シネコンと、いわゆるミニシアターでは、
やっぱり、なんだかムードが違うのである。

新宿シネマートでは、レイトショーで「赤い季節」の上映中で、
村上淳やイマイさん(←イマイさんだけ、さん付け)の着た衣装を
展示してあったり、バースデー本が、平積みされてたりと、
個人的に興味深い空間ができていた。
なんか、居心地いいのである。

それに対して、平日のシネコンは少しガランとしていて
ゆっくりできるはずなのに、なんだか落ち着かない。
いや、落ち着かないといより、つまらないのだ。
あちこちに、近日上映作品のポスターだのチラシだのが
置かれているのに、どうも魅力を感じない。
なんだろう、あのワクワク感の無さは。
没個性・・・ということなんだろうな。

あの効率的かつ画一的に作られた空間に眩暈を覚える。
どこのシネコンも似たような造りで、自分の居る場所がどこなのか、
見失いそうで、キモチ悪くなるのだ。

思い起こしてみれば、私の映画への情熱が薄れていったのは、
世にシネコンが台頭してきた頃じゃなかったか。
初めは、都心まで出なくても、
話題作を網羅して上映してくれるシネコンができて助かるなぁ、
なんて思っていたわりに、その辺りから、
徐々に映画を観なくなってしまった。

よく考えてみれば、そうだよな。
お手軽に楽しもう・・・なんて考えた時点で私の堕落が始まったのだ。
楽しむことに対して手を抜いてはいけない。
手間ひまをかければかけるほど、
その後にやってくる快楽のポテンシャルが高まるのだから。

よし。
これからは、マメにミニシアターに足を運んで
地味な映画を観よう。
適当にアプリで検索して探すのじゃなく、
事前に気になる作品をチェックするようにしなくちゃいけない。
ここも手を抜かないことが大事。
計画を立てるところから、映画の快楽が始まるのだと心得よ!

まずは閉館前に、銀座のシネパトスへ行かなくては。
きっと、あそこの椅子は昔のままなんだろうなぁ・・・。

4 件のコメント:

  1. 私もシネコンができるまでは、地元に来た映画は全部見るくらい行っていたものです。
    2本立てで、お目当てではない方の映画にはまったり、リバイバルに歓喜したり、旧作の映画パンフに興奮したり。
    シネコンができて、初めはここに来れば何でもみられる!と興奮したけど、
    段々マニアックなあの映画が地元に来なくなり、小さなコヤはつぶれていかがわしいステージになり、時を同じくしてコヤのあった商店街はシャッター街になり、
    いつしか私は映画館で映画をみなくなりました。
    日本中どこにいっても同じことをやっているシネコン。
    コヤの店長のこだわりの作品みたいな色がなくなったのが、
    色あせた原因かもしれないですね。

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  2. >tokageさん
    映画館だけじゃなく、駅前の風景や商店街も、大手資本のチェーンやフランチャイズばかりで、
    全国どこへ行っても変わり映えがなく、うんざりすることがあります。

    便利で快適を追求するということは、突出した個性や、はみ出した感性を排除することに繋がっている気がして、
    ちょっと恐ろしさを感じています。
    私たちが愛するロックンロールは、まさしく“はみ出し者の音楽”ですからね。

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  3. 何度も書き込んですみません。
    全国のコンビニやイオンに入ったときのデジャヴに吐き気がするときがあります。
    それは、
    ZEPPやクアトロもそうなのかも。
    あれはハコではないなぁと思ったりするのです。
    あんなスタンダードなところで、
    はみ出し者の音楽を聴くのはちょっと違和感があるのです。

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  4. >tokageさん
    その感覚、とてもよくわかります。

    とくに、音楽や映画、そういったアートを提供する場所には、
    それ相応の気骨のあるオリジナリティを打ち出して欲しいですよね。

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