私の場合、読書に限らず何をするにおいても、ムラがある。
他のことが手につかないくらい夢中になっていたかと思うと、
ふっつりと糸が切れたように、止めてしまう。
それがまた、ちょっとしたキッカケで再び盛り上がったりと、
波のように、寄せたり引いたりを繰り返す。
読書においてもそんな感じで、今現在、ノリにノってて、
空き時間ができたら、とにかく本を開いている。
あいかわらずケチなので、買わずに図書館で
ごっそりと借りてきて、読み物を絶やさないようにして。
週末、夫が留守だったので、これ幸いと
ひたすら、読む、読む、読む!
そこで、嵌まりまくったのが、こちら↓
「李歐」 高村薫
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ハードボイルドで、香港ノワールの匂いがする。
(実は、ほとんど見たことないのだけれど)
クライム・ノベルのようでもあるけれど、
ファンタジーでもある。
読んでいる間、ずっと大陸の風に吹かれていた。
この物語の世界感が、息苦しいほどにリアルに感じられて、
夢にでてくるほどだった。
ストレートに感情移入してしまえる人物は登場しないのに、
その世界の中に、いつの間にか入り込んでしまっていた。
桜の妖しい美しさに幻惑されていた。
困った、困った。
家で一人っきりで、こんなの読み耽っていたら、
私を現実に引き戻してくれるものがなく、
かなり遠くまで行ったきりになってしまった。
もちろん、飯も食ってねぇ。
夕方、夫が帰宅してアレコレ話しかけてきても、
あまりに遠くまで心が彷徨い出てしまっていた為に、
なかなかピンとこなくて、ちゃんとした返答が出てこず、
「大丈夫か?」と体調(頭かな?)を心配されてしまった。
ああ、結婚してて良かった。
夫がいるおかげで、私は現実に引き留められているのだな~、
とつくづく思う。
私一人だったら、地に足を着けて、現実を生きるということは
もっと困難なことだったかもしれない。
あぁ、まったく本ネタじゃないところに着地してしまった。
とにかく面白かったということですよ。
まー、そういうこと。
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